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『左川ちか全集』の刊行は文学史上の一事件だ。1911(明治44)年生まれ、36年に24歳で亡くなった。10代で翻訳家としてデビューして、幾多の先鋭的な詩を遺(のこ)し、時に“幻の詩人”とも称される。一部で熱狂的な支持を得るが、広範に知られた存在ではない。だが、4月に上梓(じょうし)されたこの…