もはや死語と化した感もある“ちょいワルおやじ”という言葉。今さら何を言う、という人も多いかもしれないが、「やっぱり、ちょいワルおやじと一度は言ってもらいたい!」と思っている人も、実はまだまだたくさんいたりすることもまた事実。そのためには自らの風貌が大きく左右することはもちろんだが、それ以上にちょいワルおやじを演出してくれるのがクルマ……というわけで、ここでは即効性が高い“ちょいワルおやじになれるクルマ”を新旧3モデルからピックアップ。これらのモデルに乗ればちょいワルおやじになれるのか? 信じるか信じないかはあなた次第です。
文/FK、写真/トヨタ、マツダ
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ダークを基調としたディテールがクールなクラウンのRS Limited II
2018年6月のフルモデルチェンジで15代目となったクラウン。ひと昔前なら“クラウン=オジサン臭が漂う高級セダン”という図式が成立していたが、それも今となっては昔のこと。
特に、現行モデルではFRらしいロングノーズのプロポーションとルーフからラゲージにかけての流麗なサイドシルエットがスポーティさを演出し、タイヤの張り出しを強調した低重心のシルエットがスタンスの良さももたらしている。ニュルブルクリンクでテストを実施したという走行性能も折り紙付き。
意のままに操ることができるハンドリング性能はもちろん、低速域から高速域まで、さらにはスムーズな路面から荒れた路面まで、あらゆる状況でも常に高い走行安定性を実現している。
そんなイマドキの高級セダンに生まれ変わったクラウン、その中でも特に“ちょいワル”な1台が2021年6月登場の特別仕様車「RS“Limited II”』だ。漆黒メッキのフロントフォグランプリングやフロントグリル&バンパーにスモークメッキのラゲージガーニッシュ、マットブラック塗装の18インチ専用アルミホイールといったダーク基調のコーディネートは、まさにクールという言葉がぴったり!
あえてのリトラクタブルハードトップがちょいワルなロードスターRF
今や貴重な存在の国産オープン2シーターFRスポーツモデル。その代表格であるロードスターは多くの人がソフトトップモデルを思い浮かべるだろうが、ここで注目するのはスポーツ色が強いソフトトップモデルではなく、大人の渋さもあわせ持つロードスターRF。
2016年12月に発売されたロードスターRFは電動格納式ルーフを採用したリトラクタブルハードトップモデルで、ルーフから車両後端までなだらかに傾斜するボディラインが美しいファストバックスタイルが最大の持ち味。エンジンもソフトトップモデルは最高出力132psのSKYACTIV-G 1.5を搭載するが、RFは最高出力184psのSKYACTIV-G 2.0を採用。
ソフトトップモデルに比べて約100kg重いRFだが、約50psの違いは重量増を感じさせない余裕ある走りも生み出している。また、ソウルレッドクリスタルメタリックのイメージが強いソフトトップモデルに対し、RFは一般社団法人 日本流行色協会が主催するオートカラーアウォード(2016年度)でグランプリを受賞したマシーングレープレミアムメタリックの印象が強く、それもちょいワル感をイメージさせる要因につながっているのかもしれない。
ちなみに、現在の中古市場の平均価格は300万円前後と高値安定傾向にある。
一部改良でさらに男前になったスープラは孤高の直6 FRスポーツ
2019年5月に復活を遂げたスープラ。そのグレード展開は3.0リッター直6ターボエンジン(最高出力387ps)を搭載するRZ、最高出力197psを発生する2.0リッター直4ターボエンジンを搭載するSZ、RZとSZの中間に位置し最高出力258psを実現した2.0リッター直4ターボエンジンを搭載するSZ-Rの3つだが、ちょいワルを気取りたいならばトヨタが世界に誇る直6を継承するRZを選ぶに限る。
MAX387psのハイパワーは市街地や高速道路はもとより、サーキット走行でもその威力を存分に発揮。また、ショックアブソーバーの減衰力を最適制御するアダプティブバリアブルサスペンションシステムや後輪左右間のロック率を0~100の範囲で最適制御するアクティブディファレンシャルといった先進技術の採用に加え、先代のTOYOTA 86に比べて約2.5倍というボディ剛性との相乗効果でハンドリング性能や旋回性能は申し分なし。
中古市場では高年式ということもあって、平均価格は600万円前後と値崩れは皆無。
