カテゴリーは異なるが、利便性面ではライバル車
ホンダN-BOXは、軽自動車のカテゴリーではスーパーハイト系に属する。対するスズキ ワゴンRスマイルハイト系となる。軽自動車は、全高の高さで分類されているからだ。
本来なら、直接的なライバル関係にはないN-BOXとワゴンRスマイル。しかし、ワゴンRスマイルは全高以外は限りなくスーパーハイト系のN-BOXに近いモデル。従来、ハイト系モデルは、コスト面もあり一般的なヒンジドアが主流。しかし、ワゴンRスマイルはスライドドアは装備したことから、限りなくN-BOXに近いモデルとなった。
そこで、超人気車であるN-BOXとワゴンRスマイルを徹底比較。価格や燃費、室内空間など、様々な角度から評価した。
ホンダN-BOXの特徴
大幅に進化した予防安全装備
ホンダN-BOXは、 2017年にフルモデルチェンジし2代目となった。「日本の家族のしあわせのために」をコンセプトに、ファミリーカーの新たなスタンダードとなることを目指して開発された、スーパーハイト系の軽自動車だ。
初代N-BOXで高く評価されていた広大な室内空間や、存在感のあるデザインは2代目にも継承している。2代目N-BOXは、初代N-BOXの良い部分を伸ばし、弱点を補ったキープコンセプトモデルといえる。
初代N-BOXで最大の弱点だった予防安全性能は、2代目で大幅に向上した。歩行者検知式自動ブレーキや運転支援機能を含む「ホンダセンシング」が全車に標準装備化されたのだ。
また、2021年12月に一部改良が加えられた。電子制御パーキングブレーキが標準装備化され、全車速追従式クルーズコントロールが渋滞時にも対応できるようになった。また、オートブレーキホールドも装備された。
2代目は2017年デビューのモデルだが、2021年12月の改良で、ライバルの最新モデルと同等の装備を得たといえる。
スズキ ワゴンRスマイルの特徴
ハイト系でユニークな両側スライドドア装備車
スズキ ワゴンRスマイルは、現行のワゴンRをベースに開発されたモデルだ。プラットフォーム(車台)は、ハイト系に属するワゴンRと基本的に共通。
全高は、ワゴンRよりも45mm高い1,695mmだ。それでも、スーパーハイト系のスペーシアと比べると90mm低い。スペーシアに比べれば確かに小さく見えるが、ワゴンRと比べるとより大きく立派に見える。
利便性は、スマイル最大の特徴でもある両側スライドドアを装備したことで大幅に向上されている。
デザインは、角を丸くしたスクエアなシルエットに大きな丸型ヘッドライトを装備した愛着のわく可愛らしさが魅力。直接的なライバル車となるダイハツ ムーヴキャンバスと同様のデザインともいえる。
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1.燃費はスマイルが良い。マイルドハイブリッドシステムが魅力
N-BOXとワゴンRスマイルの燃費評価は以下の通り。
N-BOXの評価 3.5
ワゴンRスマイルの評価 4.5
ホンダN-BOX(カスタム含む)の燃費は以下の通り。(すべてFF、WLTCモード)
ターボ 20.2km/L
自然呼気 21.2km/L
スズキ ワゴンRスマイルの燃費は以下の通り。(すべてFF、WLTCモード)
自然吸気 23.9km/L
マイルドハイブリッド 25.1km/L
スズキ ワゴンRスマイルの燃費は、自然呼気・マイルドハイブリッド共に圧勝となった。スマイルには、ターボ車の設定はない。
N-BOXもスーパーハイト系自然吸気車の中では燃費性能に優れるモデルだ。しかし、全高が低く軽量なスマイルには敵わなかった。N-BOXの車重は、890~960kgだ。対するスマイルの車重は840~870kgと軽いため、低燃費を実現している。スマイルにはマイルドハイブリッドシステムが搭載されている車両もあるので、さらに燃費差は大きくなる。
さらに、N-BOXは全高が高く空気抵抗が大きいので、燃費は悪化傾向にある。とくに、高速道路での実燃費では、スマイルとの燃費差がさらに広がるだろう。
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2.攻めの安価な設定となったスマイル
