AMDは来年、CPUとGPUコアの両方を大幅にアップグレードした全く新しいRyzen 7000「Phoenix」APUをリリースする予定です。このAPUは、薄型軽量設計のノートブック・セグメントに搭載されますが、アップグレードされたRDNA 3 GPUコアのおかげで、目を見張るようなグラフィックス性能を提供します。
AMD Ryzen 7000「Phoenix」APUは、RDNA 3コアをベースにした最速の統合グラフィックスを搭載し、最大でNVIDIA RTX 3060Mのパフォーマンスを発揮する。
Greymon55氏の最新のツイートから、Ryzen 7000「Phoenix」に搭載される統合GPUは、ノートPCやモビリティプラットフォームのゲームチェンジャーとなるようだ。
最近、我々は次世代APUに搭載されるRDNA 3がエントリーレベルのディスクリートグラフィックスセグメントに挑戦できると話してきましたが、日を追うごとにその通りになっているようです。
このツイートでは、AMDのRyzen 7000 APUのラインナップであるPhoenixが、NVIDIA GeForce RTX 3060Mと同等のグラフィックス性能を備えている可能性をリーク者は述べている。
Phoenix GPU≈3060m 60W
— Greymon55 (@greymon55) May 8, 2022
NVIDIA GeForce RTX 3060MのディスクリートGPUの性能をAPUに搭載することは、かなりの性能の飛躍となる。
特に、現在のAPUがGTX 1650に近いグラフィックス性能であることを考えると、なおさらだ。ここで指摘しておきたいのは、ここで引用したGeForce RTX 3060Mは最速版ではなく、自由に使える電力がわずか60ワットという電力制約のある「Max-Q」モデルであるということだ。
これでもAMD Ryzen 7000「Phoenix」APUは、CPUコアとGPUコアの間で電力を共有しなければならず、そのすべてを35~45Wのパッケージ内で、あるいはディスクリートGPUよりも最大25W低い電力で実現することになる。
Max-Qは、さらに20WをDynamic boosting機能に割り当てているので、合計で45Wの差となり、モビリティプラットフォームを考えた場合、かなり大きな差となります。
RDNA 3搭載のAMD Ryzen 7000「Phoenix」APUにどのようなスペックを期待するかですが、以前の噂では最大24個のCompute Unitsを示唆していましたが、最近のRDNA 3 IPの設計変更の報告によると、CU数は既存のAPUと変わらないかもしれませんが、WGPあたりのシェーダー数が2倍、合計6WGPあるので、APUはWGPあたり256ストリームプロセッサ、合計1536コアを達成することができるそうです。
これは、以前から予想されていたコア数と全く同じで、向きが大きく変わっただけです。
しかし、以前のスペックと同様、これらはまだ確定したものではありません。
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そのため、性能面では、APU内にNVIDIA RTX 3060相当のGPUを搭載すれば、エントリーレベルや薄型軽量ゲームプラットフォームで威力を発揮することになる。
既存のRDNA 2ベースのAPUと同じクロック(2.4GHz)でも、Xbox Series Sコンソールのほぼ2倍のTFLOPsが得られ、35~45Wのチップとしてはかなり正気の沙汰とは思えません。
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AMD Ryzen 7000 Phoenix APUのラインナップは、Zen 4コアとRDNA 3コアの両方を利用することになる。
新Phoenix APUは、LPDDR5とPCIe 5をサポートし、35Wから45WまでのSKUで提供される予定だ。
また、このラインナップは2023年に発売される予定で、最も可能性が高いのはCES 2023での発表となる。
同じAPUをデスクトップに搭載すれば、さらに高いパフォーマンスが得られるので、AMDのAPUの取り組み、より正確にはiGPUの開発にとって、将来は非常に良い製品になりそうです。
AMD Ryzen Hシリーズ モバイルCPU:
CPUファミリ ネーム |
AMD Dragon Range Hシリーズ |
AMD Phoenix Hシリーズ |
AMD Rembrandt Hシリーズ |
AMD Cezanne Hシリーズ |
AMD Renoir Hシリーズ |
AMD Picasso Hシリーズ |
AMD Raven Ridge Hシリーズ |
ファミリブランド | AMD Ryzen 7000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 7000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 6000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 5000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 4000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 3000 (Hシリーズ) |
AMD Ryzen 2000 (Hシリーズ) |
製造プロセス | 5nm | 5nm | 6nm | 7nm | 7nm | 12nm | 14nm |
CPU Core アーキテクチャー |
Zen 4 | Zen 4 | Zen 3+ | Zen 3 | Zen 2 | Zen + | Zen 1 |
CPU コア数/ スレッド数(最大) |
16/32? | 8/16? | 8/16 | 8/16 | 8/16 | 4/8 | 4/8 |
