早稲田大学の社会人向け講座で自社のマーケティング施策について「生娘をシャブ漬け戦略」と繰り返し発言した吉野家の伊東正明・常務取締役が19日、解任された。親会社の吉野家ホールディングスが同日、公式サイトで発表した。解任は前日付。
発表では解任理由として、
人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することの出来ない職務上著しく不適任な言動があった
としている。吉野家の広報担当者は、解任の経緯をこう説明する。
5人いる取締役のうちの一人から、どうすべきか話し合う必要があるとの提案があって臨時取締役会を開き、取締役全員の同意のもと解任となりました
伊東氏とはこれまで業務委託契約をしていたが、今後は契約関係はなくなるという。
もともと若い女性客を増やしていきたいとの戦略があったのは事実だが、「生娘をシャブ漬け戦略」との言葉は伊東氏個人が使っていたに過ぎないと強調した。
社内ではそのような言葉は使っておりません
「お詫び文書」自作“疑惑”は?
また、18日付のお詫び文書では、公開当初、PDFデータの情報に残された文書の作成者名が「Ito Masaaki」となっていた。伊東氏自らが自作自演的に作成したのではないかと、ネット上では疑いを持つ人もいたが、これについて吉野家の広報担当者は
伊東自身があの文書を作ったということではありません。経緯や顛末を伊東本人がまとめたあと、広報がお詫び文を作成しました。同じ文書に上書きする形で広報が作成したため、誤解を招くことになりました
吉野家の社員数は約1300人、パートなどの従業員は約7800人という。男女比についての数字は、手元にないとのことだった。また、伊東氏が担っていた常務取締役というポジションは、吉野家では社長に次ぐ立場だと説明。現在は一人しかおらず、いわば副社長のような存在だったと言える。本人は今、何を思っているだろうか。