自宅の近所のスーパーに遅ればせながらフルセルフレジが導入された。商品のバーコードをスキャンしてマイバッグに詰め替えて決済を行う。決済だけのセミセルフレジに慣れきっていたので少しまごついてしまった。買い物で緊張したのは久しぶりのことだ▼気になることがいくつか浮かんだ。一つは高齢者への対応。レジでは従業員がマンツーマンで手ほどきしていたが、慣れるのに時間がかかる人がいるだろう。もう一つは防犯対策。スキャンしたように見せかければ商品を決済せずに持ち出せてしまう気がする▼そしてサービスとはどうあるべきか。セルフ化は客側にとってレジ待ちのストレスがなくなり、店側にとっては人件費削減につながる。ウインウインのようにみえるが、レジにおける一連の作業は本来、店側の業務のはずだ。客側の負担は明らかに増えている▼このスーパーは「デジタルとの融合による顧客接点の創造」が基本テーマだそうだが、今のところデジタル技術の恩恵は利便性の向上にとどまっているように思える。顧客接点を増やし、お得感があるサービスを提供できるだろうか▼専用アプリをインストールすれば自分のスマホでスキャンしながら決済できる仕組みも普及しつつある。便利なのだろうが、そこまでして店の合理化に貢献する気は起きない。(22・4・15)
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