<p>さよなら「アシモ」 夢の二足歩行ロボットが歩んだテクノロジーとエンタメの20年 – webCG</p><p>さよなら「アシモ」 夢の二足歩行ロボットが歩んだテクノロジーとエンタメの20年</p><p>長年にわたりファンに親しまれてきた「ホンダASIMO(アシモ)」が、ついに表舞台から姿を消すことに……。夢の二足歩行ロボットが私たちに残したものとはなんなのか。“彼”が歩んできたこの20年を、テクノロジーとエンタメの両面から振り返る。</p><p>「アシモ」が開いた21世紀の扉 2022年3月31日、この日の「Hondaウエルカムプラザ青山」でのショーを最後に、「ASIMO(アシモ)」は表舞台から姿を消した。ニュースの見出しは「卒業」「さよなら」「ラストステージ」など、引退する人気アイドルのような扱いだ。アシモはやはりモノではなく、ヒトに近い存在として愛されていたのだと思う。 ホンダは1986年から自律的な二足歩行の実現を目指し、基礎技術研究の一環としてロボット研究に取り組んできた。最初に発表した「E0」は文字どおり“足だけ”のロボットで、一歩進むのに15秒を要したという。その後、ホンダは「E6」まで改良を重ね、1993年に新シリーズの第1号機となる「P1」を発表した。「P1」はアシモのような親しみやすさはないものの、箱型の頭部と手を備え、ヒューマノイドと呼べる形状になっている。機能面では歩行だけでなく、モノをつかんで運ぶという手足の協調動作にも挑んだ。 この「P1」が世に出た1993年は、恐竜の“動き”が話題になった映画『ジュラシック・パーク』の公開年でもある。本作は高度なアニマトロニクス技術とコンピューターグラフィックス(CG)技術の組み合わせで、今までにない生々しさを表現。メカやロボットが好きな人にも、そうではない人にも、技術の進化を知らしめた作品だ。 2000年11月20日、20世紀最後の年にホンダはヒューマノイドロボットのアシモを発表した。この年、ホンダは7年ぶりにF1に復帰し、「シビック」で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、技術力の高さを象徴するニュースが続いていたので、記憶している方も多いのではないだろうか。 テクノロジーの波は社会全体に波及し、コンピューターの誤作動が警告された「2000年問題」、ソニーグループのゲーム機『プレイステーション2』の爆発的ヒット、J-フォン(当時)のカメラ付き携帯電話の発売など、時代の節目を感じる出来事が相次いだ。映画ではピクサーのフルCGアニメ『トイ・ストーリー2』が大ヒット。CG技術はもはや特別ではなく、映像表現手法のひとつとして定着したことがうかがえる。 このほど“引退”することとなったホンダの二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」。</p>