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ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー

 昨年12月、ホンダのシャトルが2022年内に国内生産と販売を打ち切るとの報道がなされた。シャトルは優れた実用性とスタイリッシュなデザインを特長とする、今となっては貴重な5ナンバーサイズのコンパクトステーションワゴン。

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した2021年1~12月の乗用車ブランド通称名別順位でも1万3636台の39位と絶滅の危機に瀕するステーションワゴンとしては健闘を見せていただけに、生産終了の一報に寂しさを覚えた人もいるだろう。

 だからといって、嘆いてばかりもいられない。シャトルなき後、どんなクルマだったらその穴を埋められるのだろうか? ここでは、シャトルに負けず劣らずの頼もしいユーティリティープレイヤーたちを紹介したい。

文/FK、写真/スバル、トヨタ、ホンダ、三菱

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フリードは日々の暮らしにもちょうどいい貴重な5ナンバーミニバン

ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー
2019年10月にマイナーチェンジしたFREEDとFREED+。先進の安全運転支援システム、Honda SENSINGを全タイプに標準装備、後方誤発進抑制機能をも追加されるなど、安全性がアップ。ベースグレードのBなら199万7600円というリーズナブルさも推し!

 ステーションワゴンではないものの、シャトルの後釜として最右翼になりそうな一台が2016年9月に発売された5ナンバーサイズのコンパクトミニバンとして人気を集める2代目のフリードだろう。“いつでも”、“どこでも”、“だれでも”用途に応じて思いどおりに使えるコンパクトミニバンとして開発されたフリード。

 1~3列目の全列で大人が快適に過ごすことができる広々したスペースを実現していることはもとより、6人乗り・7人乗りともに1列目・2列目フラットモードや2列目・3列目フラットモードといった多彩なシートアレンジを採用することで、オーナーの日々の暮らしをしっかりとサポート。

 スライドドアの開口幅は665mmと広く、ステップ高も390mmと低く抑えることで乗降性の向上も図られている。また、開口部高さ1255mm×開口部最大幅1080mm×開口部地上高335mmの大開口テールゲートも荷物の積み下ろしが楽に行える荷室を実現。

 室内の収納もユーザビリティを徹底重視した設計がなされていて、乗る人それぞれが手の届きやすい場所に各種ポケット、トレー、ドリンクホルダーなどを配置。そんな使い勝手の良さが好評を博し、2021年6月末にはシリーズ累計販売台数が100万台を突破している。

豊富なグレード展開が“選ぶ楽しみ”も提供するシエンタ

ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー
2018年9月に実施されたマイナーチェンジでは、フロントグリルなどの意匠変更のほか、「FUNBASE X」、「FUNBASE G」が新設定された。FUNBASE Xは177万6600~2187万円、FUNBASE Gは198万720円~234万360円。遊べるミニバンとしては格安だ

 シャトルと同じ5ナンバーサイズボディの2代目シエンタもまた、シャトルの穴を埋める一台になりえる存在ではないだろうか? 

 低床フラットフロアによるコンパクトな高効率パッケージながら3列目までゆとりある室内空間を実現したシエンタは、7人乗り&両側スライドドアを採用したミニバンとして幅広い世代から支持を集めている。乗降性の良さも特長のひとつで、スライドドアは330mmという低い乗り込み高さに設定するとともに、665mmの広いドア開口部も実現。

 また、スイッチを押せば簡単に自動開閉できるワンタッチスイッチ付パワースライドドアもシエンタのストロングポイント。買い物で手荷物が多い場合などでも、スマートキーを携帯していればスイッチひとつで解錠と&ドアオープン可能なのは便利以外の何物でもない。

 2018年9月のマイナーチェンジでは、新たな5人乗り2列シート車としてFUNBASE XとFUNBASE Gも展開。2列目シートを倒すことでフラットかつ最大荷室長2065mmの大容量ラゲージを実現でき、多彩なアクティビティ用途に対応する9個のユーティリティホールをデッキサイド両側に設けるなどアウトドアや車中泊での使用を視野に入れた、時流を捉えたイマドキ仕様のラインナップも心憎いばかりだ。

強豪ひしめく国内SUVシーンでやや存在感が薄いRVRこそ逆に狙い目!?

ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー
全長4365mm、全幅1810mm、全高1640mm(4WD、2WD・XTHX、BLACK Edition)という使い勝手の良いボディサイズもRVRの特長のひとつ

 2010年2月にデビューした3代目のRVR。群雄割拠の様相を呈する国内SUVシーンにあってライバルと比べてもリーズナブルな214万3900円~274万4500円の車両本体価格を設定するRVRは、シャトルの180万8400円~277万2000円と差額も少なく、十分に選択肢のひとつとして検討に値する一台と言える。

 見晴らしの良いアイポイントによる運転のしやすさと軽量コンパクトなボディがもたらす取り回しの良さが持ち味のRVR。SUVならではの幅広い用途に対応するスペースユーティリティは申し分なく、ゴルフバッグやキャンプ道具が余裕で積載できる419リッターの大容量を誇るラゲージスペースを実現。

 また、同スペースには濡れた物や汚れた物でも気兼ねなく収納可能な床下収納スペースのほか、荷物の固定に便利なコンビニフックやフロアフックなど使い勝手の良さも見逃せないポイントとなっている。

 2010年2月の発売以降も一部改良やマイナーチェンジを重ねて熟成を進めてきたRVRは、2019年8月にフロントとリアのデザインを一新するビッグマイナーチェンジを実施。

 特に、フロント回りはプロテクト形状のバンパーとスクエアなラインで構成したフロントグリルで力強さと堅牢さを表現した現在のスタイルに大きく変貌を遂げている。

走りヨシ、見た目ヨシ、使い勝手ヨシ! 三拍子揃ったカローラ ツーリング

ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー
低重心でスポーティなスタイリングが魅力のカローラツーリング。選択肢が激減しているステーションワゴンだけに頑張ってほしい一台だ。ハイブリッドでも248万500円~299万7500円という価格レンジも嬉しいポイント

 シャトルと同じ5ナンバーサイズのステーションワゴンという意味においてはカローラ フィールダーが後釜に最適な一台なのかもしれないが、ここではTNGAプラットフォームの採用でデザインも走りも大きく生まれ変わったカローラ ツーリングをあえてプッシュしたい。

 国内専用の設計が行われたことで低重心でスポーティなスタイリングに走る楽しさ、さらには取り回しの良さを両立したカローラ ツーリングは2019年9月に販売を開始。走る楽しさを強化するべく、パワートレーンには1.8リッターハイブリッド車(+電気式無段変速機)、1.8リッターガソリン車(+7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付Super CVT-i)、1.8リッターガソリン直噴ターボ車(+6MT)という3タイプを設定。

 フロントにマクファーソンストラット式を、リアにダブルウィッシュボーン式を採用したサスペンションも旋回時の安心感・安定性に貢献するとともに、路面をつかむような安定した走りを実現している。

 大人5人が座ってもゴルフバッグが4つ入るラゲージスペースは通常392リッターの容量だが、リアシートを倒すことで最大802リッターの容量も確保。より多くの荷物を載せる際に便利な、荷室床面の高さを2段階に調節できるリバーシブルデッキボードも設定されていて至れり尽くせり!

先進技術搭載で一歩先を行くフォレスターでアウトドアライフまっしぐら!?

ステーションワゴンがまたひとつ消滅…じぁ、シャトルがないならこれでイケ! 穴を埋めるユーティリティープレイヤー
2021年8月には、フロントフェイスの変更、新デザインのアルミホイールの採用、ボディカラーの追加、全グレードで足回りの改良を行うなど、大胆な改良が施された。価格は293万7000円~333万円

 アウトドアを趣味とするアクティブな人は、少々値が張るものの充実装備が魅力のフォレスターという選択肢もあり。取り回しの良さと室内の広さを両立したパッケージングや、SUVのたくましさと機能的で使いやすさを感じさせるデザインを採用した第5世代のフォレスター。

 幅広い開口部を実現したカーゴルームは大きな荷物を傾けることなく積み降ろしができる509リッターの大容量を確保しただけでなく、ベンチ代わりに大人2人が並んで座ることもできる優れモノ。カーゴルームの床下にはカーゴフロアマルチボックスが装備されていて、かさばる小物や汚れた荷物などもすっきりと収納することができる。

 また、数々の先進技術が惜しみなく投入されていることもフォレスターならでは。ステレオカメラの広角化やソフトウェアの改良により幅広いシーンで安全運転をサポートする新世代アイサイト、カメラで撮影した画像からドライバーの状態を認識して各種警報や空調コントロールを行うジェスチャーコントロール、ダイレクトな変速感覚が味わえるe-アクティブシフトコントロール、路面状況に応じたモード選択で4輪の駆動力やブレーキなどを適切に制御するX-MODEはその一例で、安全性・機能性・信頼性に秀でた一台とも言えるだろう。

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