性能に死角なし、妥協の無いユーザーにピッタリなスマートフォン
良い点
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悪い点
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価格/評価
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Sペンに対応した美しいデザイン | メモリはS21 Ultraから減少 | 評価 10/10 |
優れたカメラ性能 | 電池持ちはiPhone 13 Pro Maxに劣る | 価格 $1,099.99~ |
世界最高レベルのディスプレイ | ||
素晴らしいパフォーマンス | ||
長時間バッテリー |
Samsung Galaxy S22 Ultraは、Galaxy Sシリーズの2022年最新モデルというだけではありません。それは、従来のGalaxy Noteシリーズとの一体化でもあります。多くの人、特にGalaxy Noteファンが心待ちにしていた今回のアップデートは、数十億ドルのチャンスを意味しています。
Samsungはその目標を達成しましたが、新しいGalaxy S22 Ultraはどんな仕上がりになっているのでしょうか?このAndroidスマートフォンの主な特徴を見ていきましょう。
参考までに、我々はSIMフリーモデルとAT&Tモデルの両方を用意しました。この2モデルで主に異なる点は、AT&Tモデルは同社のネットワークでのみ動作し、セキュリティやアンチスパム、カスタマーサポートのための固有アプリがプリインストールされています。
デザイン
Samsung Galaxy S22のデザインは、従来のGalaxy Noteのような長方形の外観になっており、それによって本体にSペンを格納出来るようになっています。本体は非常に剛性が高く、アルミニウムとガラス(前面と背面にCorning Gorilla Glass Victus+を使用)で作らています。この新しいガラスは、昨年のものよりも12.5%も強度が増しています。
背面カバーの表面は指紋が付きにくいようになっており、ケースを使わない場合でも”きれいな”見た目を維持することが出来ます。それと同時に、それほど滑りやすくはないので、保護ケース無しで使ってみたくなるデザインと言えます。
Samsungはケースのバリエーションも豊富ですが、今回は慎重に使うユーザーに優れた保護を提供する、Incipio Duoのケース(下の画像にある赤いケース)を試してみました。Thin Carbonケースも良い選択肢ですが、今回は見送りました。
本体の幅は、Mサイズの手袋をしている私にとっては手に収まるサイズで、iPhone 13 Max等のように”幅が広すぎる”大きなスマートフォンというわけではありません(手の大きさによって個人差があります)。薄型のケースまたはケース無しの状態であれば、ボトムスのポケットに入れるのが少し快適になるかもしれません
背面のカメラモジュールは、非常に良くまとまっています。多くのOEMがSamsungのGalaxy S21に搭載されているカメラモジュールを模倣していますが、Galaxy S22 Ultraは新しいデザインを採用し、突起の大部分が無くなりました。これは、工業デザインの賜物です。
このカメラデザインの唯一の欠点は、レンズの周りにゴミがたまる可能性があるということです。記事の後半で、カメラのハードウェアとパフォーマンスについて触れていきます。
Sペンを本体に収納出来るようになったのは、非常に素晴らしいことです。”内部のスペース”は、スマートフォンの世界で最も重要な要素です。特にスマートフォンは防水に対応しているため(IP68)、本体内部にそれほど大きなスペースを確保していることは驚異的で、競合となる可能性がある他社にとっての参入障壁は高くなります。
Samsungのユーザーインターフェース「One UI 4.0」には、UIを壁紙の色合いと上品に一致させる「Color palettes」等の機能も導入されています。多くの人は、素のAndroidのUIよりもSamsungのOne UIを好みますが、それは好みの問題です。
ディスプレイ
6.8インチの3200×1440 Dynamic AMOLED 2Xディスプレイは、1750ニットという委譲なピーク輝度や卓越した色精度等、非常に素晴らしい性能です。日中でもディスプレイの画質は素晴らしく、夜間には完璧な黒と正確な色を表現します。
「Samsungの有機EL技術を示す良い見本」
1〜120Hzの可変リフレッシュレートのおかげで、スクロール操作やゲームプレイは非常に滑らかですが、必要な時しかバッテリーに影響を与えません。これはおそらく、現在購入することの出来る最も優れたモバイルディスプレイで、Samsungの有機EL技術を示す良い見本となっています。
