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 今、レクサスSUVが熱い。2021年に発表された次世代レクサスを切り開く存在のNX、そして今年1月にはフラッグシップモデルのLXがモデルチェンジしている。さらに先日、BEVのSUV、RZが4月20日に発表されたばかりだ。

 そして2022年5月18日、レクサスインターナショナルは、2022年6月1日午前9時より、オンラインにて新型RXを発表すると明らかにした。

 まだ、6月1日に発表するとアナウンスがあっただけで、中身については触れられていないが、4月20日に行われたRZのオンライン発表会終盤、レクサスインターナショナル佐藤恒治CBOは「今年の夏に新型モデルを発表する予定です。そのクルマにはDIRECT4を搭載した新しいHEVだけでなく、新型NXのようなPHEVも搭載する予定です」と明らかにしている。

 さて、新型RXはどのようなモデルなのか、最新情報を追ってみた!

文/佐々木 亘、写真/トヨタ

【画像ギャラリー】2022年4月に公開ホヤホヤ!! レクサスのEV専用モデルとして先陣を切るレクサス RZ(25枚)画像ギャラリー


■レクサスにおけるRXの存在とは?

レクサス RX(現行型)

 1998年に、国内でハリアーとして販売していたモデルを北米市場に投入したところから、RXの歴史はスタートする。プレミアムクロスオーバーSUVという新しいジャンルに切り込んだRXは、セダンの乗り心地をそのままに、多目的車としての使い勝手を備えた。

 日本国内に導入されたのは、2009年だ。以降、2014年にNXが登場するまで、唯一のレクサスSUVとして、様々なライバルと戦い続けてきた。

 グローバルでは3代目、国内レクサスとしては初代のRX(AL10型)は、ボディサイズこそ全長4770mm×全幅1885mm×全高1690mmとミドル~ラージカテゴリーになるが、エンジンラインナップはV型6気筒3.5Lのガソリンとハイブリッド、そして直列4気筒2.7Lのガソリンを用意し、スモール~ミドルカテゴリーの競合車とも戦えるようになっている。

 欧州プレミアムSUVが、様々なボディラインナップで攻め立てるのに対し、RXは1種類のボディだけで、猛攻をしのぎ切っていた形だ。

 現在でこそ、エントリーモデルのUXから、NX、RX、LXと段階的に大きくなっていくSUVフルラインナップを用意できているが、2005年の国内開業から10年近くの間、RXはたった1台でレクサスSUVを守り続けてきた。

 RXは、レクサスラインナップの中でも、その貢献度が高い一台だ。ラージサイズの都市型SUVという、役割が限定されつつある今でも、レクサスが最も大事にするクルマの一つなのである。

■新型は役割を大きく変えた1台になる?

4月20日に行われた新型RZのオンライン発表会の後半で佐藤恒治CBOは「今年の夏にも新型モデルを発表する予定です。そのクルマにはDIRECT4を搭載した新しいHEVだけでなく、新型NXのようなPHEVも搭載する予定です」と明らかにした
レクサスRZのボディサイズは全長4804×全幅1895×全高1635mm、ホイールベースは2850mm(写真はRZプロトタイプ)
レクサス RZに搭載された新世代のAWDシステム「DIRECT4」

 6月1日に発表される新型RX。現在アナウンスされている情報は2つある。

 ひとつは、RZに搭載された新世代のAWDシステム「DIRECT4」を搭載したHEVがあること。もうひとつは、NXと同様にプラグインハイブリッドモデルが追加されることだ。

 次世代レクサスを先駆するNX、そしてレクサスの100%電動化へ向けて、大きなスタートを切ったRZの開発で培った技術を、新型RXには余すところなく搭載していくであろう。

 現行型RXは、全長4890mm×全幅1895mm×全高1710mmで、3.5LハイブリッドのRX450h、2LターボのRX300を展開している。さらに、3列シートでボディ全長を110mm延長したRX450hLも用意された。

2021年に発表されたレクサス NX
レクサス NXのHEVシステム(上)とPHEVシステム(下)