N-BOXの評価 3.0
ワゴンRスマイルの評価 4.0
ホンダN-BOXとスズキ ワゴンRスマイルは、カテゴリーが異なるので単純比較はむずかしい。そのため、両車共に同じカテゴリー内での比較で評価した。
ホンダN-BOXの価格帯は、1,448,700~2,252,800円だ。同じスーパーハイト系の最新型である日産ルークスの価格は、1,415,700~2,132,900円である。N-BOXは軽自動車販売台数ランキングで絶対的王者であるためか、車両価格はやや高い。
クラスが上のコンパクトカーであるホンダ フィットのガソリン車の価格(1,557,600~2,241,800円)と、ほとんど変わらない価格となっている。
対するスズキ ワゴンRスマイルの価格帯は1,296,900~1,716,000円だ。ライバル車ダイハツ ムーヴキャンバスの価格帯は1,430,000~1,710,500円と、ほぼ同等の価格である。
エントリーグレードの価格設定に大きな差が付いているが、これは装備を簡素化し安価に見せる営業戦略だ。こうした単純な戦略をしなくても、スマイルはコストパフォーマンスに優れたモデルだといえる。
スマイルとキャンバスの装備面は、多少の差があるもののほぼ同等だ。しかし、差がついたのがパワーユニットである。スマイルは、マイルドハイブリッド機能を装備し燃費も良好だ。対するキャンバスは旧タイプのエンジンを使用しており、燃費も今となっては物足りない。
スマイルは2021年に登場した最新モデルなのに対し、キャンバスは2016年登場と設計が古い。静粛性や乗り心地など、走行性能面でもスマイルが大きく上回る。こうした差も含めれば、スマイルの価格はかなり戦略的で安価といえる。
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3.一定の値引きが期待できるN-BOX
N-BOXの評価 3.5
ワゴンRスマイルの評価 3.5
ホンダN-BOXは、2021年12月に改良を施し完成度を高めた。本来ならば、しばらく値引きはゼロベースになる。だが、2代目N-BOXそのものは2017年デビューで、モデル後期に入っている。
しかも、このクラスは各社力の入ったモデルが多い。新車販売台数ランキングナンバー1に君臨するN-BOXであっても、比較されると厳しい。こうなると、早々に値引き対応するしかない状態だ。
スズキ ワゴンRスマイルは、2021年12月に登場したばかりの新型車だ。ライバル車であるムーヴキャンバスよりもコストパフォーマンスに優れているので、基本的に値引きゼロだ。
ところが、ライバル車のキャンバスがすでにモデル末期で、いつフルモデルチェンジしてもおかしくない。つまり、キャンバスは大幅値引きが出やすいため「価格優先の顧客」は、キャンバスに流れることになる。スマイルの販売台数を伸ばしたいスズキとしては、キャンバスと比較された場合、値引き対応するしかないのだ。
N-BOX、スマイル両車に言えることだが、あくまでライバル車と比較されなければ値引きはゼロベースになる。
一定の値引きを引き出すには、必ずライバル車との競合が必要だ。N-BOXのライバル車には、日産ルークスやスズキ スペーシア、ダイハツ タントが挙げられる。スマイルのライバル車は、キャンバスだ。こうした直接的なライバル車の見積りを先に取ってから商談に臨むのがおすすめだ。あくまで、ライバル車が本命であるということを商談時に伝えるとよい。「支払価格が安価な方がよい」という姿勢で商談したい。
また、営業マンから「大幅値引きを出すので、今決めてください」言われても、即決するのは厳禁である。本当に大幅値引きなのか分からないからだ。商談期間を1ヶ月くらいみて、徐々に値引き額を引き上げていくとよい。営業マンから「いつ買ってくれるのか?」と焦りが感じられたらチャンスだ。「あと、もう少し値引きしてくれたら決める」などとして、更なる値引きアップを狙おう。
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