ディスプレイの下には、非常に高速でS21 Ultraによく似た超音波指紋リーダーが搭載されています。
音質
音質は素晴らしく、スマートフォンの中で最高クラスのものだと言えます。映画やポッドキャスト、音楽を楽しむのにピッタリです。キッチンのカウンターにスマートフォンを置いて、料理や片付けをしながら大音量で音楽等を流すのも良いでしょう。
Sペンの使用感
もちろん、ディスプレイはSペンに対応しており、ペンの操作性は非常に高くなっています。応答性も向上し、遅延は2.8ミリ/秒(以前は9ミリ/秒)となり、ペンの書き心地は正確に感じられます。通常は、スクリーンのガラスと検出面の間にある層の厚みを減らすことで、ペンの精度を上げています。
さらに重要なのは、Sペンの有用性を本当の意味で拡げてくれる多くのアプリに対応していることです。購入時の状態で、スクリーンショットや写真に書き込みが出来る機能や、ロック画面でもほぼ無限の大量のメモを即座にとることが出来る機能が使えるようになっています。
Galaxy Noteは数十億ドル規模の大ヒットシリーズでしたが、Galaxy NoteファンならGalaxy S22 Ultraに安心して乗り換えることが出来ると思います。Galaxy Tab S8やGalaxy Book2を試してみると、その優れたペン操作が体感出来るかもしれません。
これまでと同じように、Sペンのボタンでカメラのシャッターを切ったり、プレゼンテーションで次のページにスライドを送ったりすることも可能です。
カメラ性能
Samsung Galaxy S21 Ultraに搭載されているカメラのハードウェア構成は、特にメインカメラとウルトラワイドカメラに関して、S21 Ultraのものと非常に似通っています。
内部パーツの一部は変更されており、2つのズームカメラはSamsung S5K3J1に代わってSony IMX754センサーが採用されましたが、光学性能的に見てわかるような違いはありません。
Camera HWベンチマークでは、S21 UltraとS22 Ultraのカメラハードウェアには電気光学的にはわずかな違いしか示されていません。これは、撮影した写真や客観的な画質指標によって確認されています。また、S22 Ultraのレベルでも、夜間撮影やズーム撮影においてiPhone 13 Proよりも優れたカメラ性能を誇っていることがわかります。
iPhone 13 Proは、一部の暗い場所で未だに3秒間の自動露出が必要なのは残念な点です。競合のハイエンド機では、数年前から0.4秒かそれ以下で撮影が出来るようになっています。これは光学系とISOレンジが劣っている典型的な証拠です。
より主観的な観点から見ると、撮影された画像の好感度を多少上げるためにSamsungは画像のフィルタリングを多少変更しています。”改善”または少なくとも”違い”を示すために、度々OEMメーカーはシャープネスや彩度、夜間撮影時の光量等をソフトウェア上で強めます。これらの変更は本来の”画質”ではなく、主に写真の”スタイル”に影響を与えます。
この戦略によって、ほぼ同じ世代ののカメラハードウェアを備えるGalaxy S22 UltraとiPhone 13 Proのカメラで、いくつか視覚的違いを示すことが出来ます。これは、元々良かったものに良さを追加するようなことなので、今回の変更は多くの人にとって歓迎されるものになっていると思います。また、セルフィーカメラで”自然”と”明るめ”という2種類の画像調整から、設定を選択することが出来るのも評価出来ます。
画像の調整は、ソフトウェアでの拡大で全て処理される、デジタルズーム30倍と100倍の時に最も顕著に現れます。Samsungは、アップサンプリングアルゴリズムを調整し、エッジの一部を際立たせており、ユーザーは多くの写真で違いを見て取ることが出来ます。
とはいえ、インカメラで撮影された写真は、細部や質感でS21 Ultraに匹敵しています。
SamsungのAI Stereo Depthマッピングによって、ユーザーはポートレートモードで、より少ない輪郭エラーで、より正確な”ボケ”を表現することが出来るようになります。これは、カメラの撮影品質抜きに、ソフトウェアでの進歩が続いている領域です。
一部の変更は、高品質な動画フォーマット「HDE 10+」や安定性の向上といった、2022年のSnapdragonプラットフォームによる演算処理機能の向上に由来しています。動画撮影は画像処理速度の向上に大きく影響されており、従来は静止画にしか適用されなかった一部の処理が、今では動画にも利用されるようになっています。
「このカメラで撮影していれば間違いない」
Samsungはカメラソフトウェアに多大な労力を費やしてきており、全ての機能、特にシングルテイク機能は確認する価値があると思います。プロモードでの音声録音、マニュアルモード、被写体追跡のような機能は、上級ユーザーにとって最も興味深いものになっているでしょう。
