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美しく加工した石の階段が、谷間に沿って山の中腹へつづいている。八年前に金鐘寺(後の東大寺)の良弁(ろうべん)上人が開いた観音寺の参道である。道の両側には近江国から移植した山桜の並木が満開で、花の隧道(ずいどう)の観をていしていた。下道(しもつみちの)(吉備)真備は従者の中臣音麻呂…