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30年も前のことだが、私が大学で指導を受けた老教授は、学者にしては型破りだった。ワイマール・ドイツの思想史が専門で、夜中の2時頃まで独・仏の原書を読むのが日課だった。その一方で、「真面目」「ガリ勉」をいつも嘲笑し、仮装趣味の愉(たの)しみをよく語っていた。その教養の厚さと「異端」好…