貞観10年のこと。太宗が、侍臣に向かい、このように問われた。 「帝王の事業のなかで、創業と守成、いずれが困難であろうか」 その問いかけに、尚書左僕射の房玄齢(ぼうげんれい)がこう答えた。 「国家創業のときは、必ず前王朝が衰え、天下が乱れて群雄割拠するなかにございます。これらの強敵を一…
貞観10年のこと。太宗が、侍臣に向かい、このように問われた。 「帝王の事業のなかで、創業と守成、いずれが困難であろうか」 その問いかけに、尚書左僕射の房玄齢(ぼうげんれい)がこう答えた。 「国家創業のときは、必ず前王朝が衰え、天下が乱れて群雄割拠するなかにございます。これらの強敵を一…