お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」メンバーの上島竜兵さん(61)が11日、亡くなった。元デイリースポーツ芸能担当で芸能記者の中西正男氏に、上島さんの功績や人柄を聞いた。
上島さんの人柄について、中西氏はこう語る。
言葉で形容するなら「優しい」人でした。そして芸人にとって必要不可欠なものである「可愛げ」が、パラメーターのマックスまであるような人でした。
上島さんを囲む芸能人同士の集まり「竜兵会」で有吉弘行氏、劇団ひとり氏など、年齢や芸歴で10歳以上も年の離れた後輩たちから慕われていたのは、優しさと可愛げのあるキャラクターゆえだという。
有吉さんが上島さんのキープしていた焼酎ボトルの中身をこっそり水に変えたら、上島さんは気づかなくて「水の水割り」を飲んでそのまま酔っ払っただとか、上島さんには無数のエピソードがある。そうしたエピソードは、周りの人々の上島さんに対する愛の現れなんです。
どうでもいいと思われている人間は、エピソードが語られることはないわけですから。エピソードの数はすべての芸能人のなかでトップクラスでした。
劇団ひとり氏は、上島さんを「人生の恩人」と慕っていたという。
劇団ひとりさんと妻の大沢あかねさんが結婚する際、上島さんに保証人になってもらったそうなんです。そのお礼にお2人は上島さんを南青山のレストランに招待し、上島さんがトイレに行っている間に会計を済ませておいた。トイレから戻ると、上島さんは「こんなめでたい席でご馳走できないなんて、おかしいだろ」と今までにないぐらい怒ったというんです。
あまりにも怒るから、「こちらです」と領収書を見せたら、かなり値の張る金額だったらしく「うーん、今度は気をつけろよ」と言って結局払わなかったと。そんなエピソードが上島さんには山のようにある。
お笑い芸人の語るエピソードだから多少の誇張や脚色は含まれているのかもしれないが、愛すべきキャラクターの持ち主だったのだろう。中西氏自身も、関西を中心に放送されている情報バラエティ番組「上沼・高田のクギズケ!」の収録の場で、3月に同席したばかりだったという。
上島さんがテレビドラマ「真犯人フラグ」で凶悪殺人犯の役を演じた直後でした。収録前にスタジオで共演者から演技をほめられると、少し照れくさそうにしながら嬉しそうにされていたのを、よく覚えています。
上島さんは、もともと俳優志望で上京し芸能界に入った。
61歳の上島さんがこれから俳優としてももっと伸びて活躍し、スケールアップされていくのだろうと、とても前向きなものを感じていました。
突然の出来事に、中西氏も大きなショックを受けていた。
ただ驚いているとしか言えません。自殺と報じられていますが、1人の人間が亡くなった理由を他人があれこれ詮索するなんて、そんな不躾で浅ましいことはできません。本人にだって、なぜこうなったか分からなかったかもしれない。
所属事務所の太田プロダクションも公式サイトで「あまりにも突然のことで驚きに堪えません。今まで上島竜兵を応援して下さった皆様には心から感謝いたします」と率直な心境とともにファンへの謝意を綴っていた。
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