AMDでは2022年下半期中にRDNA3アーキテクチャーを作用したRadeon RX 7000シリーズをリリース予定ですが、今回この中で最上位モデルであるRadeon RX 7900 XTなどで採用されるNavi 31 GPUとRadeon RX 7700などで採用されるNavi 32で期待されていたMCMアーキテクチャーやVRAMバス幅について新しいリーク情報が出現しました。
2022年下半期発売、Radeon RX 7000シリーズ
AMDでは2022年下半期に現行のRDNA2アーキテクチャから刷新を図ったRDNA3アーキテクチャの開発を進めています。このRDNA3アーキテクチャーを採用したGPUにはハイエンドモデルに採用されるNavi 31とNavi 32、ミドルレンジモデルで採用されるNavi 33が登場する予定で、上位2GPUのNavi 31とNavi 32についてはコンシューマー向けGPUとしては初めて複数のGPUを組み合わせたMCMアーキテクチャーが採用されると見られていました。しかし、最新のリーク情報によるとNavi 31やNavi 32ではVRAMのバス幅が従来のリーク情報より大幅に強化される一方で、期待されていたMCMは非採用になる見込みのようです。
Navi 31とNavi 32のVRAMバス幅が強化へ。Navi 31は384-bit化
AMDのRadeon RX 7000シリーズについては合計3つのGPUが登場予定とリークが出現しており、上位からNavi31、Navi 32、Navi 33という構成となっています。この3つのGPUの仕様についてStreaming Processorsの数やVRAMの種類、容量、そしてバス幅などの情報が既に出現していました。
今回NVIDIAやAMD関連のリークを扱うGreymon55氏から、Navi 31とNavi 32のVRAMバス幅について新しい情報が出現しています。
You should update to 128bit-256bit-384bit
— Greymon55 (@greymon55) May 18, 2022
Navi 31については従来までのリークでは21GbpsのGDDR6を採用し、容量は32GBの一方で、バス幅については256-bitと競合のNVIDIAが384-bitを採用する中で控え目な仕様なっていました。
また、Navi 32についてもNavi 31と同じく21GbpsのGDDR6を搭載と見られていますが、バス幅については192-bitとNVIDIAのミドルレンジモデル並みのバス幅に落ち着いていました。
しかし、Greymon55氏によるとNavi 31は384-bitに、Navi 32については256-bitのバス幅となるようです。
MCMを非採用へ。性能をRadeon RX 6900 XTから倍増は困難?
RDNA3 design based on the latest rumors/leaks.
– 1 GCD 5nm, 2x FP32 cores, 1xFP16 cores, 3ghz, 40% die size reduction.
– 386MB L3 64MBx6 MCD @ 4TB/s via TSMC CoWoS IO fabric.
– 24GB GDDR6 @ 768GB/s
– Perf vs 6900XT: 2.25x compute, 2.7x RT, 2.25x 4k gaming.#AMD #pcgaming pic.twitter.com/cZR2hZP2oU
— AMDGPU (@AMDGPU_) May 17, 2022
AMD Navi 33/32/31 (updated) chip data, based on rumors & assumptions
As @kopite7kimi pointed out, old info from last Oct is outdated 😉
updated:
– 20% less WGP
– no more double GCD for N31/N32
– 6 MCD for N31 = 384 MB IF$
– 4 MCD for N32 = 256 MB IF$https://t.co/rj2G2gi9CU pic.twitter.com/yDqeTTdSAT— 3DCenter.org (@3DCenter_org) May 9, 2022
Navi 31については2022年秋頃にはMCMを採用すると言われており、Navi 31は当初、合計15360基のStreaming Processors(SP)を搭載すると見られていました。しかし、2022年5月初旬にGreymon55氏がNavi 31のSPが15360から12288基に、Navi 32は10240基から8192基と大きく減少する事をリークしていますが、どうやらこれはGPUダイであるGraphics Core Die(GCD)を2基搭載のMCMから1基搭載のモノリシックダイへ仕様を変更した事によるSP数減少だったようです。
ただ、GCDについてはモノリシックダイとなっていますが、Infinity Cacheなどを備えるMulti Cache Die(MCD)は別のダイとして搭載される見込みで、Navi 31では6つのMCDを、Navi 32では4つのMCDを搭載すると見られています。そのため、一応リリース時はコンシューマー向けGPUとしては世界初のMCM採用とは言えそうです。
なお、Navi 31ではGCDとMCDを合わせると合計7つのダイを搭載する事となりますが、この「7つのダイ」が搭載されるという話はGCDの数が異なりますが、Greymon55氏が過去にリークした数字と合致しています。
AMDでは2022年後半にRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000シリーズのリリースを予定してい…
OK, let’s do a new summary.
RTX 4090, AD102-300, 16128FP32, 21Gbps 24G GDDR6X, 450W, ~2×3090.
I am disappointed with RDNA3.
That’s all.— kopite7kimi (@kopite7kimi) May 16, 2022
I hope there is uplift before the release.
— kopite7kimi (@kopite7kimi) May 18, 2022
NVIDIAではAda Lovelaceアーキテクチャーを搭載するGeForce RTX 4000シリーズを7月以降にリ…
ちなみに、kopite7kimi氏は数日前に「RDNA3について期待外れだった」とツイートしていますが時系列的に恐らくGCDが1基のみ搭載と言う話の事を言っていると見られます。性能については4KゲーミングにおいてRadeon RX 6900 XTの2倍以上を目標としているNavi 31についてkopite7kimi氏は「リリースまでに性能を上げられると良いが・・・」と悲観的な見方を示している事からGCD側のMCM非採用による性能へのインパクトはかなり大きい可能性がありそうです。
Navi 31やNavi 32について多くの人が期待を抱いていた理由の一つにGCDを2基搭載するMCMと言う点であったので、今回のMCM非採用と言う話が仮に事実であればかなり残念と言えそうです。ただ、それでもInfinity Cacheを大量に積み、Navi 31では今回のリークでバス幅が384-bitにまで拡大されたという事で、ゲーミング時の性能についてはNVIDIA GeForce RTX 4090を圧倒する事は困難でも同等レベルのゲーミング性能を発揮する事が可能と考えられます。間もなくCOMPUTEX2022が開催されるので、RDNA3について何か情報が出るのか期待ですね。
投稿 AMD Radeon RX 7000シリーズのGPUはMCM非採用に。一方でバス幅は384-bitに強化 は ギャズログ | Gaz:Log に最初に表示されました。