AMDでは2022年下半期にZen4アーキテクチャを搭載したRyzenやEPYCなどをリリース予定ですが、今回このZen4アーキテクチャやZen4を搭載するRyzen 7000とEPYC Genoaに関する新たなリーク情報が出現しました。
2022年下半期に登場するZen4アーキテクチャ搭載モデル
AMDでは2022年1月に開催されたCES2022にてTSMC 5nmプロセスで製造が行われるZen4アーキテクチャーに関するティザーを実施、その際にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズやサーバー向けのEPYC Genoaが2022年下半期に登場する事を告知しました。
このZen4アーキテクチャを搭載するRyzenやEPYCについては5月末に台湾で開催されるCOMPUTEX 2022にて詳細や発売日などが発表されると見込まれていますが、一足先にMoore’s Law is DeadからZen4アーキテクチャやZen4を搭載するRyzen、EPYCに関するリーク情報が出現しました。
Zen4アーキテクチャはIPCがZen3比で最大24%向上。シングルコア性能は最大37%向上へ
Moore’s Law is DeadではZen4アーキテクチャとZen4を搭載するRyzen、EPYCそしてThreadripperのリーク情報がまとめられています。
Zen4アーキテクチャの仕様については以下の2点が強化される見通しです。
- L2キャッシュ容量がZen3の512KBに比べるとZen4では倍の1MBに増える(L3は据え置き)
- Zen4ではI/O関連を大幅強化、PCIe 5.0やDDR5対応そして、より多くのPCIeレーンを備える
パフォーマンスについてもZen3と比べると大幅強化がされているようです。
- AVX-512が搭載され、パフォーマンスはIce Lake-X並み
- IPCはZen3比で15~24%ほど性能向上
- シングルコア性能はZen3に比べると28~37%性能向上
- 動作クロックは8~14%高く、ブーストクロックのも持続できるとの事。
ただ、Moore’s Law is Deadがソースから得ている情報としては、Zen4はZen3よりも革新的な製品となりますが、Zen2ほど革新的では無いと多くの関係者は見ているようです。
Zen4搭載モデルの販売時期も出現。先行はRyzen 7000で続いてEPYC Genoaの可能性
Moore’s Law is DeadではZen4アーキテクチャを搭載するRyzenやEPYC、そしてThreadripperに関する仕様や開発状況と大まかな発売時期もまとめられています。
デスクトップ向け Ryzen 7000シリーズ(Raphael)
Raphaelについては引き続き最大16コアとなる予定で、発売時期は2022年Q3~Q4の見込み。既にサンプル品が存在し、間もなく量産開始をするようです。
ちなみにRyzen 7000(Raphael)については他のリークでも同様の情報が出ています。
AMDでは2022年下半期にデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズのRaphaelとRDNA3搭載Radeon …
サーバー向け EPYC Genoa 7004
EPYC Genoaについては最大96コアに増える予定で、既にA0シリコンは3月頃にテープアウトし、B0テストが現在進行中との事。発売時期は2022年Q4の予定で、通常A0シリコン登場から9~12か月で登場している事から恐らく年内に出現すると見られています。
ハイエンドラップトップ向け Ryzen 7000HX(Dragon Range)
デスクトップ向けに登場するRapahelをラップトップ向けに搭載するCPUで、最大16コアとなり性能面ではAlder Lake-HXやRaptor Lake-HXを超える性能になると見られています。サンプル品は年内に登場し、実際の発売は2023年Q1を予定しているようです。
モバイル向け Ryzen 7000H(Phoenix)
PhoenixについてはCPU性能はIntelのRaptor LakeやMeteor Lakeに対抗が可能な性能を有しているようです。また、内蔵GPUの性能が高いという話は出ていますが、Phoenixのターゲットはプレミアムラップトップと見られておりPhoenixを搭載したモデルより、廉価GPUを備えたモデルを買った方が安上がりになる可能性があるようです。
なお、PhoenixのテストはEPYC Genoaに続いて行われており、2023年Q1中に発売がされると見られています。
HEDT向け Ryzen Threadripper Pro(Storm Peak)
最近、AMDではThreadripperを放置気味にしていますが、Zen4世代においても同様の傾向のようです。過去にはZen4 Threadripperが2023年上半期中に登場するという情報はあったものの、最近は更新が無いとの事です。ただ、IntelがSapphire RapidsベースのHEDT CPUを投入する可能性が高いため、2023年上半期中の登場する可能性もあるようです。
Moore’s Law is Deadでは他にもZen4CやZen5、Zen6について語っていますが、Zen4以外の話は別記事で紹介します。
Zen4アーキテクチャについては開発は順調に進んでおり、Ryzen 7000やEPYC Genoaについては年内、モバイル向けCPUは2022年初頭にお目にかかれる事が出来そうです。ThreadripperについてはZen3世代からはライバルが不在という事でAMDのやる気は大きく落ちており、今回のリークではStorm Peakと言う名称は登場するものの、発売時期に関する情報はほとんど無い様で、「Intelが頑張ればAMDも出すはず・・・」程度の情報しかないようです。
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