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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「重ね合わせの理」についての説明です。

重ね合わせの理

2つ以上の起電力を含む回路の電流を、各起電力がそれぞれ単独にあるものと考えて別々に電流を求め、重ね合わせたものに等しくなる。

重ね合わせの理

実例を用いて説明していきます。

図1のように起電力が2つ含まれる電気回路があります。
この回路の電流Iを重ね合わせの理を用いて求めます。
起電力30[V]だからそのまま求めればいいとか考えないでくださいね?

まず、起電力が単独に存在する回路に分割します。

図1

分割した回路ごとの電流I1及びI2を算出して重ね合わせたものが回路分割前の電流Iに等しくなりますので、I=I1+I2=2+4=6[A]と求めることができます。
このように、2つ以上の起電力を含む回路は重ね合わせの理を用いると理解しやすくなります。

仮に10V電源が反対方向に接続されていた場合、電流の流れる方向が異なることに注意です。
この場合、電流Iを正方向とすると、I=I1+I2=-2+4=2[A]となります。

ちなみに、「キルヒホッフの法則」「テブナンの定理」「ミルマンの定理」でも算出可能なので、併せて理解しておくと便利です。

以上、「重ね合わせの理」についての説明でした。


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