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現役ディーラー査定士が教えます! 下取りしたいクルマ、ホントは下取りしたくないクルマ

 誰しも新しいクルマを購入する時、今まで乗っていたクルマはできるだけ高く買い取ってもらい、できるだけ多くの軍資金を作りたいと思うものだ。しかし、予想以上に査定は厳しく、満足のいく査定額を提示されることは難しい。

 今回は、ディーラーの査定士が、買い取りしたいクルマや、正直、買い取りしたくないクルマなどの特徴を伝授。近々、クルマの乗り替えを検討している人、そうでない人もぜひ参考にしてほしい。

文/関谷明日香、写真/写真AC

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煩雑な手続きなし! 下取りから新車購入までがスムーズに

 クルマの下取りとは、ディーラーなどの販売店でクルマを購入する際に、現在乗っているクルマを売却して引き取ってもらうことだ。そして、下取り代金は自動的に次に購入するクルマの支払いに充てられることになる。

 下取りのメリットは、今まで乗ってきたクルマの売却手続きを販売店側に任せられるという点。つまり、中古車買取店に出向いて査定を受けて、それを現金化して別のディーラーに出向いて次のクルマを購入するといった煩雑なプロセスを踏むことなしに次のクルマに乗り替えができるということだ。

 ディーラーが行う下取りの目的は「利益を出すこと」ではなく、あくまでも客が新しいクルマを購入してくれることの前仕事。面倒な手続きなどもサービスの一環としてしてくれるのもお得に感じるところだ。

 では、ここからは査定士がどんな点を見て下取り額を決定するのかをご紹介しよう。

査定をする時に重視する点は?

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見落としがちなのが車内の汚れ。査定士によっては、外観より内装の汚れを入念にチェックする場合も。フロアマットなどが汚れているのは悪印象を与えてしまう

・傷や汚れ、臭い
 ボディの傷の状態は重要なチェックポイント。板金塗装が必要になるへこみが伴っているような傷かあるかどうかは入念にチェックする。

 また、シートやフロアマットの汚れ、臭いもチェックする。特に最近は禁煙車を好む人が多くなっているため、タバコの臭いが残っているとかなりのマイナス査定になる。

・エンジン周りの状態
 長らく放置されたクルマはエンジンがかからないなどのトラブルが起きやすい。また、エンジンルームには事故歴を判断する情報がたくさん詰まっているため、査定士はエンジン周りを入念にチェックする。そのため、エンジンルームのコンディションはこまめにチェックしておくことをお薦めする。

・走行距離
 基本的には走行距離は少ないほうが高額査定になりやすい。ただし、年式との走行距離のバランスも重要なチェックポイントとなる。たとえ極端に走行距離が少なかったとしても年式が古い場合は、長期間走行していなかったクルマの可能性があるため、査定額はかなり下がってしまうこともある。長期間にわたり走行していないクルマは、部品がサビついていたり、走行不良や故障が起きやすくなるためだ。

査定を下げてしまう要因は?

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大きな修復歴は必ずバレる。告知義務違反に問われないためにも、隠すことだけはやめよう

・モデルチェンジ
 クルマは1~3年に1回程度マイナーチェンジが、4~7年に1回程度フルモデルチェンジが行われるが、モデルチェンジが行われてそれまでのモデルが旧型となると、一般的には中古車市場でも人気が落ちるものだ。そのため、プレミアがついているような特別なクルマでない限りは旧モデルは低評価になってしまう。

 頻繁にクルマを買い替えるような人は、モデルチェンジに関するニュースは常にチェックしておこう。

・大きな修復歴
 査定額を下げてしまう最大の要因が大きな修復歴。大きな修復歴があると見なされるのは、なんらかの事故や災害などによってクルマの骨格部分であるフレームが損傷し、それを修復したクルマ。

 どんなに上手く修理されていたとしても、運転しているうちに問題が生じる可能性が高いクルマと評価されてしまう。そのため、マイナス査定になることがほとんどであると覚悟しておこう。

 ちなみに、修復歴、事故歴があることを隠して査定に出すことは絶対にやめよう。嘘をついて査定すると告知義務違反となることもある。買い取りが済んだ後に修復歴、事故歴がバレた場合、売買代金の返還を求められる恐れもある。

下取り額0円ってあり得る?

 ここまで解説したとおり、クルマの下取り額が下がる要因にはさまざまなものがある。0円というのはかなりレアケースだが、ゼロとは言えない。たとえば、まともに走行ができないような状態であれば、よほどのレアモデルでなければ市場には流せないため処分となる。その場合は処理費用がかかるので、下取り額が0円どころか、処分費用が発生する可能性もある。

 しかし、上記のような走行ができないようなクルマでない限りは、なぜ0円なのかを査定士に確認して、再交渉してみることは重要。これは、ディーラー以外の中古車販売店や買い取り業者でクルマを売る場合でも同じだ。

 交渉する過程で何か伝えていない情報があったり、査定士が誤解していたことがあれば、0円の危機を免れることもあるのだ。

下取りしたくないクルマは?

・清掃されていない、汚いクルマ
 汚れた状態のままクルマを持ち込むような人は、日頃クルマを雑に扱っていることが多い。そんなことはない! と否定する人もいるだろうが、少なくとも査定士はそのように判断してしまう。つまり、第一印象を良くすることは査定時にはとても重要なのだ。

 せめて、洗車、車内の清掃や、消臭、トランクの整理などはしておこう。いくら手放すクルマとはいえ、きれいな状態にしてから査定を受けることは常識と考えよう。

・改造車
 改造の度合にもよるが、あまりにも改造されている部分が多すぎるクルマは下取りが難しくなる。純正パーツを保管してあったとしても、ディーラーがクルマを売る際に元に戻すなどの余計な手間がかかってしまうからだ。

 特にエンジン周りの改造はクルマの性能に関わる重要箇所なので買い手としてもあまりウェルカムではない。

中古車店・買い取り専門店での買い取りとディーラーでの下取りはどっちが得?

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ディーラー側としてはとにかく新車を買ってほしい。そのため、できるだけ下取り額は高めにしたい……。ということで、不人気車の場合はディーラーでの下取りのほうがお得なことが多い

 中古車店・買い取り専門店は「市場(消費者)のニーズがどのような傾向になっているのか」、「当該車種がいくらで取引きされているのか」など、市場の動向を参考にしてクルマの評価額を決定する。

 現行モデルの時に不人気だったものの、その後希少価値がついて買った額より高く売れたなどといったこともあるが、そんなことは稀なケース。査定を受けるタイミングが良ければ、買い取り額は高くなるし、機を逸すれば大幅ダウンする。ただし、売りのタイミングは素人では判断できないところが難点だ。

 一方、ディーラーでの下取りの場合は、そのディーラーで新しい別のクルマを購入することが前提での下取りなのであまり相場に左右されることはない。不人気モデルでも一定の下取り額は提示されるだろう。その点は安心。

 しかし、下取り額を多くするぶん次のクルマの値引きはあまりできないなど、トータルで考えるとあまりお得ではなかったといったことが生じる恐れもあるので、できれば下取り額の交渉と値引き交渉は区別して行うことをお薦めする。

 下取り、買い取り、どちらを選択するとしても、現在の愛車の相場価格がわかっていないと、安く売ってしまい損をしてしまう恐れもある。そのため、クルマを買い替える時は、事前に愛車の相場価格を確認しておくことをお薦めする。

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