2021年4月の一部改良ではハイパワーエンジンを操る楽しさを追求した6MTや、GRヤリスやGR86と統一性を持たせた軽量&高剛性の鍛造19インチアルミホイールを新採用。より男前になったスープラが、ドライバーも男前にしてくれることは必至だ。
これがマークX? と思わずにはいられないヤンチャなマークX GRMN
1968年に登場して以来、50年以上に渡って愛されてきたミドルクラスセダンのマークII。その末裔にあたるマークXは2019年12月に生産終了となったが、そんなマークXにヤンチャなモデルが存在したことをご存じだろうか? TOYOTA GAZOO Racingが手がけるスポーツカーシリーズの数量限定モデルとして、2019年1月に発表されたマークX“GRMN”(2代目)がそれだ。
スポーツグレードの350RDSをベースに6MTとV6 3.5リッター自然吸気エンジンを組み合わせてFRスポーツならではのパフォーマンスを追求した一台は、全252箇所に及ぶスポット溶接の追加や新開発の専用サスペンションも相まってシャープなレスポンスを実感できる走行性能を発揮。
また、ノーマルとは一線を画するエアロパーツをはじめ、19インチのBBS製鍛造アルミホイール&前後異径タイヤ、ホワイト塗装のブレーキキャリパーなどの専用パーツで武装するとともに、内装もカーボン調加飾とピアノブラック塗装を組み合わせたインパネやウルトラスエード表皮の専用スポーツシートが標準で装備されていた。
現在の中古車市場では513万円の新車時価格を上回るプライスで販売されているが、350台限定の希少モデルであることやあまりにも充実した装備内容であることを考えると……手を出したくなる衝動に駆られるのは致し方ないところ!?
ハイパワー高級スポーツセダンと言えばアリスト!
イタリアのジョルジェット・ジウジアーロが率いるイタルデザイン社が手がけた洗練されたスタイリングと名機として名高い280psの最高出力を発生する2JZ-GTE型エンジンを引っ提げて、1991年10月にデビューした初代アリスト。
3.0リッター直列6気筒DOHCインタークーラー付ツインターボエンジンの圧倒的な加速感はハイパフォーマンスセダンを求めるファンの間で大きな人気を獲得したが、1997年8月に発売を開始した2代目においては初代からさらにちょいワル度を高めた直線番長として大ブレイク。
エンジンも型式こそ同じ2JZ-GTE型ながらVVT-iの採用などによって進化を果たし、1600回転で40kgmを超える低速トルクを発生するとともに俊敏なレスポンスを実現。また、ETCS-i(電子制御スロットル)の採用でエンジン出力をコントロールし先代から続く圧倒的な加速感を演出するいっぽうで良好なアクセルコントロール性も確保されていた。
スポーツカーを凌ぐ走行性能と硬質でメリハリのある面処理によるカタマリ感を表現したエクステリアデザインが融合した1990年代を代表する高級スポーツセダンは、今でも通用するだけの魅力に溢れているだけに中古市場での人気は高く、間もなく生産終了から20年を迎える2代目の平均価格は今でも100万円前後という状況だ。。
極悪燃費もちょぃワルの証!? すべてがアウトローなユーノス・コスモ
遡ること32年前に規格外の一台が発売された。その名はユーノス・コスモ。ユーノス・コスモの最たる特長は史上最高のロータリー車を目指して開発された20B型3ローターエンジンで、シーケンシャルツインターボとの組み合わせは280psの最高出力を発生。ロータリーエンジンならではの回転の滑らかさはその当時、V12エンジンに匹敵すると高い評価も与えられた。
その分、燃費性能はと言うと……10・15モードで6.4km/リッターと文字どおり極悪だったものの、それすらもかすむほど3ローターエンジンは強烈なインパクトを残した。
また、実はエンジン以外にも見どころが満載だったユーノス・コスモ。豊かな気分に浸れる上質なラグジュアリー空間を目指したインテリアはその好例で、オーストリア製の最高級品を使用した本革シートやフランス産の楡材をミラノで仕立てた天然杢のウッドパネルを採用。
世界初のGPS搭載カーナビゲーションシステムやエアコン&オーディオがステアリングパッドで操作できるパームネットスイッチも搭載されるなど先例のない3ローターエンジンを搭載した高級クーペは、今なお語り継がれる個性が際立つ一台だった。
カスタムベースとして人気が高かったこともあり、現在の中古市場においてはノーマル車両を探すのが至難の業、平均価格も250~300万円と高値安定で手が出しづらい状況にある。
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