AMD Ryzen 7000とIntel Raptor LakeのCPUは、今年後半に全く新しいプラットフォームで対決することになります。
IntelとAMDの両社は、それぞれのプラットフォームについて2022年後半の発売を確認し、また期待するものについての詳細を提供していますが、Enthusiast Citizenから両プラットフォームに関する新しい情報が入ってきています。
X670とZ790の2つのプラットフォームが2022年第3四半期にバトルを繰り広げる
AMD Ryzen 7000ファミリーは、最新のZen 4コア・アーキテクチャを搭載し、X670プラットフォームでサポートされる予定です。
一方、IntelのRaptor Lakeファミリーは、新しいRaptor Coveコアを搭載し、発売時にZ790プラットフォームでサポートされる予定です。
各ファミリーごとに興味深い情報がリークされているので、その続きは以下の記事でご覧ください。
AMD Ryzen 7000 & X670 CPUプラットフォーム – Computexで発表の見込み、発売は2022年第3四半期中頃
噂によると、AMDはZen 4を搭載した5nm Ryzen 7000 CPUファミリーを、早ければ5月末のComputex 2022で発表する可能性があるとのことです。
このプロセッサには600シリーズのAM5プラットフォームが付属するが、実際の発売は第3四半期半ばまで予定されているため、Ryzen 5000と同様の発売サイクルになり、発表はかなり早いが小売りは2~3カ月後になる。
このことから、8月中の発売が予想され、この四半期に量産が開始されるとの噂と一致します。
AMD Ryzen「Zen 4」デスクトップCPU 期待される機能:
- 全く新しいZen 4 CPUコア(IPC/アーキテクチャの改善)
- TSMC 5nm プロセスノードと 6nm IOD を採用。
- LGA1718ソケットのAM5プラットフォーム対応
- デュアルチャネルDDR5メモリ対応
- 28本のPCIeレーン(CPU専用)
- TDP105-120W(上限値170W)
初期のAMD Ryzen 7000 CPUは、3D V-Cacheを搭載せず、DDR5メモリをサポートするAM5プラットフォームで対応する予定です。
マザーボードはX670が最初に導入されますが、B650のラインナップは2022年第3四半期後半から第4四半期中頃に登場する予定です。
なお、昨日、B650マザーボードがリークされましたが、これはボードメーカーがすでに次世代メインストリームの設計を評価していることを意味します。
AMDメインストリームデスクトップCPUの世代間比較:
AMD CPU ファミリ |
コードネーム | 製造プロセス | コア数/ スレッド数(最大) |
TDP | プラット フォーム |
チップセット | サポート メモリ |
PCIe サボート |
発売年 |
Ryzen 1000 | Summit Ridge | 14nm (Zen 1) | 8/16 | 95W | AM4 | 300-Series | DDR4-2677 | Gen 3.0 | 2017 |
Ryzen 2000 | Pinnacle Ridge | 12nm (Zen +) | 8/16 | 105W | AM4 | 400-Series | DDR4-2933 | Gen 3.0 | 2018 |
Ryzen 3000 | Matisse | 7nm (Zen 2) | 16/32 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2019 |
Ryzen 5000 | Vermeer | 7nm (Zen 3) | 16/32 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2020 |
Ryzen 5000 3D | Warhol? | 7nm (Zen 3D) | 8/16 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2022 |
Ryzen 7000 | Raphael | 5nm (Zen 4) | 16/32? | 105-170W | AM5 | 600-Series | DDR5-4800 | Gen 5.0 | 2022 |
Ryzen 8000 | Granite Ridge | 3nm (Zen 5)? | 不明 | 不明 | AM5 | 700-Series? | DDR5-5000? | Gen 5.0 | 2023 |
Intel Raptor Lake & Z790 CPUプラットフォーム – 2022年第3四半期後半に発売、AMDの最新Zen 4ファミリーに挑む
インテルの対応は、第13世代Raptor LakeコアCPUの形で行われるでしょう。
このラインナップは、L2キャッシュとL3キャッシュの両方のサイズが増加したことにより、ゲーム性能が大幅に向上しているという。
インテル 第13世代Raptor LakeデスクトップCPU 期待される機能:
- 最大24コア&32スレッド
- 新CPUコア「Raptor Cove」(PコアのIPC向上)
- 10nm ESF「インテル7」プロセスノードをベースとする
- 既存のLGA1700マザーボードに対応
- デュアルチャネルDDR5-5600メモリ対応
- 20本のPCIe Gen 5レーン
- 強化されたオーバークロック機能
- 125W PL1 TDP (フラッグシップSKU)
また、2倍のE-Coreを搭載するため、マルチコア性能は2桁台後半に達すると言われています。
マルチスレッド性能はAMDのZen 4と同等になるが、シングルリングバスインターコネクトが限界に達するため、特定のワークロードで不足する可能性がある。
この問題は、IntelのAlder Lakeの実装と同様で、E-Coreを有効にすると、リング周波数がAtomコアの最大クロックを超えることができなくなると言われている。
ただ、これがRaptor Lakeにどの程度の影響を与えるかは、まだわからない。
プラットフォームについては、IntelはDDR5とDDR4の両方のメモリをサポートし、Raptor LakeのCPUは600シリーズと700シリーズの両方のマザーボードで互換性を持つことになる。
