先日行われたI/O 2022の基調講演で、Googleは待望されていたPixelスマートフォンの廉価モデル「Pixel 6a」を発表しました。これは、2021年10月に発売されたフラッグシップである、Pixel 6とPixel 6 Proの兄弟機となります。
Pixel 6シリーズの主な革新は、非常にエレガントな新デザインとGoogleの独自SoC「Tensor」です。この新チップセットの採用は、Googleという巨大企業が、QualcommのSnapdragonへの依存をやめることを可能にする大胆な動きでした。
Pixel 6aは、前モデルであるPixel 5aと同価格帯のわずか53,900円で発売されましたが、より高価なPixel 6/Pixel 6 Proに搭載されていたのと同じTensorチップセットが採用されています(メモリは6GBと少なめになっています)。
ただ、最近出回っている噂では、Pixel 6 Foldが2022年後半に登場するのではないかと言われているので、Pixel 6シリーズの新モデルは6aだけではないかもしれません。
Google Pixel 6aの発売日・価格
7月21日に予約が開始され、7月28日から53,900円で購入可能になります。カラー展開は、Charcoal、Chalk、Sageという3種類になっています。Pixel 6aは、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、プエルトリコ、シンガポール、スペイン、台湾、イギリス、アメリカで販売されます。
プロダクトデザイン
Pixel 6aは、他のPixel 6シリーズと同じチップセットとデザインを踏襲しており、前モデルの5aと比較して明らかにデザイン性が上がっています。背面には、Pixel 6、Pixel 6 Proと同じ黒いカメラバーを備えており、数多くあるスマートフォンの中でも一際目立つアイコニックなデザインになっています。
本体は、合金製フレームと3D複合素材カバーガラスで作られており、背面カバーはプラスチック製となっています。
ディスプレイ
6.1インチ FHD+(2400×1080) の60Hz 有機ELディスプレイは、画面内に指紋センサーを備えています。Pixel 5aの背面に取り付けられていた指紋センサーから、大きな進歩となりました。Pixel 6(6.4インチ FHD+)と比較すると、Pixel 6aのディスプレイは小さくなったので解像度は431PPIに上がりました。コンパクトな本体を選択することで、ハイエンドなTensorチップセットを搭載しつつ、このようなお手頃な価格で提供することが可能になったと思われます。
カメラハードウェア
デュアルリアカメラは、OISを備えた12.2MP、f/1.7広角カメラと114度の視野(FoV)を備えた12MP、f/2.2超広角カメラで構成されています。
前面には、f/2.0の絞りと84度の視野(FoV)の8MPセルフィーカメラを備えています。
カメラ機能
Real Tone
「Real Tone」は、昨年GoogleフォトとPixel 6シリーズに導入された写真機能です。これによって、カメラが肌の色、特に暗いトーンの色を適切に取り込むことが可能になりました。暗めの肌の色を取り込むためには、明るい肌を取り込むための自動設定とは大きく異なるものが必要になります。
Googleは現在、Googleフォト用の新しいフィルターセットと共にReal Tone機能を拡大しています。
Google I/O 2022で、Annie Jean-Baptiste氏は次のように説明しています。「GoogleはMonk Skin Tone Scaleを使用して、Googel全体でより包括的な製品を構築し始めています。Ellis Monk博士によって開発されたこのスケールは、製品開発とテストに大きな進歩となり、私達の未来を支えるテクノロジーが全ての人に上手く機能することを確かにします。我々の調査では、現在の色調や業界標準に比べて、米国内でMonk Skin Tone Scaleが肌の色調をより正確に反映していると考える人が増えています。これは、特に肌の薄暗い人に当てはまります。
我々はグローバルに、様々な製品設定でこのスケールをテストしており、世界中の人々を反映出来るようにその改善を続けて行きます。Googleでは、GoogleフォトとGoogle検索に表示される画像内のスキントーンを理解し表現する方法を改善するために、Monk Scaleの活用を開始しました。」
Googleは今月後半に、様々なスキントーンで上手く機能するよう設計され、Monk Scaleによって評価された新しいReal Toneフィルターの提供を開始します。Real Toneフィルターを使うことで、ユーザーは数回タップするだけで、プロが編集したような美しさに写真を加工することが出来ます。
Monk Scaleと合わせて開発された新しいReal Toneは、Googleフォトで利用可能になり、おそらくGoogleはPixel 6シリーズのカメラアプリもアップデートすると思われます。
