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悪いことは続くもので、吉野家が元役員による「生娘シャブ漬け」発言騒動の余韻が冷め始めた矢先、早くも炎上した。

子会社の採用説明会に参加を希望していた大学生がツイッターで3日夜、「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど!」と会社側からの断りメール付きで告発の投稿をしたのが発端だった。

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「生娘シャブ漬け」騒動直後の再燃

いまのツイッター空間での吉野家ブランドは「生娘シャブ漬け」騒動があったばかりで可燃性抜群だ。瞬く間に騒ぎに発展し、これを見かけたバズフィードジャパンなどのメディアが6日、親会社の吉野家ホールディングス(HD)に取材攻勢をかけ、会社側は当該学生が外国籍なのかどうか確認も十分せずに門前払いしたことを認めた。

吉野家は断った理由として、就労ビザの問題を挙げた。過去に内定した外国籍の学生がビザを取得できずに内定を取り消さざるを得ない事態があったからだという。

今回の現象だけを切り取ってみれば、性差別的な「生娘シャブ漬け」騒動に続き、今度は外国人差別的な印象が出てしまう。ファクトチェックとポリコレを生き甲斐にしているバズフィードの記者は朝日新聞出身でもあるから、ビザの問題を知った上でも「待ってました」とばかりに「そもそも外国籍であることを理由に説明会の参加を拒否するということ自体が差別的だ」などと吉野家を難詰し始めている。

しかし、築地から大手ネットメディアへ華麗なる転身を遂げたエリート記者様は吉野家の店舗で牛丼を食べたことがないのだろうか。都内の店舗に行けば、外国人のアルバイト従業員は珍しくない。

吉野家が差別主義なのか?

待遇的な差別をしているのかといえば、そんなこともなさそうだ。ネットを叩けばすぐに見つかるが、コロナ禍前には2018年には人事担当者が外国人採用について就職支援情報サイトの取材を受けており、外国人はアルバイトも含めて1万人近くが就業していることや、海外の事業展開に対応するため、「優秀な方は国籍問わず優秀ですので、日本をつなぐパイプ役にとどまらず、経営を任せられる人材に成長していってほしい」と、風通しの良さをアピールしている。

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それでもバズフィードの記者が「吉野家の本音は差別主義だ」というなら、証拠が見つかるまでモリカケ問題のような不毛な取材に勤しんで貰えば良いが、本音があるかどうかは別にして、経営的に見れば、加速する人口減少トレンドにあって、吉野家のような店舗運営スタイルでは、現場の人材確保もままならず、日々のオペレーションのためには国籍云々言っていられないのが実情だ。

バズフィードは厚労省が求人申し込みで外国人に差別的なことをしないように企業側に求めている方針を引き合いに、吉野家に見解を尋ねているが、「厚労省の定める指針の適切かどうかにつきましては、当社が判断できる立場ではございませんので、回答を控えさせていただきます」と一蹴されている。記者の言いがかりにうんざりし、相手にされていないのだ。

ここでポイントに感じるのは、吉野家がNHKの取材に対して、今回のような措置を2021年1月ごろから取っていたと明らかにしている点だ。時期的に見てコロナ禍で入国制限が厳しくなっていた時期と重なる。実際、外務省は2020年、ビザ発給件数は前年比87%減の112万件に激減したことを明らかにしている(参照:観光経済新聞)。

本質は外国人労働者問題

さらに突き詰めれば、この問題は飲食業のように、人手に依存する構造の企業にとって、労働力の減少にどう向き合うのか、事業、いや日本の経済を持続可能にするために、外国人労働者をどう受け入れていくのか、移民制度も解禁するのかどうかという本質的な規制の問題にぶち当たる。日本の政治と社会が逃げ回ってきた宿題のツケが、今回もこうした形でコロナ禍で前倒しで出ているわけだ。

吉野家の今回の対応は稚拙であることに間違いはないが、事実関係を認めて謝罪しているから現場レベルではそろそろ落着すべきだ。むしろ今回の騒動が起きた構造に目を向けるべきだ。

結局、表層的なポリコレ報道では、問題解決に全くならない。日本はロシアと違い民主主義国であるから、バズフィードやハフポスト、その記者たちの出身が多い朝日新聞あたりが、ゲスいPV狙いで表層的に騒ぐのは営業の自由であり、報道の自由だが、成熟した層には相手にはされまい。

なお、けさのSAKISIRUでは、もはや静かなる有事と言えなくなってきた人口問題について、高幡和也氏の解説記事をアップしたばかり。子ども騙しのポリコレメディアにうんざりしている大人の読者の方はぜひご一読ください。