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2月24日に突然始まった、ロシアによるウクライナ侵攻から2か月半が経つが、日本でも食料品や小童用品を中心に、欠品や価格高騰など様々な影響が出ている。

※画像はイメージです(recep-bg /iStock)

ロシアへの経済制裁の一環として、欧米各国がロシアの航空会社、さらにロシア人によって運航されるすべての航空機を対象に自国空域の使用を制限。その対抗措置として、ロシアがEUとアメリカ、カナダの36カ国に対して、原則として民間航空機によるロシア上空空域の飛行を制限した。

そのため、ヨーロッパと日本を結ぶ航空貨物便が激減。スーパーや寿司店からはノルウェー産生サーモンが消え、ロシア産の紅サケやタラコの仕入れ価格が暴騰している。さらに、日本は世界最大のチーズ輸入国だが、この10年ほどEUからの輸入量が特に増えている。財務省「貿易統計」によると、2017年には年間8万トン近くをEUから輸入していた。チーズも、ウクライナ情勢の悪化により、輸入が事実上ストップしている状態だ。

文具店主「ほとんど輸入商品が入ってきていません」

そんな中、意外とも思えるような製品にまで影響が及びだしている。ボールペン、特に海外高級ブランドのボールペンと替芯だ。地方都市で文具店を営む男性は「ウクライナ情勢の悪化で、ここ数か月、ほとんど輸入商品が入ってきていません」と話す。

risus /iStock

毎週、毎週、メーカーに発注をかけているが、一向に入荷しないという。新型コロナウイルスの影響もあるかと聞くと、否定した。

「去年までは、こんなことにはなっていません。本当にここ2か月から3か月の間で、まったく入ってこなくなってしまいました。メーカーに問い合わせると、メーカーにも入ってこなくて、原因はヨーロッパから輸入されないからだと言われました。高級ブランドのボールペンの大半はヨーロッパのものですからね」

高級ボールペンや万年筆は、入学祝いや就職祝いのプレゼントとしても定番だが、「そのシーズンに品ぞろえが悪くて、お客さんをガッカリさせてしまいました。こちらも書き入れ時に売り上げを逃してしまいました」と肩を落とす。

化粧品やペットフードも

このほか、ネット上では、お気に入りの化粧品やペットフードが欠品だったという嘆きも日に日に多くたっている印象だ。

都内で2匹のネコを飼う女性は、「いつも買っていたキャットフードがこのところ欠品で困っています。ペットショップに聞いたところ、ウクライナ情勢が影響していると言っていました。メーカーに注文をかけてもどうにもならないんだと、お店も困っていましたね」と話す。別の女性は、「気に入って使っていたフランスの化粧品ブランドが、どこに行っても売っていません」と嘆く。

ロシアによるウクライナ侵攻が早期に解決しない限り、「こんなものまで?」というものにまで影響が拡大していくかもしれない。