横浜市上瀬谷地区の桜並木伐採に反対している市民有志グループ「上瀬谷の未来を考えよう会」が13日、横浜市庁舎で陳情書と署名一覧、質問書を秘書課を通じて、山中竹春市長に提出した。署名は署名サイト「Change」を通して集められ、市にはCD-ROMで手渡された。
上瀬谷地区(横浜市瀬谷区)は、横浜市の西端に位置し、大和市や町田市とも隣接するエリア。2015年に米軍から上瀬谷通信施設跡地が返還されたことを契機に、2027年開催の国際園芸博覧会(花博)を誘致。1990年の「大阪花の万博」以来2度目の花博が予定されている。
花博は園芸をテーマとした博覧会で、花畑の展示や園芸体験などを行うと見られる。市によると、花博開催に向けて市道「海軍道路」沿いに282本あるソメイヨシノのうち、道路北側の226本の大部分を道路拡幅のため伐採する。道路拡幅後、別の品種の桜に植え替える計画としている。だが、考える会では道路拡幅による渋滞解消効果は限定的と見ている。
考える会はツイッターで問題提起をした15人ほどのメンバーで構成され、4月17日から署名活動を開始。5月8日までに約3万5000筆が集まった。
陳情書には、「海軍道路の桜並木伐採の見直し」「上瀬谷通信施設跡地の現存する自然環境の保全」「病院や災害拠点の整備、交通インフラの改善」「花博運営計画の抜本的見直し」などが盛り込まれた。
陳情書の提出後、考える会は市庁舎で会見を行った。
署名活動管理人の高橋淳さんは
反響が大きく驚いています。みなさんの関心の高さを実感しています。賛同署名だけでなく、250名近い方々がコメントも寄せてくださっている。
と述べ、署名呼びかけ人の女性も
3万人という数字を受け止め、正直びっくりしている。署名を集めて終わりではなく、社会的な責任を果たしたい。市民の皆さんから声が上がれば良いと思う
などと語った。昨年来、色々とお騒がせが続いてきた山中市長だが、また頭痛のタネが増えそうだ。