Galaxy S22 Ultraのカメラは、Samsungのヘビーユーザーが慣れ親しんできた撮影体験を完璧にし、より充実して優れた性能を提供します。つまり、このカメラを使っていれば、どんな状況でも撮影に失敗することはありません。
システムパフォーマンス
今回レビューに使用しているGalaxy S22 Ultraは、Qualcommの最新チップセット「Snapdragon 8 Gen 1」が搭載されており、これについては多くの説明やベンチマークを行っています。実際の性能は、ピーク時の優れたグラフィック性能と合わせて、我々の期待通りとなっています。
もちろん、長時間のゲームプレイでは、より大きな冷却システムを備えた”ゲーミングデバイス”のほうが、より”持続的な性能”を発揮する可能性はあります。とはいえ、Samsungの冷却システムは、こういった薄型のスマートフォンの中では最高クラスです。
また、RAMは8GBと16GBから選択出来ます。どれほどのメモリが必要かは使い方によりますが、S21 Ultraが12GBを内蔵していたことを考えると8GBは少し残念です。ただ、ほとんどの人は8GBのRAMで十分事足りるでしょう。もし、多くのアプリがインストールされており、それをバックグラウンドで起動しておく可能性があるなら、16GBモデルの方が良いかもしれません。
WiFi 6Eと5G接続のどちらも素晴らしい性能を発揮しており、Netgear AX12というルーターと1Gbpsのインターネットという組み合わせで実施したテストでは、413〜612Mbpsというピーク速度を測定しました。使用している通信キャリアによりますが、5G接続では実際に150〜200Mbpsという素晴らしい速度が出そうです。ミリ波の5G(主にVerizon)を使えばさらに高速になるかもしれませんが、カバー範囲はそれほど広くありません。
バッテリー寿命
バッテリー容量が5000mAhのSamsung Galaxy S22 Ultraは、大型でハイエンドなAndroidスマートフォンの中でも非常にバランスが良い製品です。S21 Ultraに匹敵するバッテリー寿命で、Google Pixel 6 ProやXiaomi 12 Proを簡単には寄せ付けません。
様々なバッテリーテストでは、ブラウジングや動画ストリーミング、ゲーム等を組み合わせて8〜9時間という結果が出ていますが、その数値は正しいと言えます。ほとんどの人は、バッテリー切れを心配すること無く、1日持ち運ぶことが出来ると思います。
Galaxy S22 Ultraは、最高で45Wの急速充電に対応しています(有線接続の場合)が、充電アダプタは付属していない点には注意が必要です。別売りのアクセサリが販売される予定ですが、USB PD規格に対応した純正以外のアダプタを使うことも可能です。レノボの最新ラップトップに付属している小型の45/65W充電器も、ピッタリかもしれません。
結論
Samsung Galaxy S22 Ultraは、大人気だったGalaxy Noteシリーズの遺産を引き継いでいます。Galaxy Note 20 Ultraを持っている人なら、買い替えても良いかもしれません。フォームファクターを含めて、Galaxy Noteシリーズで気に入っていた全てが詰まっており、Samsung史上最高のカメラにアップデートされ、現在最も高性能なチップセットとワイヤレス技術を備えています。
「全てにおいて素晴らしい性能」
Galaxy S21 Ultraを持っている人は、ゲームや動画撮影を改善するために高速なチップセットが欲しい場合やSペンの操作性を求めている場合を除いて、ほとんどが今回は買い換えを思い留まるかもしれません。改良点の多くは段階的なもので、Samsungの昨年のベストモデルを既に持っているなら、来年のアップグレードを待つのも良いでしょう。
Galaxy S22 Ultraは、バランスの取れた素晴らしいハイエンドスマートフォンで、多くの人が既に2022年のベストAndoid(米国内)だと話しています。それは事実かもしれませんが、結論に達するには時期尚早です。この価格帯の多くの競合製品は、追加で何らかの強みを持っている場合がありますが、Galaxy S22 Ultraはあらゆる点で素晴らしい性能を発揮しており、妥協の無いユーザーにとっては大きなポイントになるかもしれません。
特にSamsungは4年間のOSアップデートを保証しているので、予算に余裕があれば、この端末は非常にオススメです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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