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「言いそびれていたが、新しい家が見つかった。西の市の近くの二階屋で、便利で見晴らしがいい。使用人も何人かつけるから、遥と二人で不自由なく暮らせるはずだ」「ええ、ありがとうございます」若晴はふっと淋しげな笑みを浮かべ、仲麻呂の被子(ひし)(掛け布団)を直した。「薬を飲んで、もう少し…