Googleは、Monk Skin Tone Scaleを使ったリサーチ内容を全ての開発者に向けて公開しています。
夜景モード
夜景モードは、暗い場所でのカメラパフォーマンスを向上させます。
消しゴムマジック
消しゴムマジックを使えば、数回タップするだけで、背景にある不要な物体や見知らぬ人を削除することが出来ます。また、風景と色味が合致するように、もしくはトーンダウンするために、任意の物体の色を変更することも可能です。
ハードウェア、セキュリティオンチップ、パフォーマンス
Tensorを搭載したPixel 6aはm6GBのRAMと128GBのストレージを内蔵しています。
Pixel 6aも含めて、Pixel 6シリーズ全体のハードウェアプラットフォームは、プロセッサ「Tensor」と、Google Tensor Security Coreと直接通信するセキュリティチップ「Titan M2」で構成されています。
SoCに内蔵されているTensor Security Coreは、専用のCPU、ROM、OTPメモリ、暗号化エンジン、内部SRAM、そして保護されたDRAMが組み合わされたものです。Pixel 6/ 6 Pro/ 6aにおいて、セキュリティコアの主なタスクには、実行時のユーザーデータキーの保護、セキュアブートの強化、Titan M2との通信が含まれています。セキュリティにこだわりのある方は、こちらからTitan M2についてより詳しい情報をご覧下さい。
I/O 2022では、Googleのソフトウェアおよびハードウェア製品全体でユーザーのプライバシーとセキュリティを強化するために、最近Googleで開発された新しい機能を紹介するプレゼンテーションが披露されました。
パフォーマンスの面について、Tensorでは機械学習AIが同社の従来のスマートフォンに比べて5倍も高速に実行され、Titan M2によってPixel 6シリーズは「外部からの攻撃に対する耐性が強化されている」とGoogleは説明しています。
バッテリー
Pixel 6aは、4410mAhという大容量バッテリーを備えており、より大きなスマートフォンで見られる5000mAhに近い数値となっています。Googleは、”中央値のPixelユーザー”なら”24時間”バッテリーが持つと謳っているので、ほとんどの人は心配すること無く1日中使用出来るということになります。Googleの仕様によると、バッテリー寿命を3倍にすることが出来る「スーパーバッテリーセーバー」という節電モードもあります。
バッテリーの充電に関しては、18W充電に対応しており、現在の市場の中でも十分な速度だと言えます。
Pixel 6aのライバル
お手頃な価格で優れた機能を数多く備えているPixel 6aの競合には、以下の機種が挙げられます。
Samsung A53(450ドル/2022年3月発売)
Moto Edge gen2(699ドル/2021年9月発売)
OnePlus Nord 2 5G(約320ドル/2021年7月発売)
6.1インチの60Hz 有機ELディスプレイを備えたPixel 6aはこの中で最も小さく、6.8インチの144Hz IPS液晶ディスプレイを備えるMoto Edge 2021が最も大型となっています。他の2モデルはそれぞれ6.43インチのディスプレイで、Samsung A53が120Hz Super AMOLED、OnePlus Nord 2 5Gが90Hz AMOLEDとなっています。4機種全ての解像度は2400×1080となっているので、最も小型なPixel 6aが431PPIと最も高いピクセル密度となっています。
カメラについては、Pixel 6aがライバル機よりも小さなセンサーを搭載しており、Moto Edge 2021が最も大きく、One Plus Nord 2がそれに続いています。モバイルデバイスの写真において、画質を評価するのに確認する必要があるポイントはセンサーの大きさだけではありません。他にも、f値や画像処理ソフトウェア等の要素も重要になります。
Google Pixel 6aは、f値1.7の高速メインレンズを搭載しています。さらに、Googleのスマートフォンはカメラソフトウェアが素晴らしいことで有名です。
Pixel 6aを含む全てのスマートフォンは、広角と超広角のカメラを搭載しており、Galaxy A53にはマクロ用の第3カメラ、Nord 2には深度センサーがそれぞれ追加で装備されています。
Pixel 6aの仕様の中でも最も高性能な部分は、より高価なPixel 6 Proに搭載されているのと同じTensorチップセットを備えていることです。そのSoCは、お手頃価格なスマートフォンのカテゴリの中でも、競合機より優れた性能を発揮します。
Google Pixel 6aが、実際にどれほど機能するか楽しみで、実機を手にするのが待ち切れません。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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