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レトロで美しいスクーターは、道路を完全電動で走る。街を走るスクーターを電動化することは、常識的な判断以上の意味がある。ベスパからヤマハまで、6台のe-scooterは、排ガスを出さないモビリティと、豊かなライフスタイルを兼ね備えている。以下にご紹介!

バッテリー駆動のクルマは、非常にスペーシーな印象を受けることが多い。しかし、クラシックなフォルムの愛好家も、決して絶望する必要はない。ピアジオやヤマハなどのメーカーは、現代のEV技術を美しいレトロな衣服に包んだスクーターをラインナップしている。

我々が選んだのは、排ガスを出さない「モビリティ」と「ドルチェ ヴィータ(甘い生活)」を両立させた、レトロな電動スクーター6台だ。「エムコ ノバ」に始まり、ヤマハのニューモデル「ネオ」に終わる。ここでは、最も重要なデータの概要を説明する。

エムコ ノバは、バッテリーの着脱が可能なことが印象的だ。そのため、街中での充電が驚くほど楽になっている。ベスパのようなデザインのエムコ。バッテリーの着脱は、こういうスクーターでは必須かも。

エムコ ノバ
エムコ(Emco)はスクーター分野では定評のある会社で、これは、「ノバ(Nova)」のようなクラシカルなデザインのスクーターにも言える。10インチのホイールは、走行安定性という点では、必ずしも理想的とは言えないかもしれない。でも、バッテリーが取り外し可能なので、街中での充電は超便利だ。
価格は、2.3馬力、28Ahのバッテリーを搭載したバージョンで、3,599ユーロ(約47万円)からとなっている。4.1馬力のモーターとオプションのセカンドバッテリーを装着した場合、「ノバ」は、4,999ユーロ(約65万円)となる。最高速度は45km/hで、航続距離はバージョンによって、50~130kmとなると、メーカーは発表している。充電時間は2~4時間だ。

クンパンはボン近郊のレマーゲンのメーカーだ。現在、ケンパンのスクーター用部品の8割はドイツで生産されている。なかなかドイツ的でクリーンなデザインと仕上がり。価格が明記されていないのが気になる。

クンパン54インスパイア
クンパン(Kumpan)ブランドのスクーターは、50年代から60年代初頭のシックな雰囲気で勝負している。機械はボンの南で作られている。バッテリーの構造も含めて、部品の80%がドイツ製だと言われている。

「クンパン54インスパイア」は4.1馬力で、バッテリー1基で62kmの航続距離を達成するという。バッテリー2基、3基モデルは別売りだ。航続距離は、バッテリー1基で188kgとされている。2022年モデルでは、ソフトウェアのアップデートに加え、新しいLEDヘッドライトや人間工学の見直しなどの最適化も行われている。

ゴベックスはE-Swallowで伝説を蘇らせることに成功した。残念ながらかなり安くはない。ちょっとずんぐりむっくりで鈍重なスタイル。70万円以上はかなり高く感じられる細部の仕上がりである(ネジがむき出しだったりする)。

ゴベックスE-スワロー(E-Swallow)
「シュワルベ」は、電動スクーターのリーグ戦では、価格的に上位に位置する乗り物だ。ミュンヘンのゴベックス(Govecs)社は、カルト的なスクーターの復活に成功した。バージョン45の「E-スワロー」は、出力4kWで、50cc内燃エンジンに代わるものとして位置づけられている。

ボッシュのドライブトレインが、電動シュワルベを力強く前進させる。ABSはオプションで選択可能だ。「E-スワロー」には、バッテリーとスパイラルケーブル付き充電器が常設されている。135kgの積載が可能で、必要な収納スペースを確保するために、トップケースをオプションで注文することができる。価格は5,590ユーロ(約73万円)からとなっている。

トリニティ ロメックスは、見た目もスマートで、センスの良さを感じさせる。しかし、エネルギーが少ないとすぐに減速してしまう。レトロ、でもかわいい。乗っている二人は、もっと気になる。

トリニティ ロメックス
シックなレトロクルーザー「トリニティ ロメックス(Trinity Romex)」は、3,299ユーロ(約43万円)から購入できる。この価格で、美しいシェルと最新のテクノロジーのバランスを試みたこの小さな一品は、前評判に違わず、まさにアイキャッチャーとなるスクーターだ。特にクロームメッキのアドオンパーツは、見る者をスクーター製作の黄金時代に引き戻す。

このスクーターも、バッテリーを取り外して充電することができる。これは、電源の取れる自分のガレージがない人にとって重要なことだ。必要であれば、2個目のバッテリーで航続距離を伸ばすことも可能だ。速いというのはロメックスのスタイルではない。知っておいてほしいのは、約30%の充電から、最高速度が低下するということだ。そうなると、都会では交通障害のように遅く感じられることも多々ある。

ベスパ エレトリカ
ピアジオのベスパほど、リラックスしたクルージングや「ドルチェヴィータ(甘い生活)」の代名詞ともいえるスクーターはないだろう。イタリア人は、内燃機関がまったくない可能性のある未来に、すでに備えているのだ。電気出力は5.4馬力で、航続距離は70~100kmだ。ベスパそのまんまのイメージで安心。これならローマの休日のリメーク(そんなの要らないけど)を、今後撮影することになっても大丈夫だ。

しかし、「E-Vespa」は、まだ内燃機関仕様の成功に匹敵するほどではない。その理由として考えられるのは、機体に近代的な技術が備わっていないことだろう。例えばABSはなく、70km/h仕様でもコンビブレーキしかない。バッテリーと充電器は常設されている。そのため、スクーター自体をソケットに接続することを余儀なくされる。その上、価格は6,390ユーロ(約84万円)から。そんな高価な価格のスクーターでは到底お買い得とは言えない!?

ヤマハはネオを夏前に発売する。アプリを使ってスマートフォンとペアリングすることができる。一番常識的で「普通」なのがヤマハ ネオ。価格も、まぁまぁかな。

ヤマハ ネオ
電動スクーター「ヤマハ ネオ」は、2022年6月に発売予定だ。価格は3,324ユーロ(約43万円)で、2色のカラーバリエーションが用意されている。ヤマハは50ccでも電動でも実績がある。かわいい「ネオ」は今、その両方を兼ね備えたいと考えている。

後輪には無段階・ブラシレスホイールハブモーターを搭載し、推進力を得ている。出力は、40km/hで2.06kWhの「スタンダード」モードが最も高く、ヤマハでは、通常走行にこのモードを推奨している。オプションで、エコモードもある。無料のヤマハ「MyRide」アプリを使えば、スクーターとスマートフォンを連携させることができるようになっている。多数のホルダーやシート下のヘルメットコンパートメントなど、日常的な使用における実用性も高いものがある。

Text: Lars Hänsch-Petersen
Photo: autobild.de