『小さき王たち 第一部・濁流』 堂場瞬一さん (毎日新聞)

(早川書房・2090円) 大河政治小説の3部作 作家、堂場瞬一さんの新刊「小さき王たち」がこの春、早川書房から刊行された。新聞記者と政治家の3代にわたる対立を軸にした物語。政治と報道を巡る3部作の第1弾だ。新聞記者を経てフィクションの世界に入った堂場さんは「大きな時間軸のなかで、日本の政界……

/191 吉田修一 写真・王秉蒼 (毎日新聞)

台所から水音が聞こえ、世之介は目を覚ました。 いつの間にか食堂のソファで眠ってしまっていたらしく、誰かが毛布をかけてくれている。 時計を見ると、すでに深夜一時を回っている。明日の撮影の下調べをしようと部屋から持ち出していた資料がテーブルにきちんと積まれているところを見ると、誰かが整……

新刊 『ラブカは静かに弓を持つ』=安壇美緒・著 (毎日新聞)

音楽の著作権を管理する団体に勤める主人公が、音楽教室への潜入調査を始めた。目的は著作権法の演奏権侵害の証拠をつかむこと。主人公自身、少年時代にチェロを習った経験があり、そのときに遭遇した事件のトラウマが、調査のために近づいたチェロ講師との出会いでやわらいでいくが――。「スパイ」と……

インフォメーション 日本語教師・教育体験手記コンクール「大森杯」を開催 (毎日新聞)

日本僑報社は長年にわたり中国の日本語教育推進活動を続けてきた大森和夫・弘子夫妻の功績を記念し、「大森杯」(日本語教師・教育体験手記コンクール)を開催する。応募資格は大学、高校、中学など中国の教育機関で日本語を教える中国人および日本人教師。最優秀賞の大森賞には中国人、日本人各1人を……