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6月18日(土)、有閑喫茶あにまーれ4周年オンラインイベント「あにまーれ学園祭」が開催されます。バラエティーパートと歌パートに分かれており、かなり長時間の大ボリュームイベントになるようで、抽選で700名に全員のサインが入ったポストカードが当たります。

現時点での発表を聴くと昨年の3周年イベントのように盛り上がりそうだとワクワクさせられるのですが、5月10日、因幡はねるのチャンネルで緊急に行われた配信は、あにまーれメンバー、運営、ファン、すべてが戦慄するものでした。

戦慄の販売枚数

4周年イベントのチケットが、全然売れていない。

5月2日の告知から10日近い間の販売数が、去年の初日の販売数を大きく下回る事態。しかも、この配信の前日の販売枚数は5枚。配信時のチケット販売枚数は全部で、243枚

あにまーれ」のメンバーはそれぞれ人気があり、7人参加するにも関わらず、この枚数。メンバーは初めてこの数字を知って、震えあがりました。このままでは赤字どころの騒ぎではないらしい。

リスナーもさすがにこれには絶句。そこであにまーれの参加が確定している7人は突発で企画会議を行います。このままではいけない、どうやったらチケットを売ることができるか。リスナーの声もコメント欄でガンガン集め、情報収集を行います。

あにまーれ学園祭、崖っぷち企画会議

なぜ売れないのか?

因幡はねるがコメント欄をチェックしたところによると、そもそも「イベントが開催されるのを知らなかった」という声がかなり多くあったようです。

「何日にやるか」「チケット発売はいつか」「値段はいくらか」「オンラインなのかどうか」「チケットの種類がわからない」という詳細がほぼ伝わっていない。全体としての告知不足がまっさきに問題点としてあげられます。

ここに関してはあまり問題点探しに終始せず「だったら、どうすればいいか」と建設的意見に話題はシフトしていきます。

何をするのか?

「何するのかわからないのに高額なチケットは買えない」という意見が多数。実際告知にも「学園祭」としか書いておらず、情報はほぼゼロです。配信内で、数時間クラスの大イベントであること、歌とダンスパートでは12曲歌い現在練習中であること、バラエティーパートをたっぷりとっていること、ロケがあること(ここはまだ終えていないのではっきりとはいえないとも)などを包み隠さずガンガン公開します。

「何をするかわからないと買えないのではないか?」というメンバーの意見から、イベント内容を明示したい、と運営に提案する方向に話が移っていきます。また知らない人向けに、今までの3Dライブがどれだけのクオリティなのか見せたほうがいい、という意見も。そのボリュームであれば、チケット代が7,000円なのも納得、という視聴者も見られました。

チケットの付加価値

買ってもらうために「できることなら何でもやる!」という面々。アイドルオタクとして活動してきた大浦るかこと因幡はねるは「ランダムチェキがいいのではないか」という意見を述べます。しかしこれにはアイドルオタクではない風見くく「この値段でランダムは、ってなっちゃいますね」と一般視点からの意見を提示。偏りすぎないよう、ファン目線に寄り添うためのベストな中間地点を話し合いました(なお配信チケットは1人1枚しか買えません)。

デジタルデータでの付加価値も案としてあがっており、このあたりは今後運営とメンバーの話し合いになりそうです。全員バスタオル3D、なんて意見もでましたが、さすがになさそうです。そのくらいの覚悟ということです。コストをかけずとも、自分たちのライブのために自分たちができること、という現実的ラインを探っていきます。

告知の徹底

存在すら周知されていなさすぎる、という危機感がこの配信から伝わってきました。ゆえに、この配信自体が最大の宣伝となりました。

買いあぐねていた・知らなかったファンが買ってくれたことで配信中に500枚を達成。だからといってこれでもまだ全然大赤字。最大の宣伝場所である自分たちの配信でどう告知するか、1枚でわかる告知画像やPVを作れないか、Twitterや概要欄やフリーチャットは使えないか、ここを観ればわかるという情報がまとまっている場所を作れないか、と現実的にできることを真剣に語り合っています。

先に購入した人への配慮

この配信の効果で、すでに「最初に買った243人」よりは多くの人が新たに買ったようです。となると色々付加価値などを考えている今回の配信によって、後に買った人が得をする、とはならないような配慮もされました。あくまでも先に買った243人が優先です。

