今回は、「ミルマンの定理」についての説明です。
ミルマンの定理
ミルマンの定理は全電圧の定理、帆足・ミルマンの定理とも呼ばれます。
図1のような電気回路があります。
この回路の端子電圧Vabは橙塗り部分のように表せます。
この関係がミルマンの定理です。
端子電圧Vabは、分子がa-b間の総電流、分母が起電力を短絡除去した時のa-b間の合成抵抗の逆数になっています。
つまり、やっていることはオームの法則と変わりはありません。
実際にミルマンの定理を使ってみましょう。
図2のような回路に流れる電流I1、I2、I3を求めてみます。
ミルマンの定理に各数値を代入します。
Vab=0[V]であることがわかりました。
ちなみに、計算時の注意点が2つあります。
話を戻します。
Vab=0[V]なので、各回路を以下のように分けて考えます。
回路に流れる電流I1、I2、I3をミルマンの定理を用いて求めることができました。
ちなみに、「キルヒホッフの法則」、「重ね合わせの理」、「テブナンの定理」でも算出可能なので、併せて理解しておくと便利です。
以上、「ミルマンの定理」についての説明でした。
【基礎から学ぶ直流回路】
◎抵抗の基礎 ~種類やカラーコードの見方
◎直列接続の考え方
◎並列接続の考え方
◎抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ
◎基準点による電位の変化
◎導体の電気抵抗 ~抵抗率と導電率の関係
◎キルヒホッフの法則
◎重ね合わせの理
◎テブナンの定理
◎ノートンの定理
◎テブナンの定理とノートンの定理の関係
◎ミルマンの定理
◎ブリッジ回路と平衡条件
◎ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路
◎ブリッジ回路のΔ-Y変換
◎電圧源と電流源 ~等価電源と理想電源の違い
◎電圧源と電流源を含む回路の考え方
◎電圧源と電流源の接続方法の注意点
◎起電力と内部抵抗が等しい電圧源を複数並列に繋いだ場合の考え方
◎電力とジュールの法則
◎チップ抵抗器の定格電力と外形寸法表記
◎最大電力 ~最小定理の考え方
◎複数の電源から供給される電力の割合