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言葉で理解しようとすると、こぼれ落ちてしまうものがある。宇佐見りんさんの新作『くるまの娘』(河出書房新社)は、人と人との関係における、そんな「複雑さ」を真っすぐに見つめた小説だ。 前作『推し、燃ゆ』では、生きづらさを抱える少女がアイドルを「推す」ことで自らを救う姿を描いた。芥川賞…