 2021年に発表されたNXは、ボディサイズを全長4660mm×全幅1865mm×全高1660mmまで拡大している。

 さらに4月20日に発表されたRZは、全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mmと、現行型RXよりは、若干小さなサイズとなるものの、両者はほぼ現行RXを代替するモデルと言ってもいいだろう。

 新型RXでは、セダンの乗り心地と多目的な使い勝手という、初代から続くコンセプトはそのままに、ボディサイズを全長4900mm台まで延長、全幅も1900mm台と現行型よりサイズアップすることはほぼ確実だ。LXに近い迫力を持ちながらも、より上質なサルーン方向へ振った味付けを施すことが考えられる。

 パワートレインは、2.5LターボのRX350、2.5LのHEVであるRX350h、2.5LのPHEVの450h+、そして先日明言されたDIRECT4を搭載するRX500hの4種類となるだろう。

 特に、車速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、前後輪の駆動力を100:0から0:100の間で制御するDIRECT 4では、これまでのレクサスHEVに搭載されてきたE-fourよりも、大きな駆動力がリアモーターに対して必要される。

 BEVよりもバッテリー容量の少ないHEVで、BEVと同程度のモーター駆動力をどう確保するのだろうか。そして、大きな駆動力を持つ前後モーターとエンジンが組み合わされた時に、どのような動力性能を実現するのかなど、500hは非常に楽しみな存在だ。

 HEV、PHEV、そして純ガソリンモデルを揃えるRXとしては、おそらく集大成となる新型の存在。幅広い車種と戦えるユーティリティSUVから、ラージサイズカテゴリーに特化した現行型のRXへと続いた進化の歴史は、プレミアムラージSUVの完成形を発表する形で紡がれていく。

■6月1日発表! 発売はいつになるのか?

ベストカーが製作した新型レクサスRXの予想CGイラスト
ベストカーが製作した新型レクサスRXの予想CGイラスト

 6月1日午前9時にオンライン発表される新型RX。具体的な発売時期はまだわからないが、NXの時と同様に発表の後、数か月経ってから発売となりそうだ。

 筆者の取材から判明している新型RXの発売時期は、2022年9月~10月の間だ。トヨタブランドでは、GRカローラが登場する頃、レクサスRXが発売される。

 先に発表されたBEVのRZは、2022年後半のデリバリー開始(おそらくこちらは2022年12月)となり、新型RXの方が先に発売されることとなるだろう。

 約7年ぶりのフルモデルチェンジで、注目度も高く、予約時点から多くの注文が集まりそうだ。現在のNXと同様に、発売後すぐに納車まで1年以上の期間が必要となるのは容易に想像ができる。

 価格は、現行型が524万円~796万円で展開されているが、弟分NXの価格帯(455万円~738万円)を考えると、据え置きとは考えにくい。

 筆者予想では、ガソリンモデルのベースグレードが600万円を少し切る500万円代後半くらいから始まり、期待のRX500hは850万円程度に落ち着くのではないかと考える。

 それでも約1000万円スタートと予想されているBEVのRZよりは、はるかに安い。これまでもRXは、同一カテゴリーのライバル車に対して、破格のプライスを付けてきた。ライバルとなるメルセデスGLEは1000万円超、BMWのX5も961万円スタートということを考えると、RXは安すぎる。

 NX、LXと同様に次世代レクサスを体現し、最新のBEVモデルRZの雰囲気も楽しむことができるRXは、レクサスSUVの中で、最もバリュー(価値)の高いモデルになるだろう。一番買い得なモデルといってもいいと思う。

 BEVを楽しむ前に、最後のガソリンモデル、そして進化したHEVを体感しておくのも良いと思う。2022年イチオシのレクサスモデルは、間違いなくRXだ。

 レクサスSUV、そして日本のプレミアムSUVを支えてきた大黒柱が、間もなく生まれ変わる。100%電動化を掲げるレクサスにおいて、ガソリンモデルのRXを楽しめる時も、刻一刻と短くなってきた。

 脈々と受け継がれてきたRXの先駆者としてのDNAは、次世代で完成形へと移行し、レクサスが出すプレミアムSUVへの答えが、導き出されるのだろう。間もなく行われる発表、そして今秋の発売を心待ちにしたい。

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