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文/アイ・オート小畑謙一代表

日産ノートe-POWER。ワンペダルで加減速できるのが人気だ。

その先代ノートe-POWERがブレーキランプを点灯させず完全停止させる事が出来るため非常に危険だという話です。ノートe-POWERは回生ブレーキを利用して上手くアクセル操作すれば、ブレーキペダルを踏まずして完全停止も可能です(Sモード、エコモードに設定の場合)。

メーカーの説明では、「アクセルを離す事によりコンピューターが判断し、ブレーキランプを点灯させる」となっています。完全停止中は消灯するので、「ブレーキペダルを踏み制動灯を点灯させて下さい」と注意書きがあります。

本当にそうなのか?と思い、昼間は確認が出来ないため、夕方以降あたりが暗くなれば、ハイマウントストップランプの赤色が室内でも見えるのでは?と思い7時以降に走りました。

確かにアクセルペダルを離すとリヤガラスが赤くなり点灯が分かりました。一気に離すと、かなりきついエンジンブレーキと同等の作動となります。そのままアクセルを離したままだと、その場で停まるほどブレーキが効き、慣れるまでは難しいです。そして完全停止でブレーキランプは消えました。また途中に再度アクセルを踏んでもランプは消えます。

色々と試しました。ワンペダルのロッキーやライズもブレーキを踏まなくても、カーブも曲がれるし、右左折も出来る!と聞いていましたので同じように走りました。減速時に緩くアクセルペダルを離すとまったくブレーキランプが点灯しないまま完全停止してしまうと分かりました。これでいいのか?と疑問に思い、この結果を日産ディーラーの馴染みのフロントマンに話しました。

すると減速Gを感じれば点灯させて、それ以下のGならば点灯しないようですと言われました。それを知っているドライバーなら常に制動灯を点灯させずに走らせる事が出来るわけです。

ネットの書き込みもたくさんあります。「ノートe-POWERの後ろは怖い」「追突しそうになった」などと書いてありました。

 

本誌記者が日産自動車に確認したところ、保安基準に合致していることが分かった。そのことを小畑さんに伝えると、「日産からの返答は理解できます。取説などもそのような説明になっています。しかし、車載コンピューターに減速を感じさせないほど、ゆっくりアクセルを緩め、緩やかな減速をすれば無灯火のままピタッと停止することが出来る!というのが問題だと思っています」との受け止めが返ってきた。

本件、国交省自動車局に聞いた。「減速時の規定はあるものの、停止時については明確な規定がない」ことを確認した。保安基準の細則を変更するには、国際基準調和が必要とのことでした。非関税障壁となりうるためだ。

 

再び小畑さんと情報共有した。

ディーラー営業マンは、減速Gを感じさせないほど緩やかな減速及び停止するときは、ブレーキ不点灯のまま完全停止できることは知っていたようです。但し、「1台もクレーム的な話はない」と言ってましたが、私は「運転手は分からないですからクレームは出ないでしょう!」と返すと、「そうですね」と言ってました。

現在のノートe-POWERは、アクセル操作だけでは完全停止できなくなり、ブレーキペダルを踏まないといけない仕組みになっています。メーカーも私が指摘した内容を「把握していたから変更してきたのではないか」と、ディーラーの営業マンは言ってました。DSC_0224