50年前に誕生した高性能車専門家集団、M社
1972年5月1日、35人のスペシャリストを集めた高性能車の専門部隊、BMWモータースポーツ社が発足した。かつて、ポルシェのワークスドライバーを務めたヨッヘン・ニーアパッシュ率いる専門家集団は、ミュンヘンのプロイセン通りに8000平方メートルを超える広大な敷地を確保。
レーシング・ワークショップ、レーシング・エンジン組立部門、工具製作部門、エンジンのテストベンチを設置した本格的な体制を築き上げ、3.0 CSLクーペという傑作ツーリングカーを送り出してレース界を席巻した。以来、Mの名前、そしてまっ白な下地に青/紫/赤の3本ストライプを配したアイコンは、自動車愛好家の間で常に憧れの存在として君臨し続けている。
今年、そのM社が創業50周年を迎えた。そのアニバーサリーイヤーを祝い、2022年6月23〜26日に英国で開催されるカーイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」では特別なプログラムを多数用意している。
その1:M3初のワゴンを世界初お披露目
M社の主力モデル、M3に初めてのワゴンモデルとなる「M3 ツーリング」が登場する。彼らはそのワールドプレミアの場に、今回のFoSを選んだ。
M3、及びM4のテクノロジーを投入した実用的な5ドアワゴンは、現地時間6月23日午前10時(日本時間=6月23日午後18時)に発表。同時に、MotoGPのセーフティーカー仕様のM3 ツーリングも公開されるという。
その2:“グッドウッドハウス前”に新旧のレーシングカーが集結
グッドウッドハウス前の特設M専用ブースには、3.0 CSLをはじめとした往年の名モデルを展示する。1970年代終盤に登場したワンメイクレース用車両「M1 プロカー」や、WTCC仕様3シリーズ(E90型)、1999年のル・マンを制したV12 LMRといった栄光のレーシングカーと共に、来季デビュー予定の最新LMDh規定マシン「BMW M ハイブリッド V8」もハウス前を飾る。
その3:ピケの子息がブラバム BT52でヒルクライム!
1983年にネルソン・ピケがドライバーズタイトルを取得したF1マシン、ブラバム BT52もやってくる。ゴードン・マレーが設計し、BMW製の直4ターボエンジン(M12/13)を搭載したブラバム BT52は、グッドウッド名物のヒルクライムに挑戦する。しかも、ドライバーを務めるのはネルソンの息子、ペドロ・ピケ。80年代F1ファンは必見である。また、ル・マンウィナーのV12 LMR、“シャークノーズ”の635CSi、2015年のスパ24時間で勝利したZ4も出場予定だ。
その4:憧れのプロダクションモデルも集合
オリジナルのM1をはじめ、E30型M3、E46型M3 CSLなど、かつて憧れたMの名車も一堂に会する。さらに、635hpというハイパワーを誇る最新のM5 CSや、M4 GT3、M850i コンバーチブルといった最新のモデルラインナップもずらりと揃う。電気自動車のi4 M50や、M専用モデルの高性能電動SUV「XM」のコンセプトモデルも同じスペースに展示されるのもユニークだ。
その5:発表したばかりの最新EVの試乗イベントも
iX M60やi4、iX3など、最新のBMWピュアEVのテストドライブプログラムも実施。さらに、先般発表したばかりのiX1や、フラッグシップEVのi7、そして、もっと先のBMWのカタチを提案するスタディモデル「i Vision Circular」も展示車として用意される。