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「なんか、二十年ってあっという間ですね」 と、世之介は言って、すぐに、「いや」と首を捻(ひね)る。 「……あっという間のようで、やっぱり遠い昔なのかな」と。 「……そのころ、よく室田さんの部屋で鍋ご馳走(ちそう)になってたじゃないですか」 「そうだそうだ。うちの田舎から送ってきた野菜…