選択肢が増え、より魅力的になってきたSUV
全世界的なSUVブーム。クラス問わず車種も増え、選択肢も豊富になった。
都会派SUVは、全高も低めでスタイリッシュなので街乗りに便利。高級感もあり、高級セダンからの乗換えも多い。
一方タフネス系SUVは、オフローダーのワイルドな力強いデザインをもつ。アクティブなライフスタイルに憧れる人達に高い支持を得ている。
そこで、今回はデザインや機能性を重視し、「カッコいいSUV」を5車種厳選した。
SUV人気の理由は「カッコいい」から!
力強さと高級感ある内外装デザインが魅力
SUVというカテゴリーが生まれた当初は、オフローダー的で「無骨な」、男性的なカッコよさがあった。
だが、近年では高級セダンの代わりとして、洗練された「都会的なイメージ」を持つコンセプトのSUVが増えた。力強さと高級感という新たなテイストが、多くの女性からも支持を得ている。
室内空間の広さが魅力
もともと、SUVはスポーツ・アウトドア用の車のため、室内空間が広いのが特徴。積載容量が多いことは、アウトドアはもちろん、日常使いでも幅の広い顧客層のニーズを満たしている。
SUVを選ぶポイントは?
ハイブリッド、PHEV、ディーゼル、EVと燃費性能がよいモデルが数多くラインアップ
SUVは、他のボディタイプと比べると車両重量が重い。そのため、燃費が悪いイメージを持たれやすい。ところが、近年ではハイブリッド車だけでなく、PHEVやディーゼル、EV(電気自動車)といった燃費費を抑え経済性も重視したモデルが増えている。ガソリンが高騰し、高止まりしている中、SUVでも燃費性能に注目して選ぶと良い。
価格を抑えるため中古車もチェック!
SUVは、車体が大きく車両価格も他のボディタイプに比べ高価な傾向にある。BセグメントのコンパクトSUVであっても上級グレードなら、新車価格で300万円を超えている。
そのため、新車でけをターゲットにすると、どうしても予算が厳しくなるのも当然だ。そこで、中古車という選択肢を加えることで、SUV購入のメリットがグッとアップする。中古車なら、新車SUVが買えない予算でも年式を古くするなどすれば、憧れのSUVも予算内に入ってくることもあるからだ。
また、コロナ禍における部品供給不足により、人気SUVは納車まで半年以上などというモデルも珍しくない状態。中古車であれば、すぐにでも乗れるメリットがある。
そこで、今回はカッコよい、個性的などと呼ばれているお勧め人気中古SUVを5台をピックアップした。
カッコいいSUV おすすめ中古車5選
美しいラグジュアリーSUVも中古車なら手頃に
マツダCX-8
マツダCX-8 のデザインはゴージャス
マツダCX-8は、2017年に登場した6/7人乗りのラグジュアリーSUVだ。外観、内装デザインは、1クラス下のCX-5とよく似ていて区別するのが難しい。
CX-8は6/7人乗りなので、全長が4,900mmと長い。そのため、CX-5と比べると伸びやかで、より重厚感のあるスタイリングとなっている。
ラグジュアリー系SUVとしての風格もあり、内装の質感も高い。2人乗りのキャプテンシートとした2列目シートをもつ6人乗りは、まさにCX-8に相応しいゴージャスな雰囲気だ。
重量級なのに優れた燃費
CX-8のパワーユニットは、デビュー当時2.2Lディーゼルエンジンのみの設定だった。当時の出力は、190ps&450Nmだ。最新モデルの出力は200psへとアップしている。その後、2.5Lガソリンと2.5Lターボが追加された。
ガソリン車の設定もあるが、やはりCX-8には2.2Lディーゼルがベスト。分厚い低速トルクを持ち、1,800kg超という重量級ボディを楽々加速させることが可能だ。それでいて、燃費は15.8km/L(FF、WLTCモード)と優れている。
中古車の価格帯は240万~290万円台が買い得感あり
CX-8は2017年にデビューしている。2022年1月現在、ようやく中古車がそれなりに流通してきた。流通量の多い2018年式の中古車相場は240~330万円位と、やや価格幅が広い。
240万円台の車両は、中間グレードの売れ筋で装備も充実しているXDプロアクティブが中心だ。新車価格が約354万円なので、新車価格の約68%程度の価格である。この年式でこのくらい安価になっていると買い得感がある。
ただし、この価格帯だと走行距離5万kmオーバーが多い。走行距離3万km以下の場合、260万円台以上になると、買い得感が薄れる。人気SUVなので、中古車価格が高くなるのは仕方のないことだ。
本革シートを装備したXD Lパッケージは、CX-8らしさを十分に感じさせるラグジュアリーな仕様だ。走行距離が3万km以下だと、約290万円からとなる。新車価格が396万円程度なので、新車価格の73%にまで落ちている。
