圧倒的にいすゞ車が多い三重交通の車両ラインナップ。ただし保有台数が多いため他社製もかなりの数と種類が揃っているのだ。
今回は三重交通の今注目すべき車両達を一挙に紹介! 地域のニーズに合わせた結果1台しか導入されなかった車両や、多数在籍した車種の中で今なお活躍中の車両は特に要チェックだ。
(記事の内容は、2017年11月現在のものです)
構成・執筆・写真/湯(バスマガ信越支局)※特記を除く
※2017年11月発売《バスマガジンvol.86》『おじゃまします! バス会社潜入レポート』より
(三重交通特集 その2)
■路線ボディはいすゞ車の王国
●いすゞ U-LV218Q 北勢名物の長尺7E、U-LV218Qは今や風前の灯状態
2017年9月末時点で三重交通の所属車両は888台。国内大手3メーカーと、コミュニティバス用にトヨタ・ニッサン車のワンボックス車が在籍。内訳は、いすゞ車585台、三菱ふそう車103台、日野車186台、トヨタ車13台、ニッサン車1台。
路線車はいすゞ車が圧倒的な割合を占める。KC-代までは富士重工ボディも多数導入され、いすゞ×富士重工は三重交通の代表的なスタイルであったが、現在は7Eが27台にまで減っている。
9mの大型シャシーに中型エンジン搭載というニッチな仕様のLTをキュービックからエルガまで多数保有している点も三重交通の特徴である。特にエルガLTは導入事業者が少ない。
近年はノンステップバスの導入が活発で、特にジェイ・バスは現行車種にフルモデルチェンジした際にワンステが全廃されているため、新車のノンステ率は一層上がりそうだ。
●いすゞ KC-LV781R 富士重工ボディのA特急車はラスト1台に!
ふそうの路線車は特定輸送用やコミュニティバスの小型車両を除くと中勢と八風バスの計5台しか在籍しない。
日野の路線車はリエッセが最多。いすゞOEMの車種が同時に少数導入される傾向にある。この他、現行のハイブリッド車は日野で導入されている。
トヨタ・ニッサンの車両については純粋な路線車としての導入は無く、全てコミュニティバスや契約輸送用だ。
特筆すべきは特別架装車や電気バス。ポケモン電気バスはポケットモンスターのキャラクターが全面に描かれている。デザインにおいては、株式会社ポケモンが伊勢市内で取組みが進められている「低炭素社会づくり」に賛同し、デザイン協力をしている。
全国初の100%電動国産大型バスでもある(注:ポケットモンスターは株式会社ポケモンの商標)。
■観光ボディは3メーカーとも導入、仕様は多岐に渡る
●いすゞ KL-LV774R2 富士重工1S×ガーラ2000シャシの激レア車両
一方、観光ボディはいすゞ・ふそう・日野の3メーカー全てをバランス良く導入している。
三重交通ではひとえに「高速バス」と言っても種類が多く、夜行長距離、昼行中距離、昼行短距離で仕様が分けられる。
夜行車は全てSHD車で統一。ふそうが大半で、いすゞが3台、日野は無し。昼行中距離はトイレ付きで3メーカー全て導入。南紀高速バスは全てふそう。日野はセレガRのみで少数派。昼行短距離は日野・いすゞが大半。ふそうは旧型が計9台導入されたのみ。
昼行短距離用はかつてA特急車と呼ばれていた。これはB特急車という路線ボディのトップドア車が存在していた時代の呼称。B特急車の塗装は路線車と同一だった。A特急の塗装は伝統あるカラーリングを現在まで継承している。13年から側面ロゴも旧フォントに戻った。
●いすゞ KC-LV781N かつて多数在籍したスパクルもラスト1台
貸切車は三交HD設立時に新塗装に切り替わってから11年が経過し、すでに6割程が新貸切色になっている。
旧貸切色から新貸切色に衣替えした旧型車も3台いる。また、かつて多数在籍し、MAXYの名を冠し三重交通を代表する存在だったSHD貸切車については、もともとSHD車ではレアだった日野車の2台のみに。他は全てHD車になっている。
パウダールーム併設のトイレ付車と最後列まで2+2列のゆったり40人乗り車両は各2台在籍する。
なお、三重交通グループ4社(三重急行、八風バス、三重交通、三交伊勢志摩交通、名阪近鉄バス)はいずれも貸切バス事業者安全性評価認定の三ツ星を獲得している。平成29年度、三重県内に本社を置く事業者で三ツ星認定は三交グループ4社のみ、全国では287社が三ツ星認定を受けている。
三重県全域で地域の足となっている三重交通。県北部と名古屋間を結ぶ
投稿 超希少なエルガLTが未だ現役! 三重交通が保有のバスがヤバすぎた は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。