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小園は逃げなかった。2―0の八回、西川と坂倉に対し、左腕岩貞のすっぽ抜けた球が死球となり、無死満塁に。その衝突音を近くで聞いていたこの回3人目の左打者は、内角直球に思い切って踏み込んでいき、右前適時打。この絶好機で腰を引くほど、やわな男ではなかった。