希少で最高のコンディション :メルセデス190E 2.3-16がeBayに出品された。メルセデス190E 2.3-16は、まさに夢の車だ。eBayに出品されたこの希少な個体は、多くの特別な装備を備えており、ほぼ無傷だ。
現在、メルセデス190(W201)は最も人気のあるクラシックカーとして知られている。そしてその中でも「190E 2.3-16」は、軽量ボディに185馬力と最大トルク235Nmのおかげで、見た目だけでなく、速く走ることもできるのだ。「メルセデス500E/E500」と同じく、「羊の皮を被った狼」で、マニュアルシフトを備えたこの車は1985年に誕生し、まもなく40年を迎えようとしており、そのためHナンバー(クラシックカーライセンスナンバー)が付けられている。
もちろん、40年の歳月を経ているため走行距離も229,800kmを記録している。しかし、メルセデスのエンジンならまあ問題ないといえる。そして、その製造年は、正しく、最初のシリーズに属し、他の「W201」シリーズよりも人気があることを物語っている。
コンディション: 190 E 2.3-16は最小限の欠陥しかない
現オーナーは、2021年4月にクラシックデータの鑑定を依頼し、実行した。その結果、シャーシパーツやエンジンルーム、アンダーボディやシール類にわずかな使用感が見られる程度で、最小限の不具合にとどまったという。だから、この「190E」が何の問題もなく車検を通過し、2023年6月まで、ドイツでは再検査を受ける必要がないというのも不思議ではないのだ。
修理: 2021年に多くの部品をリニューアル
しかし、このような旧車の良好な状態は偶然に得られるものではなく、2021年には、このオールディーズを再び輝かせるために多くの資金が交換パーツなどに投入された。バンパーやスリーブ、エンジンサスペンション、サーモスタットカバー、ボンネットの断熱マット、スターターバッテリー、スパークプラグ、エアフィルターなどを一新したのだ。
それだけではない! というのも、リアとフロントのブレーキキャリパーはもちろん、ブレーキディスク、パッド、ホースも一新、オーバーホールされたからだ。タイヤ(ブリヂストン ポテンザ)とホイールも新品だ。AMGデザインの現代的なLMホイールで、もちろん新品ではなく、リフィッティングされたものだ。さらに、2021年にはオイル交換も行っている(そんなの当たり前だ!)
この一台は、愛情を込めてメンテナンスされたガレージカーであることは明確で、細部にまでケアが行き届いている。また、2016年には塗装を全面的に塗り替えており、納車時と同じ色で仕上げられている。
インテリア: ここでもベビーベンツは輝いている
また、内装も写真で見る限り、とてもよく手入れされているように見える。ダッシュボード周りやリアシートには傷やシミは見当たらない。シートのレザーには、経年劣化でやむを得ないシワしか見当たらない。
装備: この190E 2.3-16は多くのエキストラが付属している
いずれにせよ、「190E 2.3-16」は非常に人気のあるクラシックカーである。また、このシリーズのベンツには、豊富なオプションが用意されていた。この個体には、電動サンルーフ、セントラルロック、メタリック塗装、カラーグレージング、レザーインテリア、ベッカーラジオ(自動アンテナ付)が装備されている。
エンジン: 2.3-16は2番目にパワフルな190
「2.3-16」は登場時には、この種の車の中で最もパワフルな車として登場した。ボンネットの下には、排気量2299ccの4気筒エンジンが眠っている。メルセデスはリアアクスルを介して駆動し、0から100km/hまでの到達時間は8.2秒だ。100km/hから200km/hまで38.7秒、228km/hで限界に達する。そして、クラシックカーは軽い。「2.3-16」の乾燥重量はたったの1,465kgだ。
希少性: 公式登録1,000台のみ
「190E 16バルブ」は希少価値が高く、非常に人気がある。公式には、現在1,000台弱しか登録されていない。つまり、この特典は、ちょっと特別なクラブへのチケットなのだ。この希少な車両の最高入札額は、2022年5月30日現在、20,049ユーロ(約280万円)となっている。しかし、まだ売主の希望する最低価格には達していないらしい。その価格が具体的にどの程度の価格なのかはわからない。
オーナーは2度、車検を受けたそうだ。「クラシックデータ」の評価では2点。まずその価値は29,600ユーロ(約415万円)と推定されている。「クラシックデータ」のアナリストによれば、この車は32,000ユーロ(約450万円)の価値があるとさえ言われている。ちなみに、同じシリーズの同程度のコンディションのモデルの市場価格は2万ユーロ(約280万円)前後となっている。
【ABJのコメント】
「メルセデス・ベンツW201」の中でも、「2.3-16」と「2.5-16」はやはり別格なモデルである。もちろんどちらが王道かといえば普通の「190E」や「190 2.6」、あるいは「2.5」のディーゼルエンジンモデルなどが、個人的には直球勝負のストライクゾーンではあるが、このコスワースのエンジンのモデルももちろん嫌いではない。
さて今回の一台は415万円と、一見なかなかのお買い得なプライスで、内容的にも様々な部分のパーツなどのメンテナンス作業や交換などを受けているし、ボディも(好きか嫌いかは別として)オリジナルのカラー番号199であるブルーブラックに塗られているなど、なかなか程度は悪くなさそうに思える。まあ走行距離だけは20万km以上と、なかなかの数字ではあるが、ヨーロッパでの使い方と、このころのメルセデス・ベンツの(特にボディなどの)耐久性を考えればまあまだ大丈夫かな、とは思うレベルではある。
もちろん絶対的な維持費は必須だし、トラブルフリーで行けるとは思わないが、好きな人なら、悪くはないと思えるし、クラシックアイテムとしての自動車ならばなかなかお買い得、あるいは適正価格かな、とも思える範疇の一台ではなかろうか。(KO)
Text: Kim-Sarah Biehl
加筆: 大林晃平
Photo: ebay/paulchen1991