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昨年10月に当選した衆院議員465人の資産報告書が11日、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律(国会議員資産公開法)」に基づいて公開された。

資産額の平均は2924万円で、トップは自民党の麻生太郎副総裁で6億1417万円。政党党首のトップは自民党の岸田文雄首相で4983万円、2位は共産党の志位志位和夫委員長で1146万円だった。国民民主党の玉木雄一郎代表と、れいわ新選組の山本太郎代表は0円と報告した。

政治家は「金欠」?)ohagi /イラストAC)

乙武氏「くだらない茶番」

このニュースにネットではトップの麻生氏や岸田首相よりむしろ、「資産ゼロ」と報告した玉木氏と山本太郎氏に注目が集まった。

玉木さんと山本太郎さんの資産ゼロって本当なんかね?

嘘とは言わないが実態を全く反映していない資産状況など公開して何の意味がある?党首が資産ゼロなんて!

玉木さん、資産ゼロって本当?

資産ゼロとかのほうが逆に怪しいヤツでは

作家の乙武洋匡氏は、国会議員の資産報告書の公開を「くだらない茶番」と切って捨てていた。

「政治家が金持ちだなんて許せん」とか言い出す人が多いから、政治家も資産を少なく見せたがる。「資産ゼロ」なわけないじゃん。くだらない茶番。

この乙武氏のツイートに引用リツイートする形で、玉木氏は自身が「資産ゼロ」と報告した理由を次のように明かした。

私の「資産ゼロ」についてですが、ルール上、普通預金や株式が公開対象外となっているので「ゼロ」ということになっています。株も一銘柄保有していますし普通預金もあります。意図的に「ゼロ」にしているわけではありません。ただ、公開のあり方が今のままでいいのかという問題意識は共有しています。

普通預金も自宅に保管する現金も対象外

国会議員資産公開法を調べてみると、玉木氏の釈明の意味が分かった。法律では、国会議員の資産を「土地」「建物」「預貯金」「有価証券」「自動車や船舶など」「ゴルフ会員権」などと規定している。

しかし、預金は「当座預金及び普通預金を除く」、貯金は「普通貯金を除く」と但し書きがついている。国会議員が、資産として公開しなければならないのは定期預貯金のみだ。自宅で保管している現金も対象外となっている。

編集部撮影

さらに、株式については「銘柄及び株数」を報告するよう定められているが、株式の時価総額には触れられていない。この法律では持っている株の時価総額がいくらであっても、資産には含まれない。

この法律に則って報告すると、たとえば「普通預金1億円、タンス預金5000万円、保有する株式の時価総額2億円」といった国会議員でも、「資産ゼロ」となってしまう。ここまで見事なザル法もなかなかないのではないか。

国会議員資産公開法の第1条には、「国会議員の資産の状況等を国民の不断の監視と批判の下におくため」というこの法律の目的が記載されている。要は、国会議員の不正な蓄財を国民の監視によって防ぐことがこの法律の目的だ。

玉木氏も、「公開のあり方が今のままでいいのかという問題意識は共有しています」とツイートしていたが、今のままのルールで法律の目的を達成できるのか、はなはだ疑問だ。