このプラットフォームは、2022年の第3四半期後半から第4四半期前半までに発売されるようにピットされている。
発売は、まずアンロックされたKシリーズのラインナップとフラッグシップのZ790マザーボードが登場し、その後2023年の第1四半期に、よりメインストリームな非Kシリーズと700シリーズのボードが登場する予定だ。
インテル・メインストリーム・デスクトップCPUの世代間比較:
Intel CPU ファミリ |
製造 プロセス |
最大 コア数 |
TDP | チップセット | プラット フォーム |
メモリ サポート |
PCIe サポート |
発売 |
Sandy Bridge (2nd Gen) |
32nm | 4/8 | 35-95W | 6-Series | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 2.0 | 2011 |
Ivy Bridge (3rd Gen) |
22nm | 4/8 | 35-77W | 7-Series | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2012 |
Haswell (4th Gen) |
22nm | 4/8 | 35-84W | 8-Series | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2013-2014 |
Broadwell (5th Gen) |
14nm | 4/8 | 65-65W | 9-Series | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Skylake (6th Gen) |
14nm | 4/8 | 35-91W | 100-Series | LGA 1151 | DDR4/DDR3L | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Kaby Lake (7th Gen) |
14nm | 4/8 | 35-91W | 200-Series | LGA 1151 | DDR4/DDR3L | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (8th Gen) |
14nm | 6/12 | 35-95W | 300-Series | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (9th Gen) |
14nm | 8/16 | 35-95W | 300-Series | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2018 |
Comet Lake (10th Gen) |
14nm | 10/20 | 35-125W | 400-Series | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2020 |
Rocket Lake (11th Gen) |
14nm | 8/16 | 35-125W | 500-Series | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 4.0 | 2021 |
Alder Lake (12th Gen) |
Intel 7 | 16/24 | 35-125W | 600-Series | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2021Q4 |
Raptor Lake (13th Gen) |
Intel 7 | 24/32 | 35-125W | 700-Series | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2022 |
Meteor Lake (14th Gen) |
Intel 4 | 未確認 | 35-125W | 800-Series? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2023 |
Arrow Lake (15 th Gen) |
Intel 20A | 40/48 | 未確認 | 900-Series? | 未確認 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2024 |
Lunar Lake (16 th Gen) |
Intel 18A | 未確認 | 未確認 | 1000-Series? | 未確認 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2025 |
Nova Lake (17 th Gen) |
Intel 18A | 未確認 | 未確認 | 2000-Series? | 未確認 | DDR5? | PCIe Gen 6.0? | 2026 |
解説:
X670とZ790の2つのプラットフォームが今年Q3に激突
先に姿を現すのはX670でこちらはQ3の中頃となっていますので8月頃でしょう。
Z790はQ3の終わりとなっていますので9月頃になるでしょう。
丁度Lovelaceと同じ時期になります。
AM5はまず最初にX670が姿を現すことになると思います。
今までの例から行くと、CPUは16コア、12コア、8コアモデルが発売されると思います。
6コアが出るのかどうかはわかりませんが、8コアの選別落ちが使われるかもしれませんので発売される可能性もあるのかなと思います。
グレードとしてはAM5はDDR5の価格がまだ高いためシステム価格が高止まりし、6コアと言うのはAM5の購買層に合わないので微妙なところです。
先日リークがあったようにAM5のB650は既に準備されているようですが、X670と同時に出るわけではなく、やや遅れる感じで出るようですね。
Q3後半からQ4中頃と言われています。
ぜひとも遅れないで出していただきたいです。
AM5はAMDにとって初物揃いですので、ファンの方は多少の不具合は覚悟しておいた方が良いでしょう。
今のところの情報でもAM5のロンチにMini-ITXマザーは間に合いませんが、遅れると年内には出ないということになります。
Z790はどうなるのか?
