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レクサス

| たしかにスピンドルグリルは多くの人に酷評されたが、同時に一部の人を強烈に惹きつけた |

それでも、その役目もガソリンエンジンとともに終わり、次の時代へと進むということなのだろう

さて、レクサスは先日新型RZを公開していますが、これは「スピンドルグリル」から「スピンドルボディ」へとデザインを変化させた市販車第一号です。

もちろんRZは電気自動車なので、(吸気のための)巨大なスピンドルグリルを必要としないわけですが、レクサスのグローバルデザインチーフを務める須賀厚一氏によれば「アメリカ市場における調査では、顧客の多くがスピンドルグリルを目障りだと感じており、ダース・ベイダーや電気シェーバー、(映画の)プレデターに登場するモンスターに例えている」。

新型レクサスRZ 450eついに発表!スピンドルグリルを捨てて「スピンドルボディ」へと昇華、駆動方式は4WD、出力は313馬力、航続距離は450km
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たしかに、この顧客への調査以前に、全米のレクサスディーラー網からは「顧客がレクサスのデザインについてこれない」というクレームも多々報告されていることが報じられています。

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レクサスの「スピンドルグリル」とは一体何なのか

そしてそもそものスピンドルについてですが、これは「糸巻き」という意味で、トヨタ自動車が紡績企業からスタートしたことに敬意を払ったデザインだと考えられます。

ただ、前出の須賀厚一氏は「糸巻とは無関係」「最も効率よくエアを取り組もうとした結果、あの形状になった」ともインタビューにて述べていて、しかしそれでも、ぼくとしては「糸巻とは無関係ではないだろう」というのが正直な印象です。

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それはともかくとして、スピンドルグリルの元祖は2007年に発売されたレクサスIS Fだとされ、423馬力を発生する高性能エンジンを冷却するためにエアインテークを拡大する必要があり、もともとの「逆台形」グリルの下側を拡げた形状を採用したことに端を発します。

そして「スピンドルグリル」なる名称が登場したのは2012年のレクサスGSだとされ、これ以降レクサスは「メルセデス・ベンツやアウディ、BMWと戦うためのデザイン的排他性」としてスピンドルグリルを強調することになるわけですね。

ただ、過ぎたるは及ばざるがごとしというか、その後拡大するスピンドルグリルに対して顧客がクレームを入れ始めたのが2016年くらい。

しかしながらレクサスは「スピンドルグリルをやめる予定はない」と主張し、一連の未来をイメージしたモビリティ、映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2016)」に登場するスカイジェットにもスピンドルグリルを採用し、「意地でも」スピンドルグリルを押し通す姿勢を見せることに。

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そして各レクサスディーラーの壁、デスク、カーペットなどのデザインにスピンドルグリルを取り込み始めたのもこの頃で、とにかくレクサスはスピンドルグリルを押し出すことをためらわず、しかしこれはこれでレクサスのプレゼンスと話題性を高めることにもなったため、結果的にはレクサスが正しかったのかもしれません(話題にならないよりはずっといい。現在のBMWが採用する巨大キドニーグリルについても、結果的にBMWの販売を後押しすることになった)。

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ただしそこからスピンドルグリルには若干の変化も

しかしながらそういったレクサスの「強気」も少し変化を見せ、その最初の例は「LF-30エレクトリファイド・コンセプト」。

これはピュアレクトリックカーなので吸気のためのグリルが必要なく、しかし「スピンドル=糸巻き」を立体的に表現しています。

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おそらくこの頃からレクサスは「スピンドルグリルに対する限界」を感じ始めていたのだと思われますが、消費者からの声を無視するわけにもゆかず、さらには”それまでの”スピンドルグリルの強調によってレクサスのポジションを一定のところまで押し上げることに成功しており、そろそろ次のステージに進む必要がある、と判断したのかもしれません(この頃から、レクサスの市販車においてもスピンドルグリルの”フレーム”が目立たないようにデザインされはじめている)。

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スピンドルグリルは「主張」から「調和」へ

そして話は「レクサスRZ」に戻りますが、須賀厚一氏は「スピンドル形状は維持したい」とも語っており、エレクトリック時代においてもそれを維持するために「適切なバランス」を考慮し、消費者の声に耳を傾けた結果がこの「スピンドルグリル」なのだそう。

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これを見ると、スピンドルグリルは「独立して機能を主張する」デザインから、「車体と一体化した」デザインへと移行したように見え、つまりは主張から調和へと移行しているようにも。

そして「スピンドル」を表現する手法も多様化し、さらにはその定義も拡大されているものと思われ、エレクトリファイド・スポーツ・コンセプトにおいては、また異なる表現方法において「スピンドル」が表現されています。

これこそがまさにスピンドル「グリル」からスピンドル「ボディ」へと変化したということなのだと思われ、「吸気」という役割から開放されたスピンドル形状が新時代へと向かうということなのでしょうね。

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参照:Automotive News

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