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海外専売なのに!? なぜか日本由来のネーミングを持つ不思議な限定車5選

 レクサスヨーロッパは2022年3月14日、フラッグシップスポーツのLCに、限定車「北海道エディション」を設定することを発表した。日本でも有数の観光地である北海道は、海外でも人気が高いのは皆さんもご存じのとおりだ。

 その北海道の魅力と同地を重要な開発拠点のひとつとするレクサスの想いをデザインで表現した1台となっている。このほかにも、海外で販売される日本車のなかには、日本由来の名称を持つユニークな限定車たちが存在する。その一部を紹介していこう。

文/大音安弘写真/トヨタ、スバル、スズキ、編集部

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■Lexus LC Hokkaido Edition(LEXUS EUROPE)

2022年3月14日にレクサスヨーロッパから発表されたレクサスLC北海道エディション。クーペとコンバーチブルのボディ形状をそれぞれ40台限定で発売する

 レクサスのフラッグシップスポーツ「LC」に設定された特別仕様車「HOKKAIDO EDITION」は、その名のとおり、「北海道」がテーマ。プレスリリースによると、火山島である北海道は豊かな山林と温泉を有する高級リゾート地であるとともに、多くの素晴らしいドライビングコースに恵まれた地として紹介している。近年ではインバウンド需要で盛り上がっていたのは、皆さんもご存じのとおりだ。

 レクサスは、その地に重要な開発拠点「士別試験場」を所有しており、レクサスの「匠」と呼ばれるプロフェッショナルたちが、新型車に入念なファインチューニングを施している場所でもある。その豊かな自然とレクサスを生む人々の情熱を北海道の火山に集約し、表現したデザインが施されているのだ。

 このLCの仕様は、クーペとオープンの「コンバーチブル」がベースで、ボディカラーには、フレアレッド、ソニックプラチナ、エフホワイト、グラファイドの4色を用意。ブラックシグネチャーグリルとオーナメント、LEDヘッドライト、アフターバーナー式テールライト、21インチアルミホイールなどを特別装備。もちろん、シリアルナンバーのエンブレムも装備される。

 コンバーチブルのルーフは、レッドもしくはブラックの選択が可能だ。インテリアは、ブラックとダークローズのコンビネーションとなり、これが火山を彷彿させるという。クーペは、3.5LV6ハイブリッドのLC500hと5LV8自然吸気のLC500の選択が可能。コンバーチブルは、エンジン車の「LC500」のみとなる。2022年4月より40台限定で販売されている。

■先代型86 Hakone Edition(TOYOTA USA)

2019年に北米で発売されたトヨタ86箱根エディション。日本で発売された「ブリティッシュグリーンリミテッド」とエクステリア的にはほぼ同じ

 2019年4月に米国で発表されたのが、特別仕様車「86 Hakone Edition」だ。日本のクルマ好きの聖地であるワインディング「箱根ターンパイク」をリスペクトした仕様だ。

 2020年モデルの「GT」をベースに、専用色「Hakone green」のボディカラーにブロンズカラーの17インチアルミホイールを組み合わせたもの。インテリアでは、タンとブラックのアルカンターラシートやタンカラーのステッチなどが施されている。

 このグリーン外装とタンカラー内装の仕様を見て、ピンときた読者も多いはず。そう、日本で期間限定発売された特別仕様車「GTブリティシュグリーンリミテッド」にそっくりなのだ。こちらも2019年2月の発表とタイミングもピタリと重なる。同一仕様のコンセプト違いと見ていいだろう。

 ただ、日本仕様と異なるのは、標準仕様の17インチをブロンズカラー化していること。専用オプションとなる「ハイパフォーマンスパッケージ」も非設定だったことにある。その代わり、専用トランクカーペットやキーカバーなどが備わるなど、日本仕様とは異なる部分もあったようだ。ちなみに、日本仕様ではグリーンのボディカラーを「ブリティッシュグリーン」と呼んでいた。

■スバルWRX Raiu Edition(SUBARU CANADA)

2018年にスバルカナダから発売されたWRX雷雨エディション。スバルカナダではWRX初めての限定モデルとなる

 スバル車の人気が高い北米だが、カナダ地域限定で2018年8月に発表されたのが、「WRX雷雨エディション」だ。最大の特徴は、カタログ色にはないクールグレーカーキのボディカラーだ。日本では、先代レヴォーグや現行スバルXVなどで使われているカラーだが、WRX STIのコンプリートカー、S208のニュルブルクリンクパッケージ専用色として設定されていることからも、スポーティさも表現できるカラーといえる。