Raptorの方はシングルリングバスが限界に達しているようですが、ベンチマークなどではかなり高性能が出ていますので、24コアまではほぼ悪影響なくいけるのではないかと思います。
次のMeteorLakeはかなり大きくアーキテクチャーが刷新されると言われていますが、原因の一つは確実にリングバス問題でしょうね。
基本的にRaptorはAlderの焼き直しですから、問題が発生する可能性は極めて低いです。
ただし、DDR5が中心になるようですから、Raptorもシステム価格は高止まりするのではないかと思います。
当面は600シリーズのローエンドDDR4マザーが併売されるか700シリーズのローエンドチップセットがDDR4に対応して、ローエンドではDDR4が使える体制が維持されると思います。
「常識的に考えれば・・・」ですが。
恐らく、MeteorLakeからかなり何もかもがガラリと変わるので、6コア以上のPCを使っているIntelファンはMeteorまで待った方がいいかもしれません。
4コアのi7を使っている人はRaptorとか言わずに今すぐに買い替えましょう。待っている場合じゃない。
KabyおじさんとかSkylakeおじさんとか言われてしまいますよ。(苦笑
ローエンドでも性能がGTX1080/Tiクラスになるかもしれないので、さすが4コアでLovelaceを使うのはかなり厳しいと思います。
RTX4000シリーズの性能を引き出すには8コアが最低ラインになると私は予想しています。
今はCPUもGPUも物凄い勢いで性能が上がっていますので、5年前のPCは既に骨董品です。
プレミアは付きませんが、早めに買い替えましょう。
AMDとIntel、どちらが勝利するか?
前から書いていますが、私の戦前予想は7:3でIntelに傾いています。
理由はIntel7が思ったより良かったこと、RaptorでIntel7にさらに改良がくわえられることです。
また、Alder比+8-+15%性能向上すると言われていますが、信じられないことにこれで小改良ですから、Alderから続いてこなれている分、トラブルに見舞われる可能性も非常に低いと思います。
ただし、IHSの変形問題が許せればですが。
製造プロセスのポテンシャルはTSMC5nmの方が優れていると思いますので、どれだけZen4のクロックが上げられるかがカギだと思います。
設計に関しては基本的にIntelの方が優れていると思います。
理由はハイブリッドテクノロジーで新しいステージに入っているからです。
AMDのハイブリッドはZen5からで、intelとは全く方向性が違います。
元々Zen4はAM4で出す予定だったというのがAMDの流出した内部資料から明らかになっています。
遅れてしまっているのはコロナの影響もあり仕方なかったと思います。
これは、物凄い勢いで製品を更新するIntelの底力が凄すぎるという感じだと思います。
正直、CPUのメーカーの選択に人生をかけているようなマニアは少ないと思います。
私の周りには頼まれてもいないのに特定メーカーのブランドを応援し、1日5回聖地サンタクララにの方向に向けて五体投地して神に祈るような人が多いので感覚がマヒしていますが、拘りの無い人は今のところIntel優勢と言うのは変わりません。
選択の時の参考にしてください。
Ryzen 5000シリーズ
Ryzen 5000GシリーズAPU(GPU内蔵・並行輸入品)
Ryzen PRO 4000Gシリーズ(GPU付きZen2コアAPU・並行輸入品)
旧シリーズの安価なモデル
Ryzen 5
Ryzen3
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