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東京都の小池百合子知事のツイッター上の“キャラ変”が先週話題となった。専門家はどう見ているのか。政治家のSNS発信に詳しいITコンサル会社経営の射場本健彦氏に聞いた。

4月1日、新人職員の入都式に臨む小池知事(Facebook「東京都知事 小池百合子の活動レポート」より)

小池知事は4月6日夜、防衛省が電子戦部隊設置を検討しているとのニュースを取り上げ、「おう。。ようやく”電磁波”対策が具体になったのか。なるほど。」と感想をツイート。それまでは「コロナ病床使用率24.6%。オミクロン株の特性を踏まえた重症者病床使用率8.3%」など、極めてお役所らしい無味乾燥な内容がほとんどだったため、突然口調が変わって“キャラ変”したと話題になった。

いわゆる「中の人」と呼ばれるツイッターアカウントの運営者がミスをしたのではないかとの声もあったが、小池知事は続く4月7日にも「2011年の衆議院予算委員会での質問なのだ。」とツイート。8日には定例会見でツイートの口調について記者から質問を受けると、

「そこまで細かくは考えておりません、一つひとつの言葉でこれだけ何か注目していただいてるのは、平和な日本だからかな、というふうに思います。次は『あい』でいきたいと思います

と回答した。

都民ファーストの会の尾島紘平都議は、自身のツイッターで「小池さんはリプライや引用リツイートもすべて見ているし、いいねも自分でしています。」と説明。「中の人」はおらず、小池知事自身が管理していると強調した。

射場本氏も、本人が直接投稿している可能性は十分あり得るという。

小池知事の発信を支えていると噂されるPR会社などの“中の人”がいるからではないかと囁かれたが、本人が投稿した可能性も排除できない

海外では、公人がツイッターを使用する際には、個人用と公務用の2種類を使う場合もあるという。

米バイデン大統領はツイッターでは個人アカウントと公務アカウントを使い分けています。日本の政治家は個人のものを公務でも使っているので、管理する側の自覚が必要となります。

一見すると“誤爆”にも見えた小池知事の砕けた口調のツイートは、削除されることなく残り続け、不思議に思う声も出ていた。

ここまで削除していなかったことが印象的だったが、削除したらしたで騒がれてしまうし、小池氏なりの危機管理の狙いがあるのかもしれない

ツイートを後から削除する“ツイ消し”は、何かやましいことがあるのではないかと非常に疑われやすい行為。今年70歳を迎える小池知事は、なかなかのやり手ツイッタラーなのかもしれない。