 ベースとなるのは、WRXの最上級グレード「スポーツテックRS」。6速MT仕様であるが、エンジンは、FA20型直噴ターボを搭載しており、「先代型WRX S4」のMT仕様と捉えてもらえばいい。

 エクステリアには、STIのフロントリップ、サイドシル、リアサイドスポイラーを装着。アルミホイールも、ガンメタ塗装の18インチとなる。さらに内外装にはブラックのアクセントを取り入れているのも特徴だ。走りの面では、ショートストロークシフターが採用されているのも、雷雨の名にふさわしいドライバーへの刺激ポイントだった。限定数は100台とされた。

■スバルWRX STI Kanrai Edition(SUBARU CANADA)

2020年にスバルカナダから発売されたWRX STI寒雷エディション。セラミックホワイトの外装色とネーミングから冬の稲妻をイメージさせるこのモデルは75台の限定販売であった

 SUBARU CANADAは、WRX STIでも特別仕様を2020年3月に投入。2018年の雷シリーズの第2弾を「寒雷(かんらい)エディション」と名づけた。STIの刺激的な走りと雪を連想させるボディカラー「セラミックホワイト」、オールシーズンで活躍できる機動性などに由来するようだ。

 内容もしっかりアップデートされており、STIチューニングのビルシュタイン製パフォーマンスサスペンション、ミシュランパイロットスポーツ2とブロンズ塗装の19インチ鍛造BBS製アルミホイールの組み合わせを標準化。

 フロント6ポッド&リヤ4ポッドのブレンボ製ブレーキシステムは、クロスドリルローターに変更され、キャリパーもシルバー塗装仕上げとなる。さらに軽量化のために、スペアタイヤを削除し、リペアキットを積む。

 外観では、ブラックのトランクリップ、バッチ、ミラーキャップ、シャークフィンアンテナをアクセントに取り入れて全体の印象を引き締める。また、グリルはSTIのイメージカラー「チェリーレッド」のアクセントが加えられている。かなりクールな仕様なので、日本でも受け入れられたことだろう。こちらは75台限定とされていた。

■Suzuki Swift Sport Katana(SUZUKI HOLLAND)

2019年にオランダで30台限定発売された『スイフトスポーツ カタナ』。東京オートサロン2020のスズキブースに展示されて話題となったものとは別もの

 東京オートサロン2020のスズキブースで大きな話題となったのが「スイフトスポーツKATANAエディション」だ。そのコンセプトは、「KATANAの疾風感と造形美にインスパイアされたスイフトスポーツ」とされ、専用エアロパーツを纏ったブリスターフェンダーによるワイドボディや大径アルミホイールなどで武装され、デカールはオートバイ名車「KATNA」との一体感を示していた。

 市販化を望む声も多かったが、そのまま現時点ではお蔵入りとなっている幻のスイスポだ。しかし、その登場の前年となる2019年にスズキヨーロッパは、「スイフトスポーツ カタナ」をオランダで30台限定発売していたのだ。

 もちろん、TAS2020のスイスポとは仕様が異なり、ボディは通常のスイフトスポーツ用のままであったが、「刀」を彷彿させる専用のボディサイドステッカーを採用。ボディカラーは、刀のイメージカラーであるシルバーの「プレミアムシルバーメタリック」と「スーパーブラックパール」を設定。フロントグリルの縁を赤のデカールで彩り、その下部には、「KATANA」の文字が刻まれていた。

 ドアトリムやステアリング、シートにも「KATANA」のゴロデザインが加えられるなど、本格的なドレスアップが図られている。さらにメカニズムでは、ローダウンのスポーツサスペンションと専用のスポーツエキゾーストを標準化。

 ボディとシートには、シリアルナンバーも入る凝りよう。これで30台限定は贅沢過ぎる……。彼の地でのスイフトは、日本ほど安価な存在ではないので、このようなスペシャル仕様が企画されたのだろう。

 このように日本語の名称や地名を取り入れた海外専売の限定車たちを調べてみると、どれも日本車を愛する海外の人たちへのリスペクトを込めた特別なものであることがわかった。どのモデルも現地で愛にあふれたオーナーたちに大切にされていることは間違いないだろう。

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