BMW M Hybrid V8
北米でのモータースポーツ活動へのオマージュ
LMDh規定はIMSAが2020年に発表した新規定で、LMP2シャシーをベースにハイブリッドパワートレインを搭載。1台のマシンで、世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスと、IMSAのGTPクラスへの参戦が可能だ。BMWは2023年シーズンから、IMSAへの参戦を発表している。
今回、BMWはテストプログラムの開始に先立って、刺激的なカモフラージュカラーが施された「BMW M ハイブリッド V8」を発表した。エクステリアはBMWグループ・デザインワークスが担当し、電動化の未来を感じさせつつ、北米におけるBMW Mモータースポーツの歴史へオマージュを捧げる、ダイナミックなフォルムを完成させている。
ひと目でBMWだと分かるフォルム
BMWがプロトタイプレーシングカーでワークス参戦するのは、2000年シーズンの「BMW V12 LMR」以来。BMW V12 LMRは、1999年のセブリング12時間とル・マン24時間レースで勝利を飾っている。
BMW M社(BMW M GmbH)のフランク・ヴァン・ミールCEOは、BMW M ハイブリッド V8について次のようにコメントした。
「LMDhプログラムのデザインチームにとって最も重要な課題と挑戦は、プロトタイプレーシングカーがBMW Mモータースポーツの車両だとひと目で分かることでした。そして、ファンの皆さんがBMWのマシンだとすぐに認識できるレーシングカーが完成しました」
「また、北米におけるBMW M社の素晴らしい歴史にちなんだ、このカモフラージュカラーも気に入っています。BMW Mモータースポーツとダラーラの素晴らしい仕事に、あらためて賞賛を贈ります。BMW MハイブリッドV8がサーキットで走るのを見るのが、今から待ち遠しいです」
キドニーグリルやホフマイスター・キンクを採用
BMW M ハイブリッド V8 のデザインの特徴となるのが、フロントカウルに設けられた大型のキドニーグリルだ。ツインBMWアイコンヘッドライト、「ホフマイスター・キンク」ウインドウグラフィック、Mフックミラー、テールライトなど、BMW M社らしいデザイン要素がふんだんに盛り込まれた。また、ボンネットとシャークフィンには「BMW M社50周年記念ロゴ」も入れられている。
鮮やかなカモフラージュカラーは、北米におけるBMWの50年にわたるモータースポーツ活動へのオマージュが盛り込まれた。1976年の「BMW 3.0 CSL」、1981年の「BMW M1/C」、1978年の「BMW 320i ターボ」、1986年の「BMW GTP」、さらに「BMW M3 E36 GTS-2」、「BMW Z4 GTLM」、「BMW M8 GTE」といった、象徴的なレーシングカーのイメージが採用されている。
さらに、このカモフラージュカラーは、歴史へのリスペクトだけでなく、開発テスト中において正確なエアロダイナミクス形状を隠す効果も期待されているという。