中でも日ノ隈らんが、先に7,000円のチケットを買った人が、新しい付加価値を観て「そっちにしたかった」とならないようにするためどうすればいいか語っているシーンは印象的でした。この意見からまた、実現可能性のある新たなサービス案が生まれているのも興味深い点です。

ドキュメンタリーとしての面白さ

今回の配信は「買ってください」という泣き落としではありません。あくまでも「売れていないからには何か自分たちがしなければいけない」という会議を表に出したものです。

因幡はねるも今回の問題提起の際、なるべく深刻さを出さないよう、娯楽配信として楽しめるようなプレゼンを序盤で行い、ショー化しています。他力本願ではないからこそ、観ていて面白く、応援したくなるエンタメ性のある配信でした。

運営への煽り的なネタもありますが「自分たちのイベント」「自分たちがやりたくてやっていること」だとはっきり述べて、ファンの不安はしっかり取り除いています。

本編中でメンバーが無茶な努力をすることについて、負担ではないかと心配するファンも出てきましたが、自分たちがやりたいライブのために頑張ることが楽しい、むしろ過去の打ち合わせでやりたいことが削られたくらいだ、とも明言。まさに「学園祭」の会議的な盛り上がりを印象付けました。

VTuberイベントの切羽詰まった企画会議はそうそう観られるものではありません。リアルタイムドキュメンタリーのアーカイブになりました。広報の際どうすることが大事なのか。魅力を伝えるためにどこまでを伝えるべきなのか、あるいは楽しみのためにどんなさじ加減でシークレットにするべきなのか。購買者の要望をどこまで汲み取るべきなのか。メンバーと運営がどうコンセンサスを取って進めていくべきなのか。

因幡はねるの司会によって意見が分散せず、ちゃんと一点にまとまっているのも見どころ。会社で働く人、学校で何かを企画する人は、観ておくとかなり勉強になります。

絶対に成功させたい!という今後の動き

配信からしばらくたって、メンバーと運営から発表されたのが「直筆サイン入りポストカード」を抽選でプレゼントするというものです。グッズ付きチケット購入者からは抽選で500名、配信のみのチケットからは抽選で200名。それぞれ700枚に全員がサインを入れる(つまり一枚一枚を書いた人から次の人に回していかないといけない)というのはかなりハード。「ランダムにするか否か」の話し合いから生まれた案なのかはわかりませんが、配信を観ているとメンバーと運営が何を話し合ったか想像ができると思います。

告知画像も日時が明記され、価格と販売日もしっかり記載されました。加えてメンバー以外からもイベントの応援がすぐに始まりました。ツイートやRTによる拡散はもちろん、目に見える形で告知協力を始めたファンが多数現れています。

AniMare 4th Anniversary -あにまーれ学園祭!-(周防パトラ非公式ファンサイト)

メンバーが大量のサインを描き、告知努力をし、ダンスや歌の準備も行い、学園祭に向けて動き始めました。ファンは今回の配信で、その熱気にあてられはじめています。

配信内での大浦るかこの「こういう風に準備しているよという裏側を見せていって、気持ちを高めていってもらうフェーズが必要」「(そういうところで)ファンの皆様も学園祭の実行委員みたいな形で、イベントまで一緒に走っていきたい」という発言は印象的でした。今回ファンもメンバーの裏の頑張りを見て何らか応援できれば、盛り上げていったこと自体が思い出になるかもしれません。

ライブに向けてあにまーれメンバーが盛り上げるためにどう動くか、イベントは成功するのか、必見です。この泥臭い戦いを続けるスタイルこそが、あにまーれの魅力かもしれません。

チケットはTシャツ付きが11,300円(5月15日まで)、通常チケットが7,000円(6月18日(土)まで)の販売となっています。

また、5月15日(日)の17時より去年の有料イベント「あにまーれにあつまーれ 超獣歌合戦」がほぼ全て見られる同時視聴(アーカイブはありません)が、23時からは「あにまーれ学園祭」のイベント内容発表が行われます。

有閑喫茶あにまーれ4周年オンラインイベント「あにまーれ学園祭」の詳細はこちら。
https://virtual.spwn.jp/_events/22061818-animare4th

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