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EUは、2024年の秋までに、すべてのスマートフォン、タブレット、カメラなどの有線の充電用端子をUSB Type-Cに一本化する法律をまとめた。これにより、今まで独自のLightning端子を搭載していたiPhoneは搭載端子の変更を迫られる形になる。

今回の発表は、欧州議会と欧州理事会の暫定的な合意によるもので、正式な承認を得ることで成立となるが、2024年の秋以降、EUで販売されるすべてのスマートフォンなどを対象に、有線の充電端子を搭載するデバイスはUSB Type-Cに一本化することが義務付けられる。

2022年6月の時点では、スマートフォンの端子にUSB-Cを採用していないのは、独自のLightning端子を搭載するAppleのiPhoneであるため、Appleを狙い撃ちにした法律とも言えそうだ。AppleはLightning端子の廃止に向けて動き出すことになる。

この法律は、すべての電子機器に共通の充電端子を導入することで、ユーザーの利便性を向上させ、廃棄物の削減につなげることを目標として策定された。

法律の対象はスマートフォンだけではなく、中小型のすべての電子機器が対象。携帯電話・スマートフォン、タブレット、ノートパソコンのほか、電子書籍端末、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機器、キーボード、ワイヤレスマウス、スピーカー、ヘッドフォン、イヤフォンなど多くのデバイスが対象となる。

この法律は発効から24カ月後(2024年秋以降)までに導入することを義務付けている。なおノートパソコンについては発効の40カ月後から規則の対象になる。

このほか、製品を購入する際に、充電器が同梱されているかどうかが分かるピクトグラムを表示させることも定めた。これは充電器が必要か不要かをユーザーが選択できるようにするもので、余分な充電器の製造・輸送・廃棄を減らすことが目的だ。また充電の性能を示すラベルも加えられるという。

EUでは今後、ワイヤレス充電についても、機器間で規格がバラバラと指摘しており、こちらについても相互運用性の確保に取り組む方針だ。