雨が多い時期はもちろん、濡れたものをそのまま社内に放置しておくと、窓ガラスは曇るし、エアコンやマットにはカビが生え、それが不快なニオイの原因になることも。
クルマはもともと気密性がそう高くないため、細かいほこりやごみが湿気を含みやすい。湿度60%を超えると急激にカビやダニの発生リスクが高まり、人体にもむくみやだるさといった症状が出やすくなると言われている。
そこで今回は、湿度が高いシーズンでも快適にドライブを楽しむための、湿気対策を紹介したい。
文/中村秋子、写真/写真AC
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基本のキ! 湿度が高い日のエアコンは内気循環をメインに
車内の湿度を下げるには、エアコンを上手に使いこなすことが基本となる。高温の空気は水分を含みやすいため、それをエアコンで冷やすことで水分が蒸発(飽和)し、結露となって排出されていく。しばらく駐車した後に車体の下に溜まっている水は、このエアコンで除湿された車内の水分なのだ。
ジメジメとした梅雨時期などは外気の湿度が高いため、エアコンは内気循環にしておこう。ただし、内気循環を長時間使い続けると車内の二酸化炭素濃度が上昇し、頭痛を招くといった調査結果もあることから、1時間ほど経過したら外気循環に切り替えるなど、うまく使い分けることで快適な状態をキープしたい。オート機能を使えば自動で内外気の切り替えを行ってくれるので、それを活用するのもいいだろう。
一方で冬場のような車内と車外の温度差が激しい場合には、窓が曇りやすくなり視界を妨げる可能性があるため、内気循環よりも外気循環を使用することをお薦めする。
湿気による窓ガラスの曇りには、エアコン+デフロスターをONに
より素早く窓ガラスの曇りを抑えたい場合には、エアコンとデフロスターの合わせ技が効果的。オートエアコンの場合はデフロスターをONにすれば自動的にエアコンが稼働して除湿機能が最大化されるが、マニュアルの場合はエアコンの風量を最大にしてからデフロスターのスイッチを入れ、風向を窓の方に向ければ短時間で曇りを除去できる。
また、ほこりは湿気を含みやすく曇りの原因となるので、普段からこまめにガラスを拭いて汚れを落としておいたり、曇り止めスプレーを使用することも有効だ。
そもそもの曇りの原因は外気と内気の温度差なので、雨さえ降っていなければ、窓を開けて外気と内気の温度差をなくすことが最善策だ。
乾燥剤の設置でダメ押しを!
エアコンを内気循環にしておけば走行中の除湿は問題ないが、エアコンをオフにした途端に湿度は再び上がってしまう。
実はこの乾燥と湿度上昇の繰り返しが雑菌を増やし、カビの原因にもなるとも言われている。これを防ぐには乾燥剤の設置が有効だ。乾燥剤を足元のマットの上や、トランクルームの中などに置いておくと、カビの発生を防げる。
猫のトイレに使う砂を靴下に入れて置いておくという方法もあるが、家庭用乾燥剤でも十分。
ただし注意したいのは、容器に吸収した水分が溜まるタイプのタンク型除湿剤を使用する場合だ。これらは薬剤に塩化カルシウムが使われていて、こぼしてしまうとクルマのパーツに使われている鉄などがサビる原因となってしまう。そのため、タンク型のものを使う場合には走行中に倒れないよう固定しておく必要がある。こういったことから、ビーズ状や粉末状のシリカゲルタイプのものを使ったほうが安心だ。
濡れたものを車内に積んだ時には、アフターケアが重要
傘やカッパ、タオルなどの濡れたものを車内に持ち込んだ場合には、濡れてしまった部分をそのまま放置しないことも重要だ。水分をきちんと拭き取っておくことはもちろん、エアコンや窓を開けることで風通しを良くし、できだけ早く乾燥をさせる。さらに除菌スプレーなどを吹きかけておくと安心だ。
洗車時に使用したタオルを車内やトランクに放置することも、湿度の高いシーズンには異臭の原因にもなるため、入れっぱなしにしない、乾燥させてからしまうなどの配慮が必要だ。少し面倒かもしれないが、雑菌やカビが繁殖する前に対策しておくことが、愛車を守り、健康を守るうえでも大切ということは心しておこう。
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