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台湾積体電路製造公司(TSMC)は次世代半導体技術開発への投資を加速させるようだ。台湾の報道機関によると、TSMCは1兆新台湾ドル(およそ4.5兆円)もの巨費を投じて、2nm半導体のための新工場を建設する計画だ。

TSMCは現在、世界最先端の半導体技術である3nm(ナノメートル)半導体製造プロセスの開発を進めている。この3nmプロセスでのチップ生産は2023年に開始されると見られているが、それと並行して、更に次世代の(そして恐らく更にその先も)技術開発に関して、熱心に取り組んでいる。

台湾のUnited Daily News(UDN)の報道によると、TSMCは1兆台湾ドルを投じて、2nm半導体の新工場を、台湾の台中市に開発しようとしているようだ。この開発計画には、市当局の後押しなどがあるという。

TSMCはすでに台中市中部サイエンスパーク内に2つの施設を運営している。1つは同社のギガファブで、年間900万枚以上の12インチシリコンウェハーを累積生産できる4つの巨大チップ製造工場の1つである。

UDNは、TSMCが台中の「Zhongqing Yigong」サイトに隣接する土地の取得を科学技術管理局に提案すると見ている。同社はすでに新竹市で2nmチップの製造を計画しており、台中市での計画は2nmの生産拡張のためと見られており、既にいくつかの報道がされている。

台中市の楊正中市議は、TSMCと協力して同地区に新施設を設置するよう、市政府に要請した。この会談は先週行われ、Taiwan.postsenが報じている。

しかし、一般質問会で正中氏は、TSMCの中科施設(台中市)の拡張は第2段階に入っているが、「Zhongqing Yigong」と呼ばれる隣接地は、リベートが高く、面積が狭いなどいくつかの欠点があると出席者に伝えたと報じている。しかし、この土地は主要なインターチェンジに隣接しているため、TSMCの要求するアクセスのしやすさを満たしている。また、中青緯に隣接する60ヘクタールの土地は、チップメーカーのニーズにぴったりであり、市当局は同社との協力を加速させるべきだと付け加えた。

またTSMCは、米国のチップ工場の雇用難に直面していると主張していたが、同社は2024年までに操業を開始するという約束を再確認している。TSMCはアリゾナ州に米国最大の工場を建設するが、同時にライバルのIntelも同州の施設拡張をスピードアップしている。

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TSMCが米国アリゾナ州に建設中のファブ(出典:TSMC)

TSMCはこの工場に120億ドルを投じることを目指しており、同社はLinkedInページの動画で、アリゾナ工場が2024年の生産開始に向けて順調に進んでいることを改めて強調した。また、同工場が2,000人の直接雇用を創出し、建設努力によってさらに数千人の雇用を創出することも共有した。このビデオでは、現在建設中の施設の画像も公開された。