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IntelではNVIDIAとAMDが台頭しているディスクリートGPU市場に参入するべく、Arc Alchemsitと呼ばれるグラフィックカードを2022年中に投入を予定しており、最近のリークでは6月中に発売がされると見られていましたが、どうやらドライバー開発が予想以上に遅延しているようで、更に発売が遅れる可能性が出ているようです。

発売延期続きなIntel Arc Alchemist

Intel ARC Graphics Ready For Showtime: A750, A580 and A380 GPU Sales Embargo, MSRP and Positioning (wccftech.com)

IntelではNVIDIAやAMDに対抗するために、Arc Alchemistと呼ばれるディスクリートグラフィックスカードの開発を進めている事を発表しており、CES2022の段階では2022年Q1(3月まで)に発売する事をアピールしていましたが、製造元であるTSMCのキャパシティーやドライバーの調整などに時間を要しているためか、2022年4月中にはデスクトップ向けのArc Alchemistについては情報が出ていませんでした。

しかし、続報として5月初旬にwccftechがArc Alchemistのデスクトップ向けアッパーミドルレンジとエントリーモデルのGPUが6月から7月にかけて発売がされるというリーク情報を入手していましたが、どうやらこの6月から7月と言う発売時期について様々な問題により更に遅延する可能性があるようです。

なお、Arc Alchemistについては2021年5月時点では2022年Q1中に発売がされると言われていましたが、2022年1月初旬にはQ1が終わる2022年3月までに、2022年2月には4月以降発売予定と言うように発売時期が遅延続きになっています。

ドライバーの開発が遅延中。発売が8月末頃まで伸びる可能性

ドイツのIgor’s LABが持つ独自ソースから得た情報によるとIntelではArc Alchemistについてハードウェア面では既に完成している状態にあり、動作クロックやグラフィックスカードのファームウェアについては変更が加えられる可能性はほぼない状態にあるとのことです。

一方で、Arc Alchemistに関連するドライバーやソフトウェア関連については最適化が思うように進んでおらず、Arc Alchemist発売が遅れる原因になっているとのことです。

このドライバー関連についてはIntelでは試作段階のドライバーをテスターに対して配布をしているものの、情報管理について神経を尖らしており、オンライン接続が可能な機器での利用が禁止されているとのことです。また、テスターに対してドライバーの完成状況については一切共有されておらず、最終的にArc Alchemistがどの程度の性能になるのかが一切わからないようにしているとのことです。

この厳格な情報管理については、Intel側はArc Alchemistの性能についてまだドライバーが完成していない事から、安定性や性能面に問題があるものの、それらの情報が発売前にネガティブ評価として出る事を避けているようです。

5月10日開催のVISIONイベントで新情報が出現するか?

Intel® Vision

IntelではVISION 2022と言うイベントを現地時間の2022年5月10日に開催予定としていますが、このイベントでは投資家やプレス、インフルエンサーなど様々な人が参加可能なイベントとなっており、Intelはこのイベントで新技術のデモや新商品の発表などを予定しているとの事です。

このイベントで一体どのような発表があるのか詳細までは公開されていませんが、Intelでは恐らくこのイベントでArc Alchemistについて何かしらの発表を行うものと見られています。

 

Intelとしては、Arc Alchemistの発売時期を当初は2022年初旬、つまりNVIDIAやAMDの現行世代製品がリリースされてから約1年そして、次世代製品発売まで1年近くある狭間を狙っていたと見られますが、NVIDIAやAMDの次世代製品と発売時期がほとんど同じとなると、多くの消費者が買い控えをしたり、世代的にも性能的にも上となるNVIDIAやAMDの次世代製品に消費者が流れてしまう事から、Intel初のディスクリートGPUは失敗に終わってしまう可能性が高いと考えられます。

特にArc AlchemistについてはIntel初のディスクリートGPUという事で、最上位モデルでもRTX 3070程度の性能になると見られており、パフォーマンス面でNVIDIAやAMDを圧倒するという存在とはならない予定で、それらをカバーするために、Intelでは供給量や価格面でNVIDIAやAMDのグラフィックスカードに対して優位性をアピールしたり、価格面では競合するNVIDIA製品の販売価格より50~100ドル程度安価なメーカー希望小売価格を設定するなどしています。しかし、8月末発売となれば供給量も価格優位性も旧世代品として見られてしまうため、あまり発揮できなくなってしまいます。

もし、本当にここまで遅れてしまうと株主からの非難も免れない気がしますね・・・

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