290万円程度の価格であれば、買い得感がある。320万円位を超えてくると、買い得感が薄れてくるので注意が必要だ。
初代ホンダ ヴェゼルハイブリッド
新型登場で買い得感アップ!何度も国内SUV新車販売台数1位となったヴェゼル
初代ホンダ ヴェゼルは、2013年にデビューした。3代目フィットのプラットフォームをベースに開発されたコンパクトSUVだ。当時、ヴェゼルは国内のBセグメントコンパクトSUVマーケットに初めて投入されたモデルとして話題になった。
ヴェゼルは、新たなモデルとして大ヒットした。国内SUV新車販売台数ランキングでも、何度もナンバー1を獲得している。
ヒットの理由は、大きなボディサイズだ。ベースとなる3代目フィットの全長は、3,955mmだ。対するヴェゼルは4,295mmと、340mmも大きくなった。そのため、フィットがベースとなっているようには見えず、クラスを超えた堂々としたスタイリングが魅力的だ。
そして、このスタイリングと見合った高級感のある内装も、高い評価を得た。手に触れる部分にソフトパッドを採用するなど、クラスを超えた上質感を出したことで、ダウンサイザーの受け皿となった。
エンジンには、フィット譲りの1.5Lハイブリッドシステムを搭載
「SPORT HYBRID i-DCD」をヴェゼル用にパワーアップして搭載した。当時、27.0km/L(FF、JC08モード)という優れた燃費値を実現している。
プラットフォームは、3代目フィットがベースのセンタータンクレイアウトを採用している。荷室の広さや居住性にも優れ、スタイルや質感、燃費、使い勝手など全方位でスキのない仕上がりを見せた。売れるのも当然のモデルといえる。
外観デザインもスタイリッシュで、なかなかカッコいい。優美なラインを描き後端に向けて傾斜するルーフラインは、クーペを感じさせるスポーティなものだ。大きな顔の押出し感で勝負をするSUVが多い中、ヴェゼルは優雅さを感じさせる。
ただし、初期モデルのヴェゼルは、乗り心地はかなり硬めだ。これはホンダがスポーティさを重視し過ぎた結果である。軽快感はあるが、乗り心地に関しては微妙な仕様だった。その後、2015年の改良では乗り心地の改善が施された。
中古車価格も高いが、これから買い得感が出てくるヴェゼル
2022年1月現在、ヴェゼルは2代目となる新型が登場している。そのため初代の中古車価格も下がり始め、買い得感が出ている。燃費や乗り心地では、さすがに新型に敵わないが、その他の部分では十分なレベルに達しているモデルなので、おすすめできるコンパクトSUVだ。
初代ヴェゼルは人気モデルだったため、中古車価格もとにかく高い。つまりリセールバリューも高いので、新車で買った人はかなりお得といえる。
新型2代目ヴェゼルが登場したので、徐々に初代の中古車価格は下落し買い得感も出てくるだろう。そういう意味では、これからが初代ヴェゼルの買い時になる。
初代ヴェゼルの中古車選びのポイントは、2016年の改良だ。初代ヴェゼルの一部グレードに、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「ホンダセンシング」が追加された。走行性能なども高まったため、中古車価格は2016年の改良後モデルからグッと高くなっている。安全面を考えると、ホンダセンシング装備のモデルがおすすめだ。
中古車価格180万になると安全面も満足度が高い
初代ヴェゼルハイブリッド2016年式の中古車相場は、140~200万円位だ。140万円台だと、中間グレードのハイブリッドXかエントリーグレードのハイブリッドが中心になる。最上級グレードのハイブリッドZもあるが、走行距離が7万km前後走っている車両が多い。初代ヴェゼルハイブリッドは、黒系のボディカラーが人気だ。黒系だと10~20万円くらい高価になることが多い。
車両価格が180万円になると、最上級グレードのハイブリッドZ系で走行距離が少ない車両が選びやすくなる。スポーツグレードであるハイブリッドRSも選択可能だ。ハイブリッドZにはホンダセンシングが標準装備されているので、安全面でも満足度は高い。
ただ、新車価格が267万円だったので、180万円台の中古車価格でも新車価格の67%前後にしか値落ちしていない。約5~6年落ちでこの価格だとあまり買い得感はないが、人気SUVなので仕方がない。逆にリセールバリューも高いので、2016年式車を3年乗ってもそれなりの査定価格が出る可能性も高く、メリットもある。短期間で売却することを考えているのであれば、最上級グレードのハイブリッドZで装備がより充実している車両がおすすめだ。
<レポート:大岡智彦>
三菱アウトランダーPHEV VS マツダCX-8徹底比較評価