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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路」についての説明です。

ブリッジ回路

ブリッジ(橋渡し)している回路のこと。ブリッジの平衡条件は、ブリッジの対辺抵抗値の積が同じになること。つまり、R1R4=R2R3の時に平衡になる。

図1

ホイートストンブリッジ回路とは?

1つ前の記事で、ブリッジ回路が平衡になる条件は図1においてR1R4=R2R3の時だと述べました。
この関係を利用することで抵抗測定に用いる回路のことをホイートストンブリッジ回路と呼びます。
平衡状態にあるブリッジ回路のこと自体もホイートストンブリッジ回路と呼ぶようなので、ブリッジ回路を使用して抵抗測定をしていたらそれはホイートストンブリッジ回路だという認識で良いのだと思います。
イギリスの物理学者であるチャールズ・ホイートストンによって広められた回路です。

ホイートストンブリッジ回路の使い方

では、どのように抵抗測定を行うか説明に入ります。

と言っても原理は単純です。

抵抗値が正確にわかっている抵抗を2つ(図2のR1とR3)、可変抵抗を1つ(図2のR2)、抵抗値を求めたい未知の抵抗を1つ(図2のR4)用意し、これらの抵抗と検流計でホイートストンブリッジ回路を組みます
検流計とは、電流の大きさと向きを検知する計器のことです。
この回路に適当な電源を接続します。

図2

R1R4=R2R3の時にブリッジ回路が平衡になる、つまり検流計に電流が流れなくなるので、可変抵抗を弄っていれば検流計が0Aになるタイミングがあります
平衡する時の可変抵抗の値がわかれば、R1R4=R2R3の関係からR4を求めることが可能になりますよね?
以上のような手順がホイートストンブリッジ回路を用いた抵抗測定方法となります。

ホイートストンブリッジ回路の利点

ここまで読んでホイートストンブリッジ回路の使い方はわかったけど、わざわざホイートストンブリッジ回路を組まなくても抵抗の両端の電圧と流れる電流を測定してオームの法則を適用すれば良いのではないかと思った方はいませんか?
確かにその方法は馴染みがあるし簡単ではあるのですが、電源・電圧計・電流計の影響をもろに受けるので計算時に想像以上に誤差が発生します。
特に電源なんて使えば使うだけ出力低下していきますからね。
電源に依存してしまう測定方法だと正確さに難があるのです。

その点、ホイートストンブリッジ回路を用いる場合は検流計が0Aを指すという条件さえ満たせれば抵抗値以外に関与する値は存在しないので、正確な値を求めることが可能です。
ホイートストンブリッジ回路の利点はこの正確さにあります。
精度に信頼があるからか、ひずみゲージを使用するロードセルなどに使用されています。
ロードセルというとわかりづらいかもしれませんが、デジタル表示の体重計を想像してくれればOKです。

ひずみゲージについて詳しく知りたい場合は以下をご覧ください。

ロードセルに関しても順次まとめていきますので、記事一覧(ホーム)にしれっと更新されていくと思います。

メートルブリッジ回路

ホイートストンブリッジ回路は、抵抗値が正確にわかっている抵抗を2つ(図3左のR1とR3)、可変抵抗を1つ(図3左のR2)、抵抗値を求めたい未知の抵抗を1つ(図3左のR4)用意して抵抗測定をしていました。
これに対して、抵抗値が正確にわかっている抵抗を2つ(図3右のR1とR3)、抵抗値を求めたい未知の抵抗を1つ(図3右のR4)用意して抵抗測定を行うことが可能な回路も存在します。
可変抵抗無しでも工夫次第で抵抗測定ができるのです。
この回路のことをメートルブリッジ回路と呼びます。

図3

接続方法は図3を見てわかる通り、ホイートストンブリッジ回路ではR1とR2が繋がっていた場所に材質・太さが一様な抵抗(抵抗値が正確にわかっている抵抗の1つ)を接続するだけです
この状態で検流計を繋ぐ箇所を左右に移動させて平衡状態(0A)になるタイミングを探します。
平衡したらブリッジの対辺抵抗値の積が同じになる為、図3右においてR1の左部分×R4=R1の右部分×R3の関係からR4を求めることができます。

R1は材質・太さが一様なので、R=ρl/Sに則って抵抗の計算をすれば問題ないです。
この公式に見覚えが無い場合は、「導体の電気抵抗」で復習をしておくといいかもです。

メートルブリッジ回路は可変抵抗を使用しないと記述したので簡単になるかと思いました?
結局のところ似たようなことをする必要があるのです。
世の中そんな甘くできてないんだな。

以上、「ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路」についての説明でした。


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