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プロ野球・千葉ロッテの佐々木朗希投手が10日、ZOZOマリンスタジアム(千葉市)で行われたオリックス戦で完全試合を達成した。プロ野球では1994年の巨人・槙原寛己投手以来で、パ・リーグでは1978年の阪急・今井雄太郎投手が達成して以来だ。

佐々木投手はこの日、13者連続奪三振の新記録をマーク。27人の打者から19三振を奪ったのは1試合の記録としてプロ野球最多タイ。記録づくめの大快挙となった。

佐々木朗希投手の快挙を伝えるロッテ球団公式サイト

試合中に連続奪三振の新記録が出た頃から各メディアがネットで速報。スポーツ紙のネットニュースは打者一人ごとの対戦結果をライブで更新し、日刊スポーツは奪三振などのハイライトシーンの撮影画像をいち早く盛り込んで伝えた。

11日発売のスポーツ各紙の一面は、阪神で基本が決まっているデイリースポーツなど一部を除くと大半はこの日の快挙を伝えるとみられる。週明けのビジネスパーソンが駅売りやコンビニの新聞スタンドで目にするのは、「佐々木」の三文字と佐々木投手の躍動する写真が大写しされた紙面になるはずだ。

同時に新聞スタンドがいつもより寂しいことにも気づくはずだ。このネット時代に、若い世代で、一般紙を紙面で定期購読している奇特な人は年々減るばかりだが、明朝の新聞受けには一般紙は入らない。11日は新聞休刊日なのだ。

11日の駅売りスタンドはスポーツ紙だけに…(Godsend /iStock)

佐々木投手の完全試合は、一般紙でも一面に写真付きでさわりだけでも掲載されるレベルの大快挙。ウクライナ紛争の凄惨なニュースが連日一面に掲載され続けてきた中で、久々のすがすがしい話題だが、夕刊でようやく報じられるのだろう。

新聞休刊日は、工場のメンテナンス作業や販売店の休養に充てるために月1回のペースで設けられ、年始からスケジューリングされている。佐々木投手の完全試合は事前に予測不能な話だが、2013年9月に東京オリンピックの招致が決まった時は直後が休刊日で物議を醸した。一般紙各社は歴史的ニュースを紙面で直ちには報道できなかった。オリンピックの開催地が決まるIOC総会の日程が事前に決まっていることを考えれば、休刊日を変更することはできたとも考えられ、当時は新聞業界内でも疑問の声は出ていた。

いまやスポーツニュースの結果速報は、ネットが圧倒的に早い。プロ野球はネットサービスで一球速報のように球種などのデータとともにファンはリアルタイムに試合内容を把握できる。それだけに時間軸とは異なるところで勝負するところが一層求められる。舞台裏はどうだったのか、定量的なデータだけでは窺いしれない、ヒューマンストーリーなど定性面で唸るサイド記事に期待したい。