5月15日、沖縄県は本土復帰50周年を迎える。沖縄県の産業構造は観光サービス業をはじめとする第3次産業が80%以上を占めており、製造業など第2次産業の育成が継続的な課題となっている。その一つは泡盛に代表される酒造業界だが、大きな転換期を迎えようとしている▼本土に復帰した1972年以来、沖縄産の酒類は県内に出荷される場合に酒税の軽減措置を受けているが、段階的に縮減し10年後には廃止されることが決まった。復帰前の税率が本土に比べて低かったことが考慮されたもので、地元事業者の経営安定化だけでなく、本土に比べて所得が低い県民の負担軽減が狙いとされる▼県内市場の成長余地は小さく本土で拡販したくても物流費などのハンデがあることは理解できるが、業界丸抱え的な優遇を続けることが難しい時代になっていることも確かだろう▼沖縄県酒造組合も危機感を強めているようで、全酒造所が参加した琉球泡盛ブランディング事業を通じて需要喚起に乗り出している。スローガンは「あそび心、盛りだくさん。」。自由な飲み方で楽しんで欲しいとのメッセージだそうだ▼先日、泡盛のボトルをいただいたので久しぶりにお湯割りで飲んでみた。黒糖酵母仕込みによる独特の香りと風味で杯が進んだ。もっとファンが増えてもいいのではないか。(22・5・13)
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