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(小学館・1650円) 毒を毒のまま描く救いがない世界 毒を薬に変えるのが文学の機能だという考え方があるが、評者は同意しない。むしろ毒を毒のまま描き、救いがない世界を読者に示すことによって、時代を深刻にとらえる作品があってもよいと思う。例えば、村田沙耶香氏の『地球星人』がこの範疇(はん…