記録的なレベルに達したバックオーダー
ベントレーは、2021年の通年決算では営業利益が3億8900万ユーロとなり、それまでの過去最高だった2014年の1億7000万ユーロの2倍以上という飛躍的な伸びを記録した。2022年第1四半期も好調を続けており、収益は8億1300万ユーロ、売上高利益率は21%と、共に過去最高となっている。
依然として続く世界的な半導体不足やロシアのウクライナ侵攻など、世界各地の様々な事象により総販売台数は若干落ち込んだものの、ニューモデルが着実にカスタマーの興味を惹き、バックオーダーは記録的なレベルに達している。
第1四半期の業績は、未来を見据えてベントレーが掲げる「ビヨンド100」戦略を後押しするものとなる。ベントレーはこの戦略を通し、2030年までに全ラインナップを電動化し、カーボンニュートラルを達成する計画を持つ。「ビヨンド100」戦略の実現に向け、10年間で30億ユーロをクルーのピムズレーン工場に投資するという、ベントレー史上最大規模の変革も進行中だ。
ベントレーモーターズのファイナンス&IT担当役員であるヤン・ヘンリック・ラフレンツは次のようにコメントした。
「世界経済の先行き不透明感が第1四半期の販売台数に若干の影響を及ぼしましたが、収益と営業利益が増加し、低コストを維持できていることは、当社の適応能力の高さの証明だと考えます。こうした健全な財務体質によって厳しい状況を耐え抜くことができますし、『ビヨンド100』戦略の達成と持続可能なラグジュアリーモビリティの実現に向けた足固めができます」
欧州で人気の「マリナー」と「スピード」
2022年第1四半期は、派生モデルの「マリナー」と「スピード」の人気が特に高く、1台あたりの収益が18万4000ユーロから21万2000ユーロに増加。この傾向が顕著だった欧州では販売台数が35%もアップした。世界的にはコンチネンタルGTの販売台数が全体で10%増加し、特にアジア太平洋地域と母国英国での販売増につながっている。
この好調な業績を受けて、ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは次のようにコメントした。
「世界的に厳しい状況ではありますが、2021年に引き続き、2022年も好調なスタートを切ることができました。フレッシュでエキサイティングなニューモデルの投入と、パーソナライゼーションプログラムの需要拡大、そして新型ハイブリッドモデルの販売増が大幅な増収に寄与しました。加えてビジネスモデルを再構築したことが業界屈指の売上高利益率と投資利益率の達成につながりました」
「好調な業績はベントレーのブランド力の強さと、先進的な『ビヨンド100』戦略が順調に進んでいることの証であり、今後の変革期を乗り越えていくための確かな拠り所でもあります」