L2 キャッシュ (最大) | 4 MB | 4 MB | 4 MB | 4 MB | 4 MB | 2 MB | 2 MB |
L3キャッシュ (最大) | 32 MB | 16 MB | 16 MB | 16 MB | 8 MB | 4 MB | 4 MB |
最大CPU クロック |
未確認 | 未確認 | 未確認 | 4.80 GHz (Ryzen 9 5980HX) |
4.3 GHz (Ryzen 9 4900HS) |
4.0 GHz (Ryzen 7 3750H) |
3.8 GHz (Ryzen 7 2800H) |
GPU Core アーキテクチャー |
RDNA 2 6nm iGPU | RDNA 2 6nm iGPU | RDNA 2 6nm iGPU | Vega Enhanced 7nm | Vega Enhanced 7nm | Vega 14nm | Vega 14nm |
最大GPU コア数 |
未確認 | 未確認 | 未確認 | 8 CU (512 cores) |
8 CU (512 cores) |
10 CU (640 Cores) |
11 CU (704 cores) |
最大GPU クロック |
未確認 | 未確認 | 未確認 | 2100 MHz | 1750 MHz | 1400 MHz | 1300 MHz |
TDP (cTDP Down/Up) |
35W-45W (65W cTDP) |
35W-45W (65W cTDP) |
35W-45W (65W cTDP) |
35W -54W (54W cTDP) |
35W-45W (65W cTDP) |
12-35W (35W cTDP) |
35W-45W (65W cTDP) |
発売時期 | 2023Q1? | 2023Q1? | 2022Q1 | 2021Q1 | 2020Q2 | 2019Q1 | 2018Q4 |
解説:
Phoenix続報
AMDのZen4世代のAPUであるPhoenixの続報が入ってきました。
それによると、nVidiaのGeforce RTX3060M(Max-Q,60W)と同等の性能になると言われています。
ここで元記事中に出ているGeforce RTX3060M(Max-Q,60W)の性能を比較してみましょう
噂版Phoenix(RTX3060 Max-Q相当)の性能比較
解像度 | API | RTX3060 (Max-Q,60W) |
RTX3060 デスクトップ |
Radeon680M (Rembrandt) |
Vega8 (Cezanne) |
|
TimeSpy | 1440P | DX12 | 8,338 | 8,833 | 2,732 | 1,426 |
FireStrike Extreme |
1440P | DX11 | 10,019 | 10,252 | – | 1,887 |
比較はTimeSpyとFireStrikeExtreme(いずれも1440P)のグラフィックスコアの平均値で比較した。
※ただし、Rembrandtはサンプル値が少ないためRyzen 9 6900HSの結果を採用している。
知っての通り、3DMarkのグラフィックスコアはCPUが違ってもなるべく値にブレが出ないようになっている。
しかし、ノートPCの単体GPUはCPUとのTDPの兼ね合い、筐体設計などによって必ずしもスペックと同等の性能になるとは限らないし、同じ型番のGPUを採用していても筐体の排熱性能に結果が左右されることがあるので注意だ。
上を見ると、Max-Qはほぼデスクトップ版と同程度の性能があると考えてよいだろう。
RDNA2の鳴り物入りのRadeon680Mも単体のGPUと比較すると大きな差があるという結果になった。
ただし、ノートPCのGPUはほぼFullHDで使うことを想定されているので、Radeon680Mは実用上問題のない数字だと言えるだろう。
3DMarkの各テストは高解像度になると、低スペックのGPUではある境界線を境にガクンと性能が落ちる傾向があるのでその点を注意してみてもらった方がいいだろう。
さて、RDNA3のPhoenixはRTX3060モバイルと同等の性能があるのではないかと言われているが、上の結果を見るとちょっと懐疑的にならざるを得ない。
ここまで本当に性能が上がれば大したものだと思う。
CezanneとRembrandtで比較的Radeonが苦手なDX12のTimeSpyのスコアが2倍程度になっているのでそれを考えるとPhoenixはRembrandtの2倍のスコアになってもおかしくないと思うが、3倍以上と言うのはちょっと難しいのではないかと思う。
本当にそこまで性能が向上すれば、もうミドルレンジのGPUは要らないということにもなるし、VRもPhoenixがあれば単体GPUは必要ないということになってしまう。
ここまで性能が出せるということになれば、当然、相当な量のインフィニティキャッシュを搭載するということになろうかと思う。
PhoenixはWGP当たりのSP数が倍になり1536SPになるという記述もある。
本当にRembrandt比3倍の性能が出せるのかどうか不明だが、もしこの話が本当なら、単体GPUはもう必要ないのではないかとも思えてくる。
正直半信半疑だが、この性能がAPUで実現した場合、もはや革命と言っても差し支えないレベルだと思う。
最近のPCの出荷のほとんどはノートPCなので、これだけの性能が本当に内蔵GPUで出せるなら、nVidiaがいくら頑張っても数では絶対にAMDに勝てないということにもなると思う。
Ryzen 5000シリーズ
Ryzen 5000GシリーズAPU(GPU内蔵・並行輸入品)
Ryzen PRO 4000Gシリーズ(GPU付きZen2コアAPU・並行輸入品)
旧シリーズの安価なモデル
Ryzen 5
Ryzen3
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